賞与にまつわる経営者の悩みは数知れずある
そろそろ、経営者が頭を痛める賞与の時期となりました。
頭を痛めると言っても、「払いたくない!!」といって頭を痛めるわけではないです。
経営者の皆様は社員が頑張ってくれれば、それに見合った報酬を支払いたいと思っている方が多いようです。
社員は決してそうは思っていないかもですが・・・
「賞与は貰って当たり前。去年から減るなんてとんでもない。俺は毎日一生懸命頑張っているはずだ!!」
この辺も、私が何度も言っている「経営者と社員の立場の違いからくるズレ、ギャップ」でしょうか??
それでは経営者の皆様は、賞与の支払いにあたり、どの辺で頭を痛めるのでしょうか??
- 賞与の総額が決まってもそれをどのように分配したら良いかわからない
- 社員が納得するように分配したい。
- 賞与が出ない会社もたくさんあるのに、賞与を出して不満分子が出たらたまらない・・・
これらが主な賞与の支払いにまつわる悩みのようです。
そして経営者の皆様が抱える最も多い悩みは、「そもそも、自社の現状売上で人件費(賞与)をどれくらい計上するのが適正かわからない」というものです。
そこで今回はボーナスシーズンということもありますので、賞与も含めた「人件費と売上目標の立て方」を考えてみることにしましょう。
経営者は人件費を意外とアバウトに決めてる
経営者の方の話をお聞きすると・・・
- 人件費に関しては「去年がこれ位だから今年もこれ位かな??」
- 売上目標に関しては、「昨年対比10%アップ!!」と言いたいところだけど、それは厳しそうだから「昨年対比3%アップ位で・・・」
こんな感じで、人件費を決めている経営者の方が多いようです。
しかし、そんな中で「もっと根拠を持った売上目標、人件費を決定したい」と思う経営者は多いです。
そのためには、やはり経営者自身が「会社のお金の流れ」を理解する必要があります。
もちろん、「会社のお金の流れを理解する=決算書を読みこなす」ではありませんのでご注意を・・・
どのようにすれば、根拠を持った売上目標を立てることが可能となるのでしょうか??
根拠を持った売上目標と人件費の設定方法
根拠なく感覚で「売上目標と人件費を設定」している方の思考回路は、以下のようになっていることが多いです。
- 1)まずは、アバウトに売上目標を立てる。(大体昨対比3%アップ位かなぁ)
- 2)売上目標から、かかる経費を考える。
- 3)粗利益が出る。
- 4)粗利の中から固定費(人件費、家賃等)を払う。
- 5)全て支払いが終わり、残った額で利益が出る。
- 6)利益から税金を支払って、返済を行って、設備投資を行って・・・
- 7)これ位のお金が残る予定かなぁ
という感じでしょうか??
根拠を持つためには、この思考回路を逆の順序から考えてみましょう!!
- 今年はどれくらいお金を残したいかを考える。(その金額を残したい理由まで明確に答えられれるようになるのが大きなポイント。例えば○年後にこれ位の設備投資を予定しているから。会社の内部留保にこれ位のお金が必要だから等々)
- お金を残すために、設備投資、返済にいくらお金が必要かを考える。
- お金が出て行った後にお金が残るためには、利益がこれ位必要だ。
- 目標設定した利益を残すためには、粗利益がこれ位必要だ。
- 目標設定した粗利益を残すためには、売上がこれ位必要だ。
この様に「会社にどのくらいお金を残したいのか」理由も一緒に考えて逆算すると、根拠を持った売上目標を立てることが可能になります。
大事なポイントは、お金を残したい理由の根拠を明確に「言語化」する点です。
お金を残すところまで行かなくても、数年後のあるべき姿をしっかりと「言語化」できるかどうかがポイントですね。
逆算目標設定は社員の一致団結も助ける手段
もちろん、このやり方で売上目標を立てると、かなり時間と手間がかかります。
残したいお金を残そうと思ったら、売上目標が想像以上に膨れ上がってしまったりしますので。
なかなか思い通りにいきませんが、途中の段階を見直すことによって、少しでも実現可能な目標に近づけていきましょう。
この作業に伴って、人件費にかけられるお金も見えてきます。
社員に向かって、経営者が「今年の売上目標はこれだ!!」と言ってもなかなか浸透しないのは、社員が「その目標に決まったのは何故???」と思っているのも一因です。
目標の根拠をシッカリと説明できると、目標に向かって一致団結できる可能性も高まります。
大分大雑把に書いてしまいましたが、経営者が簡単に会社のお金の流れを理解して、社員と共有することのメリットを感じて頂ければ幸いです。