よく耳にする「助成金」ですが、我が国の企業で受給要件を満たして活用している企業は、全体の20%以下に留まっていると言われます。利用されていない理由のほとんどは、「どんなものか内容を知らないから」「申請するのが面倒くさそう」という勿体無いものばかり。そこで本稿では、「助成金ってどんな制度?」「なぜ国は助成金を増やしているの?」という素朴な疑問にお答えします。
助成金を活用している企業は20%にも満たない
「助成金」というキーワードは、経営者の皆さんならよく耳にされる機会があるのではないでしょうか?
たとえば、正社員雇用を増やそうと思う時に社会保険労務士の先生から、「それならば、キャリアアップ助成金を使ってみませんか」と言われたり、知り合いの経営者さんから、「社員研修に力入れるために助成金もらったよ。」と言われたりしたことはありませんか?
つまり、身近にあるのに、多くの企業が助成金を活用していないのです。
多くの場合、その理由は、「どんなものか内容を知らないから」「申請するのが面倒くさそう」というものです。
私どもガルベラパートナーズでは、自社も助成金を積極的に活用しており、企業規模問わず様々な企業さまの助成金活用もサポートしてまいりました。
そこで、本稿から、「助成金の全て〜活用のイロハ」という全4回シリーズで、助成金のありとあらゆる情報をお届けしようと思います。
初回は、助成金ってどんな制度なの?なぜ国は助成金を増やしているの?という2つの初歩的な疑問についてお答えしたいと思います。
助成金ってどんな制度なの?簡単に説明!
一般的に助成金と言われているのは、厚生労働省が窓口となっている雇用関係助成金のことを指します。助成金の支給要件を満たしている企業に対して、返済不要の資金を支給してくれる制度のことです。
支給要件を満たしている企業には、原則的に助成金が支給されることになっており、その用途も自由とされています。
雇用関係助成金を特徴をまとめましたので参考にしてください。
主に窓口となる省庁 | 厚生労働省 |
助成金の給付目的 | 雇用拡大・維持や人材の有効活用する企業の支援 |
公募時期 | ほぼ周年 |
支給額の規模 | 助成金の種類により金額に幅があります。 |
支給を受けられる確率 | 要件を満たせばほぼ100% |
返済 | 不要 |
使用目的 | 自由 |
支給要件や額、使用目的などを考慮すれば、雇用関系助成金活用の重要性をご理解いただけるかと思います。
実際に中小企業で助成金を活用する企業は増えていますが、まだ全体の20%の企業しか活用していません。
なぜ国は助成金を増やしているの?企業ばかり優遇していない?
融資のように返済する必要も無く、一度もらったら何に使っても自由。しかも、もらえる金額も大きいなど、助成金は企業にとって大きなメリットを与えてくれる制度です。
なぜ国は助成金を増やしているの?企業を優遇している?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ、企業を優遇するためではなく、従業員の方の雇用環境改善のために、国は助成金を増やしています。
企業は助成金がなくても、従業員の雇用環境を改善すべきだとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、ヒト・モノ・カネ全てにおいて、最初から満足に全てを満たす企業はなく、中小企業においては雇用環境改善は大変大きな課題です。
そこで、企業が雇用環境を改善して、安定的な就業を確保しやすくするために制度を増やしています。
これら国が助成金制度を設けている理由に鑑みると、従業員を雇用している経営者の方は「使えるものは使い倒す」気持ちで、助成金を活用してほしいと考えています。