会社に必ず1人は現れるモンスター社員
一言で表すとすれば、常識外れの言動で周囲を振り回す社員だが、パターンには様々あり、まさかの出方も予想される。
採用の段階で判明させるのは困難なため、発生した場合は冷静な対処が求められる。
そこで今回はタイプ別モンスター社員の特徴と、その対処法についてまとめる。
モンスター社員の典型パターンと対策方法
タイプ1:「モチベーション押し付け」社員
自分自身のモチベーションが高いために、自分はもちろん部下や同僚に休日出勤や残業の尊さを説いて、強要してしまうケース。他の社員のモチベーションが下がり、疲弊しているのがサイン。自分の存在価値を見出そうとしている。経営者に見えない場所で行っている場合はやっかい。
「モチベーション押し付け」社員対策1:否定せず話を聴く
本人は会社のためによかれと思い行動しているため、まずは「なぜそうするか」を聞いて、受け止める必要がある。本人のモチベーション自体は褒めることも必要。
「モチベーション押し付け」社員対策2:労働基準法のリスクを教える
残業が強制により発生し給与が支払われない場合、他の社員に労働基準法で会社が訴えられる可能性があることを指摘する。もしそうするならば、そのコストを会社が負担する必要があり、コスト分を吸収できるか否かを冷静に計算させるのも得策。本人が自分で納得できるよう導く必要がある。
タイプ2:「親離れできていない」社員
社員の問題行動を注意し、改善のためのアドバイスをしたとたん、社員の親が会社にクレームをつきつけてくるケース。
「親離れできていない」社員対策1:話をじっくり聴く
感情で向かってくる相手(親)に、いきなり理論で応えようとすると、かえってこじれる可能性がある。まずは聞いて受け止める必要がある。
「親離れできていない」社員対策2:会社として『できる事』と『できない事』を明確にし誠実に伝える。
言いなりになる必要はないが、相手の感情を受け止めた上で、自社が子供の意向を受け入れられる範囲を、はっきりと伝えて、進退の話を進めることが重要である。
タイプ3:「アゲインスト」社員
どんな提案をしても、ムスッとし否定したり、新しい仕事を与えると面倒くさそうに口をきかない、会議の時間に遅れてきたり、周囲に聞こえるような大きな声でため息をつくなど、あらゆることに対してネガティブな形で反抗してくるケース。もともと会社や社会に対する不信感が強く、話し合いの機会を設けても率直に不満や希望を語らず、心を閉ざし、表面的な会話を続ける傾向がある。
「アゲインスト」社員対策
アゲインスト社員が心を開いてくれるまで待つのが理想。ただし、こちらが協力的な姿勢を見せても、何年も態度が変わらない場合は諦めが肝心。社内規定をきちんと整備し、労働基準法に照らし合わせ適正な業務時間内で業務が終了する場所へ配置するなど、法的な視点から自衛策を検討する必要あり。
タイプ4:「パワハラ礼賛」社員
行き過ぎた部下指導のため、若手社員が次々とうつ病などで休職したり、退職したりするケース。仕事はでき論理的で弁が立つが、相手の立場や気持ちを想像する能力に乏しいケースが少なくない。
「パワハラ礼賛」社員対策
- 問題となる言動を具体化し、禁止もしくは抑制するルールを作る。
- 社内規程やコンプライアンス・マニュアルを整備する。
- 問題行動に焦点をあて、法的リスクを提示する。ただし加害者自身を否定しない。
モンスター社員にも必ず適材適所がある
採用の段階で、こういったモンスター社員の芽があるか見抜ければそれに越したことはない。
しかし人間性を理解できるまで採用に時間をかけるわけにもいかないだろう。
採用してしまった場合の対処法
『適材適所』に本人が会社の中で活躍できる役割や、ポジションを与えるということだろう。
多くの場合モンスター社員が発生する原因は、「自分が認められていない」と感じることに起因する場合が多い。会社の中で自分が活躍し、周りから認められていることが実感できれば精神的に安定し、理不尽な言動も影を潜めるはずである。
見て見ぬふりが一番いけない。
組織は人間の集合体で生き物であるため、モンスター社員が発生したとしても揺るがない組織作りに励みたい。