時給1000円時代に突入!中小企業の行うべき5つの対策とは?

経営

こんにちは。組織活性化プロデューサーの南本です。

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2019年10月最低賃金3%上げ?

2019年の10月に最低賃金がまた改定される予定ですが、それに向けて厚生労働省が2019年の最低賃金はまた3%上げを維持するという答申を今行っています。

東京都の最低賃金が今985円ですので3%上がると1,014円に、神奈川県も983円が1,010円になります。
神奈川県と東京都が初めて最低賃金が1,000円を超えてくるだろうと言われています。

各党が最低賃金を1,000円から1,500円まで訴え

自民党は最低賃金を全国平均で1,000円に、立憲民主党は1,300円に、共産党が1,500円にあげるように訴えていますが、自民党の全国平均1,000円だとしても、東京都では1,300円ぐらいにならないと全国平均で1,000円にはならないと思います。

中小企業の経営者からすると各党は何を考えているのという話です。

しかし、選挙においては、中小企業の社長は経営者ですが、所詮1票でしかありません。議員さんたちは納税した労働者の1人1票1票を狙いにいきますから1,300円とか1,500円とか労働者側に都合のいいことを訴えていきます。
財源はどこから出てきますかという話です。

中小企業経営者のつぶやき

こういう話を経営者とお会いする時にキラーフレーズが必ず語られます。
「会社がつぶれる」「社員をリストラするしか無い」「借り入れするしか無い」と言います。

戦略のない運転資金の借り入れなので、安易に貸す銀行も貸す銀行ですが、最低賃金、人件費が膨れると損益計算上マイナスになり、給与や賞与が払えないので、金融機関から借り入れするという感じです。
私が一番聞きたくないキラーフレーズですが、よく経営者が言う言葉としては、「会社が潰れる」ということですが、国の意図に外れる中小企業はもう市場から撤退してくださいというのが国のメッセージなのです。

国の中小企業に対するメッセージ

利益が出せない会社中小企業の70から80%が税金を納めていないのです。
国からすると何のために存在するのみたいなものです。
私も中小企業の社長なので税金は払いたくないですが、税金を納めないということは潰れていいというメッセージなのです。

経営が悪くなるのは、国のせいでも世の中のせいでもなく、あなた自身の経営者の手腕のせいです。
そこを理解して自分の会社を経営してください。

ですから利益が出せなくて、税金が払えないのであれば、もう市場から撤退してくださいという国のメッセージだと思います。

他の先進国からすれば、日本の時給はまだ低いと言われています。
今こそ生産性を上げる検討を真剣にやって。最低賃金を上げてくださいという国のメッセージです。

中小零細企業の協業化・M&A化

3番目、中小零細企業の協業化とM&A化。
いわゆる合併をしてくださいということです。

小さな中小企業、零細企業がたくさんあって、税金を納めないのであれば合従連衡して、連合を組んで、生産性を上げてくださいということです。
そのために仲間同士で協業して、ホールディングカンパニーを作って一つの企業体として成立させて、生産性効率を上げてくださいということです。

私の推測ですが、どんどん時給を上げていくという国のメッセージにはこのような裏があるということです。
ですから、株式会社であれ、有限会社や合資会社であれ、税金を払うのが世の中の役に立つということです。

従業員に給料をきちんと払わないといけませんが、余ったお金を税金として払って、内部留保をして、中小企業はどんどん大きくなっていくということです。
毎年税理士さんと調整しながら、税金を全然払わない中小企業の社長は多いです。
それに対して、最低賃金を上げていきますから、市場から撤退してもいいですよと国は言っているわけです。

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中小企業の行うべき対策

中小企業の経営者は何をどのように行っていくかということです。

IT化、外注化、クラウド化

IT化、外注化、クラウド化の3つのキーワードです。
システムを入れて、無駄な給与計算の代行とか入社退社管理のような、社員が一生懸命働いても利益を生まない給与計算とか経理の記帳などは外注していきましょう。

その時だけスポットで専門家に外注した方が絶対効率がいいです。
経理のクラウド化はコストが全然違うし、業務効率の生産性というか見える化もとても早いので、クラウド化をおすすめします。

経理記帳のクラウド化・入退勤のIT化

いまだに安いからとタイムカードを使っているようではダメです。電子でデータが落ちるようなIT化をしていかないと給与計算も遅くなるし全て非効率です。
ですから経理記帳や入退勤管理は外注化して人件費を削減しましょう。

業務を細分化していく

今日本の生産性が低い原因の一つが一人の人が頭から最後までの工程をずっとやっています。
そうするとその人しかできなくなってしまい、その人のスピードでゆっくりと進めるので生産性が悪くなります。

例えば、前工程、中盤工程、最終工程、納品工程といった工程を細分化して、前工程は在宅で会社に来なくてもできる業務にどんどん抽出していく。
それを外注化してパートの方とか主婦の方とかなどに委託していくような仕組みをどんどん作っていけば、パートの方でも社員の方でも会社に来てもらう交通費やボールペンもなどという消耗品などいろいろなコストを削減するような仕組みを作りましょう。

そのためには業務を細分化するという努力が必要です。

多能工化する

人は経理しかできない、総務しかできない、営業しかできないというのではなくて、1人の人が営業もできて、経理もできたほうがいいですよね。
そういう人材は価値が上がります。

最初はミスが多くなったり、トラブルが多くなったり痛みを伴いますが、3か月、6か月に1回強制的に仕事を変えていくようなジョブローテーションをしていけば、極端ですが、営業の人に今日は経理をやってほしいと言えるわけです。

多能工化していく人材の再教育をしていかないと時給はどんどん上がっていくので会社が潰れてしまいます。

ヒューマンの組織構築と処遇

ヒューマンというのは人間的な関係を持った組織作りですが、こういったものがとても苦手です。
所詮人というのは感情をもった動物だとよく言うように、人は感情で動くのです。

経営者のビジョンに共鳴できれば感情移入してその経営者についていくのです。
まず理念、ビジョン、行動指針を作って、全社が一丸になるようなヒューマンな組織をチームを作っていきましょう。

その時に信賞必罰の処遇として、仕事がよくできる人は引き上げてあげる、できない場合には下げることをしていかないと、会社の人件費の原資は限られていますから、賞与の原資にしても限られたパイをどう配分するかというのは経営者の腕の見せどころです。

高度成長期は全員一律で上がっていくのが幸せでしたが、今はそれでは仕事のできる人が、他の会社に転職していくということになります。
人が流出していくといことは、会社の損害になるわけですから、処遇というのは信賞必罰して対応した方がいいと思います。

2019年10月に必ず東京都と神奈川では最低時給が1,000円を超えてきます。
業界によっては最低賃金で経営をされている会社もまだ多いと思うので、それで潰れる会社はもう潰れてもらうしかありません。

しかし、まだまだやることがあります。

外注、クラウド化、社内の生産性のアップも含めて、コンサルを入れるなら入れる、自身で勉強するなら、勉強するなりして社内で構築していきましょう。

そうしないとオリンピックの次の年は日本の景気はやはり悪くなると思います。
その前に手を打っておかないと本当に最悪の事態になる可能性もあるので、今回解説させていただきました。
ありがとうございました。

 
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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