トヨタは五輪スポンサー費用をどの勘定項目で落とす?

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 トヨタ自動車が、IOC(国際オリンピック委員会)とTOPパートナー契約を締結し、大きな話題となった。経営者であれば、オリンピックほどのイベントではないにせよ、スポンサーになってほしいと依頼を受けた経験があるかもしれない。どの勘定項目でスポンサー費用を捻出するのがお得か?トヨタは今回の費用をどの勘定項目で落とすか?検証してみよう。

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トヨタがオリンピックトップパートナー契約

 トヨタ自動車が3月13日(月)、IOC(国際オリンピック委員会)とTOP(トップ)パートナー契約を締結し、大きな話題となった。

 IOCとのTOPパートナー契約は、最高位スポンサーとして実質的にメインスポンサーとなることを意味し、1業種1社限定というルールがある。

 今までにTOPパートナーになったことがあるのは、コカ・コーラやマクドナルドなど世界的に著名な企業が中心で、トヨタは12社目となる。日本企業としてはパナソニック、ブリヂストンに続いて3社目となり、自動車メーカーとしては初となる。

 契約は、2024年までの10年契約で、契約金も他のスポンサーを圧倒し、異例の総額1千億円超という高額になった。

 よって2020年に行われる東京五輪のスポンサーとして、トヨタは大々的に世界中へ自社を宣伝することとなる。

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誰かのスポンサーになる費用は損金になる?

 トヨタのスポンサー費用1000億円を10年で割ると、1年あたり100億円の支出がIOCに対して行われることとなる。広告費100億円を1つのイベント団体に投じることが可能な企業は国内でもほとんど類を見ない。

 とはいえ経営者であれば、スポーツ・イベントやライブ・イベントなどで、スポンサーになってほしいと依頼を受けた経験があるかもしれない。

 スポンサー費用は、損金として算入可能なのだろうか?

 まずそのスポンサー費用が、「寄付金」「広告宣伝費」のどちらにあたるのか確認し、それぞれのポイントを理解することが大切だ。

 各項目の定義は以下の通りだ。

寄付金:金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与
広告宣伝費:商品・サービス・会社などを、広く一般に売り込むための広告や宣伝にかかる費用

 寄付金は必ずしも企業の利潤追求活動をメインとしたものではないため、損金算入できる金額には一定の限度がある。(資本金等の額、所得の金額に応じた一定の限度額)※1

 次に広告宣伝費については、例えば、「協賛金を出した見返りとして、イベントのパンフレットに社名や商品が掲載される」など宣伝活動が認められれば、広告宣伝費として全額を損金処理することが可能になる。

 自社でイベントスポンサーになった場合は、念のためパンフレット等の証拠を保存しておくことをおすすめする。社名の掲載などが告知媒体や広告媒体にない場合は広告宣伝費ではなく、寄付金としての処理を求められることになってしまう。

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トヨタのスポンサー費用はどの項目で計上?

 トヨタのIOCとのTOPスポンサー契約の場合、トヨタは見返りとして、国内のみならず全世界へ向けて、自社の宣伝にIOCの有する肖像権を利用したり、オリンピック会場やTVCMにおける自社の優先的な宣伝活動を行えるため、広告宣伝費を仕訳項目として利用することになるだろう。

 よって費用は全額が経費として損金算入となるため、利益が出た際の節税対策としても利用することが予想される。

 10年契約で、1年ごとに按分した広告宣伝費として処理可能になると共に、広告効果も莫大なものになり、一挙両得と言えよう。

参照元
※1 国税庁「寄附金を支出したとき」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm

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