最新の調査を見ると、2016年のビデオ(動画)広告費は869億円となり前年比168%、2017年には1,224億円となると予測され、前年比141%と推計しています。代表的なのはYouTubeのインストリーム広告、SNS等メディアのインフォームド広告です。ただしこれに対する消費者の反応は、まだ冷ややかなものです。
インターネット広告市場で動画広告が急伸する
インターネット広告市場では近年、動画広告が急速に伸びています。
(株)サイバー・コミュニケーションズの調査では、2016年のビデオ(動画)広告費は869億円となり前年比168%、2017年には1,224億円となると予測され、前年比141%と推計しています。
2016 年 インターネット広告市場規模推計調査 :株式会社サイバー・コミュニケーションズ
背景には、スマートフォンやソーシャルメディアでの動画視聴の普及があり、それに伴い、スマートフォンでのユーザー体験を損なわない広告フォーマットのニーズが高まっています。
ユーザーの約6割は動画広告に否定的な反応
主流の動画広告フォーマットは、YouTubeなどの動画サイトで音声がデフォルトでON、大画面で表示できるタイプのインストリーム広告です。
最近増えているのは、SNSやキュレーションメディア、ニュースアプリなどでよく利用されている、コンテンツとコンテンツの間に表示される体裁のインフィード広告です。
FBのタイムラインでよく見かける、突然動き出す動画広告もその一種です。
一方、ユーザーの動画広告に対する反応はというと、約6割の人が「ほとんど目に入れない」「広告をすぐに閉じる」としています。
また、動画広告を見て不快に思った経験がある人は、動画コンテンツ視聴ユーザーのうちの約6割で、特に、スマートフォンでの視聴で65%が不快経験ありと答えています。
広告を「邪魔だ」「見たくない」と思うユーザーと、なんとか見てほしい広告主とのせめぎ合いの図式です。
ユーザーが「騙された」と誤認する広告はNG
インフィード広告では、掲載メディアのメインコンテンツ内に広告を配置するため、そのページのコンテンツに体裁を合わせ、ある意味「コンテンツを読むユーザーに対しての配慮」、他方では「広告色を消すことで、ユーザーの警戒心を下げる」効果を狙っています。
このように、掲載面に馴染ませた広告を「ネイティブ広告」と呼びますが、くれぐれもユーザーが「騙された」と誤認するような表示にならないよう注意する必要があります。
インターネット広告推進協議会(JIAA)も、このような事態を防ぐため、ネイティブ広告に関するガイドラインを策定し、普及に努めています。
参考リンク:一般社団法人 インターネット広告推進協議会 2015年3月18日
Photo via Visual Hunt