会社が拡大し従業員が増えてくると、これまで想像もしていなかった、ビックリな言動を取る従業員を雇用している場合があります。その代表例として、社員が見境なく社内外で宗教勧誘を熱心に行う場合があります。もし他の従業員との間に軋轢を生じさせる場合、どのように勧誘活動を辞めてもらえるでしょうか?
宗教は自由だが勧誘は業務の弊害となる場合も
従業員が増えてくると、これまで想像も出来なかったタイプの従業員を雇用する場合があります。
同じ釜の飯を食べているとはいえど、それぞれの通ってきた人生は十人十色であるため、考え方は人様々です。
ですから経営者は、自分と全く異なった考え方をする従業員が出てくることを想定し、対応しなければなりません。
例えば、その代表例として、熱心な宗教信者が入社する場合があります。
信教の自由は、憲法で保障された国民の権利ですし、宗教を信じることが当人にとってプラスに働く場合もあります。
宗教を信じることに関する是非は、業務と切り離された当人の問題であれば、全く問題のないことです。
ところが、当人が社内や取引先で、見境のない宗教勧誘を始めたとしたらどうでしょうか?
「社内、ましてやお客様に宗教勧誘なんて非常識だ」とその従業員を注意しても、「宗教の勧誘は個人の自由だ」「本当に良い宗教なのに」と反論される場合すらあるかもしれません。
社内外で宗教勧誘を社員に辞めてもらう方法
例えば相談事例で、以下のようなケースがありました。
労働基準法で自由が認められている休み時間に、宗教を信じている従業員が同僚を勧誘していたというのです。
これが非常に厄介でして、「休み時間をどう利用するかは、個人の自由だ」という理屈を並べられれば、経営者にとって反論は非常に難しいものとなります。
しかし、会社は多くの従業員が共同で業務を行っている場所ですから、秩序ある職場環境を保つためには、一定のルールが必要となってきます。
そこで登場するのが、就業規則における服務規程となります。
服務規定を具体的に充実させることは、従業員が安心して働くことができる職場を形成する上で、非常に重要な役割を持ちます。
もし、社員の宗教勧誘行為によって、業務に明確な支障が出ると予測できるのならば、その支障を会社は服務規程によって排除しなければなりません。
例えば、社内での宗教勧誘を禁止するなら、服務規定に「社内や取引先での宗教の勧誘は一切禁止する」というような規定を盛り込む必要があります。
服務規程を充実させ要らぬトラブルを避けよう
人間は明確な決まりが無ければ、自分に都合がよい方向で、言動を選択しがちなものです。
当人も宗教勧誘さえしなければ無駄な軋轢を社員と生まずに、仕事で成果を出すことができるかもしれませんし、勧誘の対象となる他の人も余計な精神的ストレスを抱えずに済みます。
ですから、服務規程にはどんな些細な事でも、従業員に守ってもらいた事項については、1つ1つ記載することが重要なのです。
もし、従業員の宗教勧誘でお悩みの経営者様がいらっしゃいましたら、ぜひ服務規程の具体化を検討してみてください。