助成金とは、特定の条件を満たした企業に対して、行政や特定の団体から給付を受けることができるお金のことです。
本稿では、これから助成金の給付を受けることをお考えの方を対象に、助成金の概要はもちろん、補助金との違い、助成金のメリット・デメリット、助成金の給付を申請する前に準備すべきこと、各助成金の詳細についてまとめました。
助成金について
助成金は、銀行融資と異なり返済する必要がない、資金調達手段ですが、政府や自治体が設けるものを合わせると、常時100種類以上存在します。従って、自社の経営において最適な助成金を見つけるのは至難の技です。自社に最適な助成金を見つけるためには、助成金で何を達成するのか?「目的意識」を明確化する必要があります。
終身雇用が崩れる中で政府や自治体は助成金制度に力を入れる
我が国では長い期間に渡り不況が続いている為、企業がリストラをして雇用が維持できない状態が続いています。
以前ならば、大学を卒業して、ひとつの企業に定年まで勤めることが一般的でした。
終身雇用できる環境であったからこそ、企業側と労働者は安心して業務を行うことが可能でした。
しかし、デフレにより物が売れなくなり、企業はコスト削減を第一に考えて、人員のリストラをするようになりました。
これに危機感を感じた政府や自治体は、雇用の安定を図る為に助成金制度に、より一層の力を入れています。
使える助成金は「目的意識」を明確にすることで見つかる
助成金は、政府や自治体が設けるものを合わせると、常時100種類以上存在します。
ところが、自社の経営において最適な助成金を見つけるのは至難の技です。
まずは、何に対してお金が必要なのかをまず決めなければなりません。
雇用を維持する為に設備投資費用がほしいのか、新規雇用をする為の費用がほしいのか、など明確なものを決めることでかなり数を絞ることができるようになります。
ある程度数を絞れたら、どのような手続きをすれば受け取れるのか、など諸条件を確認していきます。
一見すると面倒な工程にも思えますが、目的意識を明確にすることが最も確実な選択方法です。
助成金の手続きは時間をお金で買い効率的に行おう
助成金を上手く活用することは、雇用の安定を生み出します。
確かに銀行融資よりも手続きが面倒な場合もありますが、広く一般に活用してもらう制度なので、ある程度面倒な手続きもやむを得ないことかもしれません。
このような時は、弁護士や税理士、社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士に相談をしてみるのもひとつの方法です。
手続き代行料を支払わなければなりませんが、彼らは面倒な手続きを全て代行してくれます。
経営者は必要な書類を窓口に提出をして、担当官からの質問をされる内容に答えるだけです。
面倒だから諦めるのではなく相談をしてみましょう。
助成金を知る
助成金ってどんな制度?
よく耳にする「助成金」ですが、我が国の企業で受給要件を満たして活用している企業は、全体の20%以下に留まっていると言われます。利用されていない理由のほとんどは、「どんなものか内容を知らないから」「申請するのが面倒くさそう」というもったいないものばかり。
まずは「助成金ってどんな制度?」「なぜ国は助成金を増やしているの?」という素朴な疑問にお答えします。
助成金と補助金って何が違うの?
「助成金と補助金の違いを教えて」と言われたら、ほとんどの方は言葉につまるはずです。なぜなら、両者は法律などで明確な区分けがされていないからです。しかし、助成金と補助金は似て非なるもの。そこで、助成金と補助金の共通点をご紹介した上で、理解しにくい両者の違いについて、わかりやすくご説明します。
次にお金のプロが、補助金と助成金の共通点と相違点を解説。両者のうち、代表的な制度も3つずつあげていただいた上で、利用するメリットと注意点を指摘していただきます。これを読めば、補助金も助成金もまるわかりです。
助成金のメリット・デメリット
助成金のメリットは?
企業の中には助成金に詳しい専属チームを抱えている会社があります。なぜそんな部隊を抱えている会社があるのか?理由は、助成金を申請することで、これらの会社が余りあるメリットを享受しているからです。
そこで、「助成金を申請するメリット」についてご紹介しようと思います。
助成金のデメリットは?
助成金の給付を受けることには様々なメリットがあります。一方で、返済不要なお金を国からもらえるわけですから、様々な制限や手間が発生するのも事実です。経営者はこれらデメリットを冷静に踏まえ、自社が本当に必要としている分野の助成金を申請する必要があります。
以下、4つのデメリットをご紹介します。
助成金を申請する前に準備すること
助成金の給付を受けるということは、会社の将来的な目標を掲げ、目標を達成して会社を新たなステージに引き上げるために、国から手段としてお金を受け取ることを意味しています。したがって、助成金の申請を検討するなら、会社は「経営方針の明確化」をはじめとして、事前に4つの準備をする必要があります。
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