日本では働く人、特に会社勤めの人のことを「サラリーマン」と呼びます。
実は、この和製英語の「salary」という言葉の語源を調べていくと、古代ローマで珍重された”ある調味料”に行き着きます。
今回はこのサラリーの意味と由来を解説します。
「サラリー」の意味とは?
「サラリー」とは「給与」のことです。
特に雇用関係において雇用主から従業員に支払われる賃金がサラリーです。
この給与を表す「サラリー」と人を意味する「マン」を組み合わせて働いている人のことをサラリーマンと呼びます。
ちなみに、海外では働く人のことを、”Office Worker”と言うか、特定の職業(ミュージシャン、ドクター)という形で表すのが一般的です。
サラリーマンの語源は古代ローマで珍重された調味料にあり?!
和製英語の「サラリーマン」は直訳で「給料をもらう人」という意味でわかりやすいですが、「salary」という言葉の語源を調べると、そこには興味深い歴史のトリビアが隠されています。
なんと「salary」の語源は、古代ローマで珍重された“ある調味料”を指す言葉だったのです。
古代ローマで珍重された調味料、それは「塩」です。
古代ローマ共和国の公用語だったラテン語では、「塩」のことを“Salarium”と言います。
実は、英語で塩を表す“Salt”は、ラテン語から派生した単語であり、“salary”にも元々、「塩を買うためのお金」という意味があります。
なぜ塩がサラリーを意味するの?
なぜお金と塩を表す言葉に、古代の人達はこれほど密接な意味を込めたのでしょうか?
その理由は、古代ローマ帝国の兵隊達が給料を塩でもらっていた、“Salarium Argentum”という制度に由来しています。
当時はまだ塩の大量生産が難しく、更に塩が長期保存が可能な貴重品であったことから、貨幣と一緒に塩を兵士たちに支給する仕組みがあったのです。
また、英語には、“worth one’s salt” という慣用句がありますが、この言葉は、「給料に見合うだけの働きをする」という意味を持ち、古代に奴隷を売買する際に塩と奴隷を交換していたことが、1つの由来とされています。
時は流れ、塩の生産量があがると共に、その換金価値は無くなっていきましたが、古代ローマ帝国時代にどれだけ塩が貴重なものだったかを、言葉はその由来を通して伝え続けています。