従業員が経営者の大変さを考えないのは、子供が親の身になって考えないのと同じ話

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人は本当に難しい問題ほど議論したがらない

今日は、「自営業者ってけっこうバカにされることも多いよね」ってお話をします。

私としては自営業者というのはバカにされても、そんなの放っておけばいいんじゃね〜の?っていう意見の持ち主です。

というのも、知っている方もいらっしゃると思いますが、今日は自営業の方を励ますために『パーキンソンの凡俗法則』っていうのを紹介したいと思います。

例えば東日本大震災で福一が問題になった時にも、このパーキンソンの凡俗法則っていうのが見直されました。

原子炉の問題だったんですが、原子炉の問題ってあまりに難しすぎて一般人は絶対に議論しない。

では一般人はどういった事で原発について議論を活発化させるかというと、「原発は福島の事故を見たらわかるようにリスクが高い!だから日本は原発ゼロにしろ!」とか、そういう感じです。

『自転車置き場の議論』っていうふうに一応日本語ではなっていますが、日本でパーキンソンの凡俗法則が広まったのはこの『自転車置き場の議論』でしてね。

自転車置き場についてはね、やっぱり色んな意見が飛び交うんです。

みんな思う所があってね、勝手知ったるものですからとても意見が活発になります。

ですが原子炉の具体的な仕組みを知ったうえで安全性を担保する施策は何が必要か?とか、具体的な部分に目を向けた話になると意見は活発になることはありません。

「誰か詳しく分かっている人がやれば良いんじゃない?私たち分かんないから」っていう感じでね。

これがパーキンソンの凡俗法則です。

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経営の本質を議論できないから愚痴る従業員

これを自営業にあてはめてみると、簡単なんですよ。

元々が一般人というのは、複雑な議題は理解できないんですね。

そして自営業者っていうのは数が少ないんですよ。

というのも、この世の中のほとんどの方は「従業員」であり、給料をもらう立場なんですね。

ところが経営者・事業者の方になったりすると、今度は給料も払うし、給料だけではないんですね

人を置いておくっていうのは、置いておく、それだけでお金がかかるんです。

それにまつわる経費もぜ〜んぶ経営者側が払うわけですよ。

こういう立場の違いがあって、実際日本の人口で言っても経営者(給料払っている側)は全体の2%いるか・いないかですよ。

ですから、数で言っても圧倒的に経営者の方の数が少ないわけですよ。

そうすると、どっち側で意見が活発になるかというと当たり前ですけれど従業員側です。

勝手知ったることが多いからね、「イヤな上司いるよね〜〜」とか「ホント社長分かってねぇわ〜」とかね、そっちの意見が活発になってね。

じゃあ、従業員側の人たちが経営に関して意見が活発になるかっていったら、まず無いんですよ。

だって分からないから。経営のことなんてまず分からないわけですからね。

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親にならないとわからない「親の身」自営してみないとわからない「経営」

よく例に出すのが、親にならないと「親の身になって考えてみろ!」って言ったって、まず分からない。

子供だったら親にずっと面倒みてもらう、それが「当たり前」、ところが自分が立場が変わって、今度は親となって子どもの面倒をみるときに、初めて色々分かるわけじゃないですか(笑)。

子どもの頃に「親の身になって考えてみろ」なんて言われても、そんなの分かるわけがない。

まさに従業員側と経営者側みたいな関係が日常の生活にもあるわけですね。

そうすると、一般人はどこで意見を活発にさせるかというと、経営自体のことは分からないから「店」とかなんです。

目に見えるところの、”飲食店”であったり”美容室”であったりとか、自分たちが行ける「店」について議論するんです。

その店については意見が活発になって、ネット上でも”食べログ”みたいなものがあったり、そういう所で評価をし出すんですけれど、難しいことは議論できないんですよ。

それが「小さくても良いから自分たちでやってみない?」って言うと、「いやいやそんなとんでもない!自分たちにはできないよ!」っていう感じで、結局 ”よく分からないからできない”っていう人が世の中にはとっても多いわけでございます。

そういった現実から見ると、やっぱり自営業者の方たちは分からないなりにもねぇ、曲がりなりにも「やった」人なんですよ。

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経営の本質は一般人に理解されなくて当然のもの

というのも、どんなショボイ商売なんかをやったって、一回やり始めたら月100万円くらいのお金をコントロールしなくちゃいけないんです。

ショッボ〜〜イ商売やったって、それくらいはやらなくちゃならないわけです。

これがちょっと大きめの会社になって、従業員雇ってたりすると、月100万円なんかじゃなくて毎日100万円ですからね。

月3千万円くらいのお金をコントロールしていかなくちゃいけないんです。

一般人がね、まずそれだけの支出をコントロールできないですよ。そういうことをやっていることも知らないし。

そして、一般人はただ単に欲が深いだけであって、「いくら稼ぐ」っていうふうに考えます。

ところが商売の現実っていうのは、「使い道」なんですよ。まずお金を使ってそして稼いでいくっていうね、この感覚ですからね。

こういうことを、一般人が分かるわけがないんです!

だから、本当に自営業者の方には己の立場について悩んでほしくない。「自営なんて理解されなくて当然なんだ」、「人口的にもいても2%くらいの少数派なんだ」って。

なんやかんやって自分の店の事を言われてもね、そんなの放っておけば良いんですよ。

所詮は理解できないんだから、って。

向こうはただ単に「自転車置き場の議論」であって、みんなが意見を活発に言えるような話題でしか議論できないんだって。

だから放っときゃいいの。「気にするな!」って話なんですね。

私は経営の本質的なものを逆に絶対に出さない方が良いって思っています。

経営の本質っていうのは、銀行にあるような他人のお金で、そして他人に働いていただいて、そして利益を出して、これで毎年毎年みんな(従業員)の雇用を守っていくとか、そういうのが「経営」です。

ただ、これは何も前面に出さなくて良いって私は思っています。

元々理解ができない人たちを相手にするときに、こっちが一生懸命になったって血圧上がっちゃうじゃないですかっ(笑)。

私としては、理解ができない人たちは放っておいて良いし、理解できる人だけでつるんでも良いんじゃないかなって思います。

 
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

所有資格:

日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
税理士
簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
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