業績低迷からの復活マニュアルなど、そもそもこの世には存在しません。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツの言葉を借りれば、会社は「1つのラッキーで5年持つ」というくらい組織として持続することが難しいものです。私達はラッキーを起こし続けねばならず、つまりは、常に学び気づきを得ながら、変化し続ける必要があります。
業績回復マニュアルなどこの世に存在しない
中小企業の経営者の方から「最近業績が良くない…」と相談を受けましたので、経営者としての業績回復マニュアルはあるのか?というテーマでお話しようと思います。
結論から言うと、失敗の方はかなりマニュアル化できると思っています。
ところが成功の方は「運」の要素もかなり含んでいるので、マニュアル化しない方が良いんではないかと私自身は思っています。
開廃業の話をしますと、開業率から廃業率を引いたらマイナス4パーセントくらいまでいっているんですね。
それくらい廃業の方が今は圧倒的に多いような感じになっています。
年平均の生産年齢の上がり方を見ても、若い人が減っていくのと開廃業にはおのずと相関性があって、生産年齢が上がると開業率が減って廃業率の方が多くなっています。
開廃業については、こんな感じなんだな〜と、そう捉えていた方が良いんじゃないかと思います。
会社は1つのラッキーで5年、3つのラッキーで15年もてば、やっと1人前。
このテーマについては、10年くらい前に我々もセミナーをやったんです。
「これまで体験をしていない人口減少、それから成熟化社会、この2つがやってくる。だから過去のマニュアルは通用しなくなる。これから我々も過去の人たちも経験したことが無い時代が来るんだから、順応に対応していかなければいけない。」という内容でした。
ちょっと怖い言葉なんですけど、以下はマイクロソフト社のビル・ゲイツさんの言葉と言われています。
「1つのラッキーで5年持つ」
5年や10年持ったぐらいでは、それは1つや2つのラッキーが重なっただけに過ぎないんじゃないかと。
会社経営というものを考えるときには、まず3つくらいのラッキーで15年会社をもたせる。
このくらい出来ていないと、経営としては信用しないみたいに言われているんです。
でも確かにね、本当に5年以内でボコボコ会社って潰れていきますし、10年持つとなると1割だって言われています。
ですから、15年ぐらいでやっと一人前扱いされても良いのかなって感じもします。
怖い言葉なんですけどね。
タナカキミアキの下へ舞い降りた3つの奇跡
我々も起業してから今年で17年目でして、結構なラッキーに支えられてやってこれたという実感はあります。
1番最初のラッキーは、WEB集客が上手くいったことです。
税理士さんはその昔、広告を出してはいけなかったんです。
ところが広告解禁の時期がちょうど開業と重なったんです。ラッキーですね。
2番目のラッキーは、看板と人材です。
良い人材が入ってくれました。「お客様に売れる」人材、いわゆるタレントですわ。
良い人材が、ラッキーなことに入ってくれたおかげで上手くいったんです。
3番目のラッキーというのはyoutubeです。
今や2.5万人のチャンネル登録者が、私の講義を1日1万回再生してくれておりまして、ここから多くの見込み客が私達を「指名買い」し、お客様となってくれています。
ここまで上手くいくなんて全く思っていなかったので、これもまたラッキーだなと。
次の5年を考えると湧き上がるのは「不安」
こんなふうにラッキーが数年おきにやってきたので、どうにかやってこられたというだけの話で、次の5年間をどういうふうに変えて行こうかなぁというところで、サービスを提供する側から考えると、やはり我々みたいな商売は、圧倒的な教える能力がないと駄目ですね。
教える能力が高い人間を集めて、ガンガン教えていくと。そういう事をやって行かなきゃいけない。
それを日常業務に置こうと思ったら、とにかく毎日が勉強!毎日が実践!なんですよ。
そして、この2つをやれる従業員はいるのかな?!っていうことを考えると…
もうその瞬間に自分が不安で不安で仕方ないっていうね(笑)。
あくまでサービスの提供側から考えると、これくらいのレベルのサービスを提供していかないと、もうこれからの時代は「買ってもらえんぞ!」というふうに思っているわけです。
変わろうと思ってもメンバーは変わらない…
じゃあ、「経営革新に現場はついてこられるのか?」という問題がふとよぎるわけです。
ところが、作業屋さんは変化をそもそも望まないので、会社と一緒に変わってもらおうと思ったって、その人を変えることは出来ません。
大体ラッキーが起こる度に、うちもメンバーが変わっているんです!実は!
メンバー総変えなので、もし次の経営革新を断行しようと思ったら、その時はまたメンバー総変わりでも仕方ないのかなってそういう事も考えております。
自分たちが「会社」という小さな縛りじゃなくて、この「社会」においてどういう人たちが最も必要なんだろうか、どういう人が財産であり資産なんだろうかと考えると、例えば社長の引退の時期なんかは「変えられなくなったら」それが社長引退の時期です。
年齢は関係ないですから。
ですから変化を起こし続ける、1回だけじゃなくて、起こし「続ける」人になっていく必要があります。
自己投資をするんだったら、常に変化を起こし続けていく人にならないと、社会の財産では無いなと感じております。
行き詰った時ほど学びから気付きを得て変えて行け
そして、今この記事を読んでいただいている社長さん方には、これから先も常に変化を起こし続けていく、そういう人になって行って頂きたいです。
社長さん自身がそうなれば、その人自身がもう財産だから、その人が死なない限り、その人は社会にとっての資産であり財産となるからです。
今日相談してきた方もそうですけれどね、行き詰まった時っていうのは、本当に私はいつも思うんですけれど、「学ぶ」ことをやめている時だと思うんですよ。
ですから、どんどんどんどん、学んでいって、そして新しい気づきっていうのが見つかると思うんです。
今日は何の気づきがあったか、そして自分がそれに対してどう思ったか、それをどう改善していこうと思って、それは今やるべきか、それともやらなくていいことか?
そういう形で、本当に緊急性があったり、きちんとやらなければいけないことを気づきによって得たのであればすぐにやれば良いし、これはやらなくていいなと思ったら、やらなくても良いし。
ずっとそうやって行くことによって、変化を起こし続ける人になっていく、要するに社会の財産となるんじゃないかと思っています。
経営状態が悪くなっても、本当に変えている人というのは何度でも復活することができますから、ぜひとも「変えられる」社長さんになってくださいね。