平成27年に男性の育児休業取得率は、2.65%と過去最高の取得率に到達しました。しかし、政府の目標とする男性の育児休業取得率は13%であり、目標には程遠い取得率です。そこで政府は今年、「出生時両立支援助成金」を新設し、男性に育児休業を取得させる企業へ最大60万円の助成金を出すことを決めました。詳細を解説いたします。
育児休業取得率で男性の取得は過去最高に到達
厚生労働省から「平成27年度 雇用均等基本調査」の結果が公表され、育児休業の取得者割合(取得率)が明らかになりました。
これによると、
- 平成27年度に育児休業を取得した女性の割合:81.5%(前年度86.6%)※
- 平成27年度に育児休業を取得した男性の割合:2.65%(同2.30%)
となりました。
男性の取得率は平成8年度の調査開始以来過去最高となっている一方、女性の取得率は平成20年(90.6%)をピークに伸び悩んでおり、ここ9年では最低の割合となりました。
パパの育休取得を会社に促す「出生時両立支援助成金」が新設
先述の通り、男性の育児休業取得率は調査開始以来「過去最高」となりましたが、政府が目標として掲げているのは「2020年度に13%」という目標です。
つまり、政府の目標に対して、現状は程遠い数字となっているのです。
何らかの抜本的な対策を政府主導で行わなければ、2020年までに育児休業取得率を、目標の13%まで引き上げることは困難と言えます。
そこで政府は「両立支援等助成金」の1つとして、男性労働者に一定の育児休業を取得させた事業主に助成を行う「出生時両立支援助成金」を今年度新設しました。
支給対象となるのは、子供が出生してから8週間以内に連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業(1年度につき1人まで)を始める男性
です。
ただし、過去3年以内に、男性の育児休業取得者が出ている事業主は対象外で、1年につき1人の取得が各社に認められています。
1人目の休業時は5日以上休めば60万円の助成
ちなみに支給額は、
- 中小企業:1人目が60万円(2人目以降 15万円)
- 大企業:1人目が30万円(2人目以降15万円)
となっています。
中小企業の場合は、育児休業で社員が連続で5日以上休んだ場合に、1人目なら60万円、最低でも15万円もらえるのですから、これはかなり配慮のある助成金制度と言えます。
男性従業員のご家庭にお子さんが産まれる予定があるなら、申請しない手はありません。
本助成金を積極的に活用することで、会社はもちろん、社員のワークライフバランスが充実するのではないでしょうか?
※平成25 年10 月1日から平成26 年9月30 日までに在職中に出産した女性のうち、平成27 年10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む)の割合)