こんにちは島倉です。世界最大のスポーツアウトドア用品メーカーで、デカトロンというフランスの会社をご存知でしょうか。
デカトロンが今年の3月に日本へ進出してきたわけですが、日本進出(兵庫県西宮市)を決定するときに彼らが行った、とても大事なことがあります。
この決定に際して、デカトロンが実行した優れた施策を今日はご紹介したいと思います。
世界最大のアウトドア用品メーカー・仏・デカトロンが日本進出で行ったこと
海外進出する際、一般企業が行うマーケットリサーチの方法
デカトロンが日本進出をしようと考えた時、すでに日本でもスポーツ用品とかアウトドア用品はヤマのようにありました。
競合だらけの中で、どうやって彼らが日本進出を決めたのかということですが、外国でビジネスを始めるときは必ずリサーチします。
これはどこの会社でもやります。
マーケットリサーチをする時に通常何をするかというと、競合他社、ライバルを調べるために、お店に行ってみたり、他社の商品を買ってみたりして調べるわけです。
あとはお客さまに聞くという方法があります。
正確にはまだお客さまではありませんが、自社の商品を見せて「当社の商品をどう思いますか」という感じでヒアリングをしたりします。
これが一般的なリサーチのやり方です。
大企業だけでなく、中小企業もやっていることだと思いますが、デカトロンはこれだけで終わらせませんでした。
デカトロンは一般的なリサーチだけでなく、テスト販売を実施した
では、彼らが何をしたのかというと、日本のマーケットに進出を決める2年前から、なんとネットで実際に販売したということです。
これがとても重要なことです。
多くの企業はこれをなかなかやっていません。
では一般の企業が何をやっているのかというと、商品開発に多くの時間とお金をかけて、苦労の末に実際に商品が出来上がると、すぐにいきなり一斉販売をします。
そして、その結果、「売れなかった、大失敗だ、大赤字だ」ということになってしまうのです。
これは最悪じゃないですか。
デカトロンは世界最大のメーカーですが、正式進出する前に、2年間実際に売ってみて、お客さまが自社の商品を買ってくれるかどうか、買った後、どんな感想を持ったのかを徹底的にリサーチすることによって、最終的に日本のマーケットに照準を合わせた商品を作りながら、正式に参入したということなんです。
いきなり一斉販売しないで、テスト販売することが重要
実際にテスト販売してから参入を決めよ
この実際に売ってみるということは極めて大事です。
もし、あなたがこれから何か新しい商品を販売しようと思うなら、テスト販売を絶対にやってください。
例えば、個人で商材を作って売っていらっしゃる方もいますよね?
実際にまずセールスページを作って、売ってみてください。
売ってお客様に感想を聞いてください。
その意見をもとに、商品を一回作り直してから、またもう一回トライしましょう。
いきなり一発勝負は止めてほしいということです。
お金を出して買うお客さまの声は本当の声
この施策の何がミソかというと、お金を出して買ってくれるのは、結局はお客さまです。
実際にお金を出して買ってくれたお客さまの声と、第3者にこの商品はどうですか?とリサーチして、客観的に意見を言う人の声とは全く違います。
実際にお金を出して、買ってくれるお客さまというのはなにかの要因で、この商品を欲しいと思って買ってくれているわけです。
しかも、実際にその商品を使った後に感想を言ってくれるわけです。
その声と、買いもせず第3者の立場からあれやこれや言う意見では、比較にならないほど重要度が違います。
多くのマーケットリサーチは、買ってくれもしないお客さまにリサーチをかけて、声を集めているのですから、ナンセンスもナンセンスです。
買ってくれるお客さまの声を吸い上げていくことが大事ですし、そもそも売れるかどうかわからないものに対して、お客さまはどう思っているのかということを見ていくということが大事だと思います。
もう一度言いますが、お金を出してくれるお客さまの意見はとても大事だし、それ以外の意見は全然参考にならないということが肝でありミソです。
テスト販売はマーケティングの基本
テストマーケティングで実際に売るということが大事なんです。
デカトロンはさすが世界一のスポーツアウトドア用品メーカーですから、こういったことをちゃんと実践しています。
マーケティングの基本をきちんと実行しているので、彼らが世界一のアウトドアグッズメーカーであることに納得です。
ぜひ、中小企業または個人で事業をされている方も、本格的にリリースする前に、実際に商品を売ってみるというテストマーケティングをやっていただきたいと思います。