今日は「コンサルタントはインチキです。」というネタをやります。
私もコンサルタントを名乗ることがあります。
”コンサルタント”というより、実際は”コーチ”なんですけど。
インチキなコンサルタントの特徴
まず人件費を減らせと言う
コンサルタントがインチキと呼ばれやすいのはなぜかというと、例えば赤字企業を立て直す場合に、何が何でも黒字化しない限り、絶対に「インチキ」扱いをされるんですよ。
では、そのインチキ扱いされるコンサルタントが、赤字企業に対してどういう指導をするかというと、これはパターンが決まってるんですよね。
赤字の会社でだいたい数字が目立つのは、「人件費が大き過ぎるな」っていうところがよくあります。
その人件費についても正社員が多すぎるっていうのがよくあるので、インチキなコンサルタントは最初に「人件費減らせ」って言ってきます。
「人件費減らしましょう!」みたいなことを言っときゃあ良いと思ってるんですね。
資金繰りで借り入れのリスケしろと言ってくる
でも、経費減らしの方策って、実はコンサルタントの腕とか必要無くて、社長ご自身がやろうと思えば出来ちゃうことですよね。
一方で、売上を増やす方でコンサルすると結果を求められるので、インチキなコンサルさんは、「まず経費を減らせ」っていう方向から言ってきます。
ところが、経費を減らしたって、どうせこの手の会社っていうのはカネに行き詰まるんですよ。
そうすると今度は「銀行から借りている借入金の返済をリスケジュール、先延ばししなさい。毎月50万円返しているんだったら、銀行さんと話合って毎月5万円にしなさい。」という形で、とにかくまずは資金繰りからしか物事を考えない。
要はお金のことでしか物事を考えないんですね。
これがインチキ系の特徴でございます。
保険と年金の滞納を黙認しちゃう
さぁ、そしてますます状況は酷くなります。
従業員さんから預かっている社会保険とか年金とか、これらについては従業員さんから預かっているだけではなく、会社の負担分も有ります。
例えば「20万円で働いて下さい。」ってなると、社会保険・年金が双方に3万円ずつかかります。
そうすると、20万円の給料を払う時に、なんやかんやで23万円は払うわけです。
ところが社会保険や年金、源泉税を払わないで滞納するとしたら、17万円で良いわけです。
6万円浮いちゃうので、やっぱりこの魔法に乗っちゃうんですよ。
資金繰りが非常にツラい状況だと、滞納という名前の魔法に乗っちゃうんですよね(笑)。
消費税の滞納まで黙認しちゃう
さて、赤字企業も、この辺まで来ちゃったら、”もうヤバいよね”という状態なんですね。
その次に、遂にデッカイのがやってきます…。
そう、「消費税払えないよね」って、デッカイ奴が現れるんですよ。
基本的に資金での考え方なので、消費税の支払いが来ましたって時に、払えるわけが無いんですよ。
払えないんだから、もう降参のバンザイしか無い。
ところが、だいたいが滞納するんですよね(笑)
とにかく滞納出来るものは全部滞納して生き延びさせて、その間にコンサルタント料を頂くっていうのが大体の常套手段です。
要するに、それがインチキ系と呼ばれてしまうんですね。
なぜなら、会社の立て直しとは全く関係の無いことしかやらないからです。
インチキなコンサルタントと付き合うとどんな流れになるか、もう一度整理すると以下のような形になります。
- 人件費減らせって言う
- 人件費減らしてもダメだから銀行の返済リスケしろって言う
- 返済リスケもクリアできなくて社会保険と年金を滞納させちゃう
- 社会保険と年金滞納しても行き詰って消費税の滞納までさせちゃう
会社がどんどん底なし沼にハマって、社長も社員もボロボロになっていく、その間に1人だけ儲かっている人がいますよね。
そうです。インチキなコンサルタントだけなんですね。
真っ当なコンサルタントの特徴
赤字の原因を徹底して突き詰める
では、コンサルタントさんがインチキ系と呼ばれたくなかったら、絶対に「そもそも赤字の原因はなんなのか」という部分を突き詰めることからしか、手を付けてはいけないんです。
ところが会社経営に困っている社長は「まずは資金繰りをどうにかしてくれ!どうにかしてくれ!!してくれ!!!」ってこればっかりしか言わないんですよ。
なぜ赤字経営になっているのか、こちらがそこを詰めようとしても、そんな話には一切乗ってこない。
「お前!力があるなら、うちの会社のカネをなんとかしてくれ!!」ってこれしかない。
ここで赤字の原因をきっちり詰めることが出来る社長だったら、まだ立ち直る可能性もあるんです。
というのも、実際に赤字の原因って、凄く見えやすいもので存在していたりすんるんですよ。
社長自身も赤字の原因が大体分かっているし、傍(はた)から見ても分かると。
実際に現場を見て、我々はもう大体は直感で分かるんですよ。
「ここは儲かってる」、「ここは儲かってない」って。部門単位とかでも分かります。
そして、従業員さんがいきいきと働いているかどうかっていうことも、とても成績に響いて来ることですから。
あとは社長の心の状態です。荒れてしまっていてどうしようもないとかね。
いつも従業員にハッパばっかりかけていて、それで従業員も萎縮してしまって「そもそもやる気が無い」みたいなね?
そういうところを見極めながら、赤字の原因を徹底して詰めていくんです。
これは実は、新しく商売を始める時も同じなんですよ。
商売を始める時も、きちんと黒字が出せる商売なのかって、それを悩んで悩んで、死ぬほど悩んで良いんです。
ですから赤字企業の立て直しの時だって、赤字の原因が何なのかを徹底して調べるんです。
儲かっているチャレンジ社長のマネをさせる
そして作戦を組んでいくんです。作戦を組んでいく時に鍵となるのは、チャレンジしている社長さんをお手本にすることです。
チャレンジしている社長さんっていうのは、黒字企業の社長さんのことで、私の場合だと彼らがやったことをかなりお手本にします。黒字企業の社長さんは、いつもチャレンジしていますから、失敗も沢山しているんですよね。
さて、チャレンジ社長のお手本に習う際は、2つのコツがあります。
1つめは、チャレンジ社長さんが成功したことについては、赤字社長も出来そうなことであれば、そのままやってもらうことです。
成功した前例があるので、そのままやってみましょう!ってね。
出来ないことであれば、我々も色々用意してサポートしましょうって。
もう1つのコツは、チャレンジする黒字社長が失敗してコケたような事っていうのは、赤字企業の社長には成功出来っこないから、やらせないってことです。
彼らが失敗した案については骨壷行きです(笑)。
そういう風にやっていきます。
コンサルタントっていうのは情報業です。
よそでやって上手く行ったことがあれば、じゃあこの会社でも使えるんじゃないか?業種が違えど使えるんではないか?って、使えるものはどんどん取り入れていくのが、コンサルタントの仕事なんです。
告知を打たせて顧客を増やし粗利を上げることに注力させる
業績を回復させていく過程では、『お客様の数✕単価』を基本として考えるんですけれど、もっと言えば、お客様はもちろん、取引先の数もどんどん増やしていかないといけない。
「従業員のクビを切れば良い」って言うコンサルタントさんもいるかもしれないですが、現場だと実際にそんな事は出来ないですよ。
ですから、とても時間のかかることですが、とにかくお客様の数をガァーっと増やしていく。そして単価は基本的には下げもしないし、上げもしません。
いずれはお客様の数が増えると、後からいくらでもタイミング良く上げることが出来ますから。
そして中小企業の経営において、基本となる目標を立てます。
客数を増やしながら、どんな目標を狙うかといったら、結局は従業員さん1人あたりの粗利益、年1千万円を獲得することをまずは目標にするんです。
とにかく「従業員1人あたり粗利1千万」まで絶対にもっていくんだ!って。
ここまで持っていけるようお客様の数を増やすには、やっぱり告知を避けて通ることは出来ません。
広告・宣伝をしっかりやっていかないと、「従業員1人あたり粗利1千万」なんて、絶対に行けません。
ニュースレターの発行であったり、それからサンキューレターの発行、そういう色んなことをやっていかないといけないんです。
粗利配分計画を決めさせ、銀行と真正面から向き合わせる
粗利益の分配については、経費は粗利益の80%として考えましょう。
今だと、人件費で50%から60%超えますからね。
そうすると経費は粗利の80%に設定して、必ず黒字企業がやっているように、粗利益の20%は必ず利益として残すんです。
例えば、5人でやっている会社が全員粗利1千万円達成したとして、粗利益が全部で5千万円あります。
その5千万円のうち20%の1千万円は必ず利益で残して、経費は必ず80%の4千万円で抑えると。
そういう風に、粗利の再配分に関する計画をザックリと作っていきます。
この実務を行う時って、実はお金のことはあまり関係無いんですよ。
第一、お金はしっかりした経営計画があれば銀行が貸してくれます。
逆に、お金を払わない!払わない!滞納!滞納!では銀行も助けてくれないんですよ。
銀行への返済のリスケばっかりやるとか、そんな事ではどっちにしろ会社は潰れてしまうんです。
実際の立て直しっていうのは、こんな風にやっていくものであって、これをちゃんとやっていれば、どんなコンサルタントでも「インチキ」とは言われないようになりますよ。