2016年に日本で拡大すると見られる業界が3つあります。1)女性をメインターゲットにしているビジネス、2)障害者が関わるビジネス、3)サスティナブル(持続可能なビジネス)の3分野になります。これら3分野については社会的な需要が増加していますが、同時に市場参入プレイヤーも増えているため、ビジネスモデルが差別化されていることが成功には欠かせない秘訣となります。
2016年ヒットしそうなビジネスはこの3つだ!
今回は2016年に私が注目しているビジネスの話をということで、いくつかの業界やキーワードのご紹介ができればと思います。
私が今注目している属性キーワードは
- 1.女性をメインターゲットにしているビジネス
- 2.障がい者が関わるビジネス
- 3.サスティナブル(持続可能)なビジネス
以上の3分野です。
これからもっと需要が拡大するであろうビジネスについて、フランチャイズ本部の支援や加盟希望者の方への相談業務などを行っている私の視点から意見を述べたいと思います。
1.女性をメインターゲットとしているビジネス
1980年代から言われている言葉に【女性の社会進出】があります。
上記の表のように、日本は単身世帯より共働き世帯の方が多いというのが現状です。
安部政権でもアベノミクス3本目の矢「成長戦略」の中で、「女性が輝く日本」の具体的政策目標として示されています。その内容をまず振り返りましょう。
- ・2020年の25歳~44歳の女性就業率を73%にする(2012年68%)
- ・「3年間抱っこし放題」で育児休業期間を子供が3歳になるまで延長/その後の職場復帰を支援
- ・2020年の第1子出産前後の女性の継続就業率を55%にする(2010年38%)
- ・2020年の男性の育児休業取得率を13%にする(2011年2.63%)
- ・指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%程度にする
- ・2017年度までに約40万人分の保育の受け皿を整備し待機児童解消を目指す(※中期目標として2014年度で約20万人分の保育の受け皿を整備する)
このように結婚・出産後の女性の復職を推進する課題が中心となっていますが、今後ますます労働力人口が減って行く日本の中で活躍する女性というのは、ますます増加して行く分野ではないかと考えられます。
そこで今後の成長マーケットとして考えられる「女性をメインターゲット」としたビジネスを具体的にピックアップしました。
1)働く女性を支える家事代行ビジネス
私はハウスクリーニング「おそうじ本舗」というフランチャイズの本部に在籍していましたが、2000年当時は、「家のおそうじを業者に頼む」ということはどちらかと言うと、贅沢なサービスでした。
50歳以上の方々に関しては、「キッチンは女性の城」とおっしゃる方もおられ、家事のアウトソーシングに対して抵抗感を持っていたような時代だったのです。
「おせち料理」等を家で手作りするのではなく、購入することが贅沢だとも言われたくらいの頃でしたので。
しかし、女性が社会進出を果たし活躍する現代において、そのような抵抗感はほぼ無くなってきました。
今後ますます、女性の社会進出が進むことを考えると家事代行ビジネスの市場は拡大して行くと考えられます。
家事代行のサービスも家事全般を代行するサービスから、専門型のハウスクリーニング、便利屋など様々あります。
今後ますますニーズが細分化していくことが予想されるので、現状の社会問題になってきている病児保育などの分野に関しても私は注目しています。
2)身体は働く女性の資本!フィットネス・健康関連
女性の社会進出に大きく関わってくる分野としては、フィットネス関連や美容ビジネスもあると私は考えます。
フィットネス業界は以前、大型の総合フィットネスジム業態が非常に人気がありましたが、時代の移り変わりを経てこの10年ほどの間に様々なタイプの小規模型ジムが増えてきました。
また、対象顧客数自体も増えています。
業態からするとホットヨガスタジオやピラティス、ストレッチサービスを提供する施設、女性専用サーキットジム、24時間営業のセルフサービス型ジム、 成果をコミットするタイプのジムやオンライン上でサービスを提供するジムなどです。
それぞれが、そのベネフィットを絞り込んだ小規模業態を多店舗展開しています。また下記の図のように、日本は海外と比べるとまだまだフィットネススタジオの施設数が米国や英国と比較しても少ないのが現状です。
今後ますますの女性就業率向上を考えると、今後も成長分野として考えられるのではないかと私は思います。
2.障がい者をターゲットとしているビジネス
次にトレンドの2つめ、障がい者をターゲットとしているビジネスについて探ってみましょう。
1)放課後等デイサービス
2014年~2015年で最も新規参入が増えた業界はどこかと考えた場合、おそらく障がい児向けの放課後等デイサービスビジネスではないでしょうか。
放課後等デイサービスとは、平成24年4月に障害者自立支援法改正によって創設された認可事業のことです。わかりやすく言えば、障がい児を放課後や長期の休みの際にお預かりする学童ビジネスのようなものです。
通う生徒は通所受給者証の交付を受けることで、比較的自己負担をおさえてサービスを利用できます。
このビジネスは、学校教育とあわせて生徒の自立を促進すると共に放課後等の居場所づくりをするようなサービスを提供しています。教育内容としては、生活能力向上のための訓練等を継続的に行うなどです。
日本の現状として少子化の進行によって、「小・中・高の普通学級人数は最近10年間で24万人以上減少」しているが、「特別支援学級人数は56%増加」&「特別支援学校の人数は25%増」ということからもこうしたサービスはニーズが拡大していると言えます。
その結果、全児童・生徒に占める特別支援学級や特別支援学校に通う子どもの割合も0.85%から1.4%に増え、知的障害者対象の療育手帳発給数(18歳未満)も1997年の11万7,178冊から2005年の17万3,438冊と47%も増加しています。(東京新聞より抜粋)
このように障がい児の数は非常に増えており、ますますマーケットは成長して行くのではないかと思います。ただ唯一怖いのは、これが制度ビジネスだと言うことではないでしょうか?
ここ数年で一気にこのビジネスは広がりましたので、そう言った部分によっては規制が入ってきている地域も出てきています。
そう言った部分では、様々なモデルが出てきていますので競合が増えてきているということ。しっかり他社と差別化が出来ているモデルを選ぶことがこのビジネスで成功するポイントだと言えるでしょう。
2)障がい者就労支援ビジネス
まず、障がい者就労支援事業の中身について解説します。
障がい者就労支援事業とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき就労の機会を提供するとともに、生産活動その他活動の機会提供を通じて,その知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業の事を言います。
雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があります。
日本は、人口減少社会に突入しました。これからの超高齢化社会が予想される日本において労働力問題というのは非常に大きな問題だと言われています。
その対策には、高齢者雇用、女性の雇用、移民を受け入れ外国人の雇用、障がいを抱える方々の雇用が対策として挙げられます。
そこで注目を浴びているのが障がい者の就労支援事業です。
日本は障害者の雇用という点で、まだまだ海外と比べ遅れているのが現状のため、今後ますます環境整備が続いてくることが予想されます。
ただし、現状の就労支援事業所での課題は、事業所へ来られている利用者へ提供する仕事の提供が十分に出来ていない事業所が多いことがあげられます。
逆に提供出来る事業を自社で持っている企業にとっては非常に魅力的な社会貢献事業になると言えるでしょう。
今後はここにグループホームや相談支援事業等と絡めた事業が出てくるのではないかと予想されます。
3.サスティナブル(持続可能)なビジネス
最近サスティナブルという言葉を良く耳にしますよね。東日本大震災以降、日本ではReビジネスが成長してきています。
Reビジネスとは、
- Rental(レンタル=物の貸し借り)
- Reuse(リユース=繰り返し使い続ける)
- Repair(リペア=修理する)
Rental(レンタル=物の貸し借り)の事業は、ビデオレンタルをはじめ以前から大きく展開をされている本部もありますが、最近では着物のレンタル、ミシンのレンタル、レンタルボックス等サービスが多様化しています。
また、Reuse(リユース=繰り返し使い続ける)では、現代は物があふれている時代です。
更に先のリーマンショック以降の節約志向や東日本大震災以前では中古品のリユース商品は抵抗感があったものが徐々に抵抗感も無くなってきたこと、あとスマートフォンの普及により、個人の売買が増えたことによりマーケットは成長しています。今後もこの傾向は続くのではでしょうか?
こちらは今までは、金プラチナ、チケット、コイン、切手等が主流でしたが今後は洋服等も増えて行きそうです。
また、Repair(リペア=修理する)は、サスティナブル社会になってきている現代で良く聞くようになりました。
車、家、襖しょうじ網戸、イス、テーブル等の家具、洋服など様々なリペアサービスが始まりレンタル業界同様多様化がすすんでいます。
消費者側のニーズも東日本大震災以降少しづつ【良いものを長く使う】という様に変わってきています。今後もこの傾向は続くと考えられます。
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株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役
川上 健一郎
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