良い商品やサービスであっても、売れないものが多いのはなぜなのでしょうか?時代が追いついていない、売る場所を間違っている、などの理由も確かに考えられます。しかし多くの場合、商品やサービスが売れない理由は「販売するための情報発信が出来ていない」からです。では、どのような情報を発信したら良いのでしょうか?情報発信時に欠かせない3つのポイントをご紹介します。
売れないのは時代が追いついていないだけか?
私の知合いに腕の良い陶芸家がいます。
とても良い作品を焼いているのですが、それを販売するのが大の苦手。
そんな彼が、ある場所で自分の作品を販売しました。結果はどうだったかというと、全然売れませんでした。
作品の価格を表示して並べてあるだけだったのです。
「分かってくれる客は、自分の作品の良さを分かってくれるはずだ。」というのが彼の言い分なのです。
しかし、作品の良さを知ってもらう努力をしなければ、決して作品の良さは消費者に伝わりません。
つまり、販売は情報発信から始まるのです。
本日は、消費者への情報発信で欠かせない3つのポイントをご紹介しようと思います。
情報発信の1つ目のポイント→パーソナル訴求
販売者や制作者の人間性を伝えることが1つ目のポイントです。
先の事例で言えば、陶芸家自身について次のようなことを伝えていく必要があります。
- ・どこで生まれ育ったか
- ・なぜ陶芸家を目指すようになったのか
- ・どのように陶芸の修業をしたのか
- ・陶芸に対してどのような考え方を持っているのか
など、まずはパーソナルな情報を発信するのです。
お店の例ならば、
- 店主自身の出身地や趣味
- 好きな食べもの
- 好きなスポーツ
- 仕事に対する考え方
などを、店主の顔写真とともに紹介していきます。
相模原市のある商店街のお店紹介の冊子を作ったことがありますが、その時は店主の顔写真とともに、出身地や趣味を書き添えました。
相模原市は全国から人が移り住んでいる街です。
店主の出身地を知って、「あら、私も同じ!」と、それだけで話がおおいに盛り上がった店が沢山ありました。
店主のことが分かると、その店に対して親しみと信頼感を抱くようになります。
また、顔写真を載せると注目率が3割アップすると言われています。
その理由は、「人間が最も興味を持つ対象は人間である」という心理法則があるからです。
情報発信2つ目のポイント→プロセス訴求
焼き豚が評判の私の知合いの肉屋の事例です。
私の爺さんが、焼き豚の美味しさが有名な横浜・中華街の店に修行に行きました。
どうしてもその美味しさの秘密を知りたい。
でも教えてくれなかったようで、見よう見まねで、その秘密を探るしかありませんでした。
自分の店に戻ってから見よう見まねで作ってみましたが、やっぱりうまく作れません。
何度も試行錯誤を重ねました。
1年の月日が流れ、ようやく納得のいく焼き豚を作ることができました。
どうですか?
このような商品ができるまでのプロセスを知ると食べてみたくなりますよね。
プロセスを表現すると、そこにストーリーが生まれます。だからこそ、人の興味を惹きつけることができるのです。
プロセス訴求時には、次のようなことを考えてみてください。
- ・その商品やサービスが生まれたプロセスを表現する。
- ・その商品やサービスを生み出すのに、どんな点に苦労したのか、どんな願いを込めたかを表現する。
- ・なぜ、その商品をお客様にお奨めするのか、その理由を自分のポリシーとともに表現する。
- ・仕入商品の場合でも、なぜその商品を仕入れるのか、その理由やプロセスがあるはずであり、そのことを表現する。
これらをアウトプットし、情報発信することで貴方のファンは必ず増えます。
情報発信の3つ目のポイント→体験訴求を行う
ある食品スーパーでの話です。
その店のPOPは、非常に人を惹きつけていると言われています。
というのも、食品ごとに担当する店員がいるのです。
この店では、自分が担当する食品は必ず、店員が自分で食べ、食べた実感をPOPとして表現するように決められています。
だから、言葉が生きているのです。
書店では、店員が本を読み、その感想をPOPとして表現している例がありますね。
この方法でベストセラーになった本もあります。
これも店員の体験訴求です。
体験訴求でポピュラーな方法は、その商品を使ったお客様の声を紹介するというやり方です。
この手法があまりにも多く使われるので、お客様の声と言っても、これって店側の作文じゃないの?という意見も聞かれるようになりました。
でも、本当に信頼されるようなお客様の声は、やはり効果があります。
それは、お客様の体験を表現しているからです。
いずれにしても、その商品を使ったお客様の体験、店主や店員の体験、これを表現することはきわめて効果的です。
以上、情報発信の3つのポイントについてご紹介してきましたが、これは、チラシなどの紙媒体だけでなくホームページなどでの表現にも通用することです。
ぜひ、参考にされてみてください。