国税庁は日々、様々な統計を開示しています。本稿では、毎年この時期に発表されている、企業とサラリーマンの実態に迫る2つの最新統計を見てみようと思います。統計情報はあくまで統計なので、感じる実態とは違う部分もありますが、世の中全体の流れに対する自社の立ち位置を把握することは賢明です。
国税庁は日々様々な情報開示を行っている
国税庁のHPを見ていると、日々様々な情報開示が行われています。
特に企業や個人の動向について、俯瞰した統計を見ると世の中の流れを効率的に把握することが可能です。
そこで本日は、毎年この時期に発表されている、企業とサラリーマンの実態に迫る2つの統計について、速報をお伝えいたします。
企業とサラリーマンの実態に迫る2つの統計
法人税等の申告事績:黒字企業が5年連続増加
「法人税等の申告事績」は当年の3月期決算までの申告内容について、一般企業の業績をまとめたものであり、景気動向を把握するのに役立つ情報の一つです。
ちなみに平成27年度の法人申告件数は282万5千件で、申告所得金額の総額は61兆5,361億円で過去最高となり、申告税額の総額は11兆3,844億円となりました。
前年度に比べ、それぞれ5.3%、1.9%増加し、6年連続の増加となりました。
また黒字申告割合は、32.1%と前年度に比べ1.5%増加し、5年連続の上昇となりました。
法人申告件数は上記に記載したとおり約282万件ですが、法人数は約304万件あるため約10%の法人が無申告であることがわかります。
該当ページURL:法人税等の申告事績
民間給与実態統計調査:サラリーマンの給料は全体で増加
これは言葉通り毎年、民間企業がどのような給与を支払っているかをまとめたもので、日本の労働人口のうち最大人数である「サラリーマン」の状況を把握するのに役立ちます。
そのため、参考資料として景気動向を図る指標となります。
ちなみに給与所得者数は5,646万人で、前年より54万人増加、これにより過去最多になりました。また支給会社自体も352万件で前年より1万件増加しました。
なお約5,600万人に支給した給与の総額は204兆8千億円で、前年より1兆7千億円増加しており、全体の賃金は増えていることがわかります。
余談になりますが、年間平均給与は過去最高額となった平成9年の467万円と比べると50万円ほど低い420万円でしたが、対前年比では1.3%増となり、3年連続増加しております。
ただし、業種によってバラつきがありますので、
該当ページURL:民間給与実態統計調査
統計を元に世の中に対する自社立ち位置を把握
統計情報はあくまで統計なので、感じる実態とは違う部分もあるかと思います。
しかし、世の中全体の流れに対する自社の立ち位置を把握することは、経営判断で次の一手を打つ上で大いに役立つことでしょう。
自社との比較資料として、これらの統計をチェックしてみてはいかがでしょうか?
Photo credit: Dick Thomas Johnson via Visual hunt / CC BY