中小零細の人材獲得競争は社長の独断で進めたほうが上手く行く

経営

 会社のステージが少しずつ上がってくると、中小零細企業でも人材獲得に向けて経営者が活発に動き始めます。採用に伴い、良い人材を囲うために、管理職を設けた大手型の組織作りを考える経営者も増えますし、360度評価のような社内ルールを作る場合もあるでしょう。実際のところ、これらは上手く行くのでしょうか?

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上手く行き始めると良い人材を採用したくなる

 会社のステージがちょっとずつ上がってくると、そろそろウチも本気で人材獲得せんといかんぞ!みたいな感じになってくると思います。

 開業したての頃は、良い人材なんてうちに来てくれないと諦めているんですけれど、会社のステージが少しずつ上がってくると、そろそろ本気出しても良いんじゃないか!という感じで、社長さん達も動き回るわけです。

  「…絶対コレ人で決まるよな…」
  「絶対さぁ、良い人材集めてれば普通に生き残れるんじゃないか?」

 こういった気づきに達した会社さんたちが、中小企業同士で、優秀な人材の獲得戦争を繰り広げています。

 ところが、そうもうまく行かないのが世の中の常でございます。

 そこで今日は、中小零細企業の社長さんの誰しもが悩む、良い人材の獲得戦争について話をしようと思います。

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大企業が採用合戦をしている業界は2つだけ

 中小零細企業の分布を見ていますと、建設業から始まり、製造業だったり、小売だったり、IT業界だったりと、色々分かれているわけなんですけれど、中小企業で働いている人が少ない業界って、実は2つしか無いんです。

 1つが電気・ガス・水道などのいわゆる生活インフラを司る企業です。

 それから金融・保険業界もそうです。こういう業界では確かに、末端の代理店とか以外は、中小零細企業がなかなか無いですよね。

 あとは様々な業種に渡って、ほとんど60%以上の方が、中小零細企業で働いている現実があるわけです。

 これだけ沢山の方が中小零細企業で働いているわけなんですけれども、結局人材で勝負は決まるっていうのが、単純な法則として確かに存在します。

 とにかく皆さん、良い人材ってどうすれば採れるのよ!って血眼になっているわけですよ。

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凄い逸材を採用しようとするから駄目になる

 中には、中小零細企業であっても組織づくりから考えていって、大手企業と同じような縦組織を作ろう、という考え方をしている社長さんもいらっしゃいます。

 いわゆる社長がいて、取り巻きの役員たちがいて、そして部長がいて課長がいて、主任がいるような会社ですね。

 社員規模が20人位であっても、作りたくなるんですね。

 ところがこういう縦型組織を作っているところに限って、別に生き残れるわけじゃなくて、その先でまんまと潰れているケースが多かったりします。

 私自身は、会社というのは継続することが1番なので、「もういっそのこと中小企業のままで良い!」みたいな感じで割り切ったりしています。

 管理職がいない会社を最初から作ってしまって、基本的に社長直轄で、変な責任者を逆に置かないと。

 こういう風にやっている会社っていうのは、実は生き残るどころか、最高益をバンバン更新しているところが沢山あります。

 ですから、今の中小零細企業の経営というのは、ヘタな管理職なんて置かないで、みんなフラットな組織でやった方が良いんじゃないかと、私自身は考えています。

 フラットな組織だから、自分の目先の仕事だけを考えれば良い、いわゆる作業員の感覚ですね。

 じゃあ作業員で良いという風に割り切ったら、中小零細企業でも人材獲得にそれ程困らないわけですよ。

 あくまで優秀な管理職、「マネージャーいないか?!」なんて探しだそうとするから、なかなか良い人材がいないよね〜(汗)みたいな感じになるわけです。

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仕事のハードさに合わせ給料は独断で決めよう

 あとは、中小企業の採用にはいつも、お給料の問題が絡んできます。

 中小零細企業がある程度良い人材を採ろうと思ったら、給料が高くないといけないです。

 給料が高くなる分、求められる仕事は自ずとハードになります。

 これはあくまで、時給3,000円かかる正社員に対しては、給料は高くても仕事はハードでも良いと思っています。

 パートさんやアルバイトさんは、全く働き方の意味が違いますので、こういう条件は基本的に出さなくても良いです。

 じゃあ「給料が高い」って、どれくらい出せば良いのよ〜!と考える時、多くの社長さんは、同業他社とどうしても比べてしまうと思います。

 しかし、私の顧問先様で儲かっているところは同業他社なんて、一切調べていないし、考慮もしていないです。

 ただ単に、自分たちが「いくら出す!」っていう風に決めているわけですね。

 つまり、給料を「いくら出すよ」っていう時に、必ず「仕事はハードだよ」と前提を提示するのですが、それがマッチングしていれば、相場というものはそれほど気にしなくても良いのです。

 その代わり、採用にあたっては、試用期間を基本的に長めに取っておいた方が良いでしょう

 社長さん個々によっては、実際に働きを見て、ただ単に遅刻をしないだけでもマル!って人もいるし、作業が遅くても一生懸命やる・残業してもやる・責任感が強い人にマルする方もいます。

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中小はワンマン経営のほうが良い人材が集まる

 採用を行った後に気をつけるべきは、変な平等主義です。

 社内ルールの取り決めが、社員さんはみんな平等で、いわゆる360度評価みたいな規定を作ったりするのは、辞めたほうが良いでしょう。

 あれは、単なるガス抜きに過ぎません。

 上司が部下を評価し、部下が上司を評価するなんて、評価をもともと出来るような人でもないのに、無理矢理やらせたりしたところで、社内がグチャグチャになるだけです。

 強い中小企業っていうのは、基本的に社長のワンマン経営の場合が、圧倒的に多いです。

 なにせ、時給3,000円を払うわけですから、社長の独断で決めて良いんです。

 社長の独断で決めたら、基本的に雇い入れた全責任は社長にあって、駄目だったらクビにするのも社長の責任になるからです。

 私共が傾いて行く会社を見ていくときに、傾いていく会社って社長がワンマンじゃなくて、従業員さんに歩み寄って、従業員の変な平等を重んじて
、変な人を採用した結果クビが切れなくなって、業績がどんどんどんどん悪くなっているのに、経費は逆にどんどん増えていくと。

 そういう事例を、沢山見てきました。

 悪い傾向に1回行ってしまうと、なかなか立ち直ることが出来ないので、社長の責任で採用はやったほうが良いと思います。

 
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

所有資格:

日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
税理士
簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
ガンガン講義やっていきます!

田中でよか人用 
直通電話:03-5942-8225
E-Mail:kimi@kimi3.com
 
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