形だけ内部統制を構築したように見せかけて、化けの皮が剥がれると、粉飾決算や法令違反を犯す会社が多い理由は、内部統制を構築すべき理由を理解していないことにあります。本日は、内部統制を行う意義や、内部統制を上手く浸透させる方法について、考えてみたいと思います。
形骸化した内部統制を設置する会社の共通傾向
株式公開など上場を控えている会社にとって、内部統制の構築は、引受け審査や上場審査において、避けては通れない道です。
たとえ上場しなくとも、拡大して公共の器となろうとしている会社も、この点は同じこと。
とはいえ、形だけ内部統制を構築したように見せかけて、化けの皮が剥がれると、粉飾決算や法令違反を犯す会社が多いのも事実です。
キレイ事ですまないと言われればそれまでですが、多くの場合、形だけの内部統制を整備する会社は、その意義を理解していません。
つまり、内部統制を整備していく上では、その目的や重要性を正しく理解・遂行できているかどうかで、会社の質が決まります。
本日は、内部統制を行う意義や、内部統制を上手く浸透させる方法について、考えてみたいと思います。
内部統制を定める意義と見えにくいリターン
内部統制を定める目的としては、
- 業務の有効性及び効率性
- 財務報告の信頼性
- 事業活動に関わる法令等の遵守
- 資産の保全
以上の4つが挙げられます。
これらは各会社における全ての組織構成員が達成すべき課題であり、日々の業務において1項目でも欠如している部分が見られると、内部統制は未構築とみなされる必要があります。
全ての組織構成員が内部統制の整備を図り、遂行することで、業務における信頼や社会的信頼を確保する必要があるからです。
反対に、内部統制が整備されていない状態では会社の質が社会に問われ、業務に欠陥があるものと判断されます。
更に、優秀な人材の育成・確保を内部統制の構築・整備・遂行にあたっては、信頼性の高い組織構成員が必要不可欠です。
十分な時間とコストも、日々の業務において内部統制の枠組みを正しく理解し、かつ遂行できる組織構成員の育成に必要となります。
経営者のトップダウン形式で内部統制を整えよ
では、これらを成し遂げるために、経営者はどうすれば良いのでしょうか?
内部統制構築のプロセスはまず、経営者により定められた基本計画や方針を、全ての組織構成員が理解・遂行する必要があります。
つまり、経営者のトップダウンで内部統制は、進められるべきなのです。総務部や経営陣、法律顧問が経営者の目を通さず、これらを行うことがあってはなりません。
直接的に利益を生む作業ではないかもしれませんが、上記にあげた4項目について、丁寧に追求・改善を行いながら内部統制を整備していきましょう。