本やインターネットを見ていると、「プラス思考が成功を招く!」という言葉がそこかしこに氾濫しています。しかし、実際のところ、常にプラス思考でいようとすると、気持ち悪さを覚えたり、そうなれない時に自己嫌悪を感じ、プラス思考強迫症に陥ってしまうものです。これを克服するにはどうすれば良いのでしょうか?考えてみましょう。
いつでもプラス思考でいるのって疲れません?
「プラス思考が成功を招く!」
誰もがこんな言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
これは、ナポレオン・ヒルプログラムに代表される、積極的な心構え(positive mental attitude)が、成功をもたらすと考える理論を表します。
例えば、片足を失ってしまった場合、2つの考え方があります。
- 自分は片足がなくなってしまったと、失った方に焦点を当てて考えるマイナス思考
- まだ、もう片方があると、残っている方に焦点を当てて考えるプラス思考
この時、「失ったものを考えるのではなく、残っているものを考えるプラス思考が大事だ!」と考えることは正しいことですし、プラス思考の方が成功するでしょう。
しかし、この考え方って、いつでもすんなり受け入れられるものでしょうか?
人によっては、「いつでもプラス思考でいるなんて気持ち悪い」と感じる場合もあるのではないでしょうか?
プラス思考強迫症に陥ってはいないだろうか?
さて、プラス思考をよく表す言葉に、“プラスの気は建設、マイナスの気は破壊”というものがあります。
これも色々な本に書かれており、プラスの気を持つことが大事だ、ということを説いています。
Facebookでも、よく「おはようございます。今日もプラス思考でいきましょう!」というメッセージを毎朝投稿している人がいますよね。
世の中にはいつでも「プラス思考」が氾濫しています。
ところが、頭では、プラス思考を持たねば!と分かっているのですが、気持ちの方は、それになかなか付いていけないものです。
例えば、夫婦ケンカをした時、妻の気に食わないことが次々に頭に浮かんで、「なんてヤツだ!」と、心の中で毒づいています。
しかし、次の瞬間には、「あぁダメだ、もっとプラス思考にならなければ…」と反省したりしますが、プラス思考ができないのです。
こうなると次は、プラス思考ができない自分を「また、マイナス思考になってしまった」と責めてしまいます。
プラス思考をしなければならないのにマイナス思考になってしまう、そんな自分を「ダメだ!ダメだ!」と責めてしまう。
これを私は「プラス思考強迫症」と呼んでいます。
プラス思考強迫症はどうすれば克服できるか?
さて、このプラス思考強迫症はどうすれば克服できるのでしょうか?
私が、ある人から教わった方法をご紹介したいと思います。
先程、夫婦ケンカの例を出しましたが、妻についての感情で、プラス思考とマイナス思考を行き来する場合はまず、妻の悪口を思いつくままに、どんどんノートに書き出していきます。
次に、妻の良いところをノートに書き出していきます。
「悪いところ⇒良いところ」の順序を間違えてはいけません。
妻の悪口というネガティブなことを最初に書くのです。
ぜひやっていただきたいのですが、悪口を全部吐き出してしまうと、気持ちは大分落ち着いてきます。
そのあと、良いところというポジティブなことが、素直に心に浮かんできます。
ネガティブとポジティブの2つをリストアップしたならば、この2つをじっと見詰めて、これからどうするかを書き出していきます。
- 1:ネガティブ
- 2:ポジティブ
- 3:これから
この順番で考えていくと、自然に心はプラス思考になっていきます。
プラス思考強迫症への対処方法はビジネスにも応用できる
実は、この作業はビジネスにも応用することが可能です。
自分の夢を実現したい、新しいことを始めたい、と考えた場合、心の中では、そんなことは出来っこないよ、というマイナス思考が必ず浮かんできます。
その場合はまず、自分の夢について、「出来っこない」というネガティブな理由や感情を、思いつくままリストアップしていきます。
次には「自分には出来る、なぜならば…」というポジティブな理由や感情を、どんどん書いていきましょう。
最後に、ネガティブとポジティブの両方をじっくりと見詰めて、これから、どう考えていくのかを書き出していくのです。
こうすると「プラス思考強迫症」から脱することができます。
何か不安なことがあったら、それを3つの視点から考えていくと、とてもバランスの取れた物事の捉え方が可能になります。
私自身も、この方法を教わってから、毎日一つずつ不安に思っていることをテーマに
- 1:ネガティブ
- 2:ポジティブ
- 3:これから
について、思いを巡らす時間を作っています。
始めてから半年ほど経ちますが、以前より不安に思っていることが少なくなりました。
これからも続けていこうと思っています。
もちろん、皆さんにもぜひお勧めしたい習慣です。