「日経MJヒット番付」が昨日公開された。現在の日本を流れるビジネストレンドが把握できるので、ぜひチェックしてみよう。併せて本年の番付入り商品のうち、節約社長独自視点で各商品にフォーカスした記事を再度ご紹介する。おまけコーナーでは節約編集部が考える来年の流行トレンドを元に、来年どんなヒット商品が世の中に登場するのか大胆に予想してみた。
栄冠は誰の手に?14年日経MJヒット番付
2014年の日経MJ ヒット商品番付が、昨日ついに発表された。
日経MJヒット番付とは日本経済新聞社発行の消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙「日経MJ」が年末に発表する、その年ヒットした商品を大相撲の番付のように並べて紹介するランキングである。
主観的な番付との批判もあるが、大きく日本のビジネストレンドを把握可能なので、年に一度はチェックすることをお勧めする。
2014年日経MJヒット番付
- 横綱:(東)インバウンド消費(西)妖怪ウォッチ
- 大関:(東)アナと雪の女王(西)ハリー・ポッターinUSJ
- 張出大関:(東)錦織圭(西)羽生結弦
- 関脇:(東)格安スマホ(西)iPhone 6
- 小結:(東)デミオ(マツダ)(西)ハスラー(スズキ)
- 前頭(東:番付序列順):NISA、Wゼロ、牛すき鍋膳、ちょい飲み、観光列車、地方消滅、クロワッサンドーナツ、ジェルボール洗剤、TSUM TSUM(ツムツム)、エアー寝具、自撮り、希少糖、朝の連ドラ、バーバリーのトレンチ
- 前頭(西:番付序列順):ふるさと納税、Wトクホ、サードウェーブコーヒー、遺伝子検査、富岡製糸場、ビリギャル、グラノーラ、Ban 汗ブロックロールオイル、ラブライブ!、ミラカール、カクノ、ミドリムシ食品、昼顔、靴下
- 殊勲賞:青色LED
- 敢闘賞:ハロウィーン
- 技能賞:ハイレゾリューション
- 流行語賞:壁ドン
- 残念賞:サッカーW杯日本代表
以下簡単ではあるが、東の横綱と西の横綱をご紹介する。
東の横綱:インバウンド消費
大型電器店では、中国人をターゲットに免税商品が並ぶ。
訪日外国人旅行のインバウンド消費が東の横綱となった。日本は元来アウトバウンド消費(海外で日本人が消費する)大国であったが、「訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)」が行われることにより、海外から日本への旅行客が始めて年間1,000万人を上回った。特に中国からの観光客は、富裕層中心だったのが、円安を受けて一般層にまで拡大しており、百貨店や秋葉原を中心にこれら顧客の囲い込みによる恩恵を受けた。ただし、国内全般に影響が及んだかと言われると横綱と言い切れるかは微妙だ。来年への期待を込めての番付の意味合いも強い。
西の横綱:妖怪ウォッチ
子ども達はジバニャンに夢中。一緒にハマる親も多い。
ニンテンドー3DSのゲーム「妖怪ウォッチ」が西の横綱となった。1月にテレビアニメ化されると大ブレイクを果たして、腕時計型の「妖怪ウォッチ」や「妖怪メダル」は爆発的な売れ行きとなり、店では常に品切れ状態。特に妖怪メダルはレアメダル争奪戦で週末に親子がトイザらス前に並ぶ姿がニュースでも度々放映された。マクドナルド、セブン-イレブン、西武鉄道など、妖怪に頭を垂れ業績をあげようと躍起になった企業は数知れず、メーカーのレベルファイブ社が打ち出す「メディアミックス戦略」が功を奏したと言えよう。
ランキングインした商品 編集部の視点
日経MJ ヒット商品番付にランキングインした商品のうち当サイトが、「節約・効率化」という切り口で取り扱った記事を以下ご紹介したい。
1)横綱(西)妖怪ウォッチ
やや強引なところもあるかもしれないが、妖怪ウォッチのTVアニメ放映による躍進と共に、今季業績を飛躍的に伸ばしたテレビ東京の節約経営について取り上げた。
✔テレビ東京増収増益 弱小テレビ局汚名返上
2)関脇(西)iPhone 6
9月の発売以降、これまでのiPhoneシリーズと比較し爆発的なヒットを遂げたiPhone6については「敢えて今すぐ買うべきではない理由」、「アップル以上に今回のiPhone6ヒットで儲かっている節約企業」という独自の視点で2つの記事を取り上げた。
✔大人気のiPhone6 今変える必要ある?
✔iPhone6大ヒット 裏で大儲けの節約企業
3)前頭(東)牛すき鍋膳
吉野家が提供し1400万食の大ヒットを遂げた牛すき鍋膳の開発秘話と、企業の効率化について記事を投稿した。
✔吉野家はなぜ牛すき鍋戦争に勝利したのか?
4)前頭(西)富岡製糸場
今年の6月に世界遺産登録となった富岡製糸場建設時の悩みを解決する節約秘話をご紹介した。
✔世界遺産富岡製糸場 エコ視点で問題解決
来年のヒット番付は? 幾つかご紹介
節約社長編集部の考える2015年流行トレンドは「身体への回帰」を打ち出した商品と予想する。以下、例をあげてみる。
1)機能性表示食品
同じトマトでも成分が良ければ「活性酸素を防ぐ」等機能性を謳う商品が出る
1991年に登場した特定保健用食品、いわゆる「トクホ」以来の大型認可制度となる「機能性表示食品」制度が2015年4月からいよいよ開始される。
トクホ商品は開発に数億単位の資金が必要で取得に要する期間が1~5年で「許可」が必要だった。対して、機能性表示食品は販売の60日前までに届出を出せば「肌に良い」、「睡眠を促す」、「ストレスを和らげる」など特定部位に限り機能性を表示できる。
生鮮、加工品、あらゆる市場で機能性表示食品が生み出されることが予想される。
2)ウェアラブル端末
「JINS」の機能性メガネ「MEME」は来年の春発売開始となる。
スマートウォッチ、アイウェアなど「身体に付けられる」ウェアラブル端末が世の中に浸透することが考えられる。
春先には「JINS」の機能性メガネ「MEME」や「Apple」のスマートウォッチ「Apple Watch」が発売される。
「MEME」は重さが36gと軽量ながら、眠気・疲労度・体の動きを可視化し、最適な身体の選択を与えてくれる機能性メガネであり、「Apple Watch」は身に付けるだけで心拍数を計測可能、加速度センサーによって運動量や一日の歩数を計測することも可能である。
これらのウェアラブル端末が生み出す膨大なデータの蓄積は、人間の身体に関するイノベーションをやがて生み出すだろう。
アベノミクスの祭り後、本格的な消費回復は来年も相当難しいはずだ。消費者も多額の浪費はせず、実用性のある、自分自身に益となる商品を好んで選定するだろう。
消費者の感覚に近いところで勝負できれば、次のヒット商品を貴方が生み出すかもしれない。