丁稚奉公から大社長になった人は結構沢山いる
今日は丁稚奉公とか、弟子入りとか、そういうのは本当に奴隷のように酷使されているのかな〜、っていうことをお話したいと思います。
今ですと、1番有名なのは神奈川県の横浜にあります秋山木工さん、ここは完全な丁稚制度を敷いてますので、1番有名じゃないかなと思います。
一流の木工職人に育て上げるために完全なる丁稚制度、それから「丁稚見習い」とかそういうところまでやっているわけでございます。
あと丁稚奉公で有名になった人はPanasonicの松下幸之助さんとか、ホンダの本田宗一郎さん、それからサントリーの鳥井信治郎さんなんかもですね。
サントリーの鳥井さんなんて丁稚奉公先が今も残っていまして、”接着剤のコニシ”です。
丁稚奉公って言うほど悪い制度か?現行の法律と照らし合わせると…
丁稚奉公もそんなに悪くないなぁと思うのは、丁稚からそうやって大会社の社長になった人もいる、という現実もあるわけでございます。
あながち丁稚奉公は本当に悪いところばっかりではないよね〜、って話なんです。
ところが戦後、労働基準法が定められまして、労働基準法の69条というものがあるんですが、これがネックになっているんですよ。
使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。
こういう法律がありまして、事実上は衣食住を与える丁稚奉公であるとかあるいは見習いであったり、それから弟子入りということを禁止しているんですよ。
「そんなに技術を教えたかったら、ちゃんと最低賃金払ってから教えろよ」っていう話なんですね。
そうすると、今ですと東京の最低賃金は時給で960円くらいです。ですから時給千円って考えれば良いですね。
時給千円を払って、「教えたければ教えろ」っていうふうになっているわけです。
丁稚奉公がやれないなら学校を作ってしまえ!
これについては、「そんなのおかしいぞ!」と、うちの顧問先の社長さんが十数年前におっしゃって、“あること”を始めました。
「自分は技術を教えている、なおかつ給料も払っている!…俺は頭がオカシイんじゃないか!!」って(笑)。
労働基準法をキチッと守ると、そういうふうにやらなくちゃいけない。
ですからその社長は考えました!
「そうだ!こうなったら学校を起こしちゃえ!」って(笑)。
そして、自分の職場と同じところに学校を起こしたんですよ。一応◯◯スクールっていう感じの名称付けてね。
結局やったことは、今までは技術を教えて、なおかつ給料を払っていたのを、今度は技術を教えて、お金(授業料)をもらうって変えただけです。
従業員の先輩方が、色々と技術を教えてくれるという仕組みを作り上げまして、最初は”自分の店がもてる”っていうところまでで、70万円くらいだったんです。
こんなんで生徒さん来てくれるのかな…って始めたんですが、やっぱり来ましたね(笑)。
今も続いておりまして、もう〜十数年続いていますね。
今はね、高いコースはもう200万円超えるんですよ。
200万円を超える授業料を払っても、そこで技術を習得して自分の店を持ちたい!っていう人がいるんです。
ですから例えば、「給料要らないので、働かせて下さい!」っていう人が来るんだけれど、どうしようかなぁと思っている人は、いっそのこと学校を起こしちゃえば良いんですね。
優秀な人材を集めたいなら学校をやるのも一つの手
例えば…うち(会計事務所)だったらね、多分来ますよ。
要するに経理職って就くのに、”実務経験3年と簿記2級”って募集要項に必ず書いてあるんですよ。
実務経験をどこかで3年つけなければいけないから、タダでも良いから働かせてくれって、当たり前に来るんですけれど、それはできないんですね。
できないからやっぱり”学校”という形にするしかないし、秋山木工さんも”学校”という形をとっております。
学校は始めてしまえばホント簡単で、あとは優秀な受講生(生徒)を先生として採用すれば良いだけなんですよ。
私も資格学校で先生をやっていたころ、簿記の先生をやっていたんですが、学院長がやっていた採用法っていうのがね、公認会計士の全国模試の1位から順番に呼ぶんですね。
これ呼ばれる方もけっこう光栄なんです。1位から順に呼ばれるわけですからね〜。
1位から10位まで呼ばれて規定の人数が決まったら、「今年の採用はこれで終わり〜」みたいな感じでね。
でね、やっぱり優秀で試験に受かったばっかりの任期の方が実際良いんですよ。
「去年受講していてかなり優秀だ」ってそういう人をすぐに採用しちゃっても全然大丈夫ですからね。
こういう形で、いつの間に気づいてみれば、丁稚奉公とか弟子入りとかができなくなったことから学校を始めて、スクール事業の方が大きくなったっていう会社も沢山あります。