吉野家が9年ぶりに赤字~その根本的な理由とは?
吉野家が9年ぶりに営業赤字となっています。理由は明らかに人件費の高騰ということです。
人不足の問題がさらに深刻化していることを示していますが、吉野家の業績不振について私は違う観点を持っています。
結論から言うと、人件費が高くなっている、というより、牛丼が安すぎるのです。
もちろん、顧客としては安いに超したことはありません。
しかし、東南アジア各国でも、あの品質で300−400円程度で、吉野家並のものが食べられるところはありません。
それだけ日本の飲食業のレベルの高さを示しているわけですが、事業を運営している企業サイドからすると、本当に厳しい戦いを強いられているわけです。
この問題を本質的に解決するには、長い目で見れば牛丼の価格をあげることが、業績改善にあたっては必須課題と言えるでしょう。
短期的には、同業間の競争で、大幅値上げはないかもしれませんが、その価格競争に決着が着いたあとには、価格をあげる=正当な価格に落ち着くのではないかと思います。
最終的に食分野の商品・サービスは値上げせざるを得ない
比較的、この値上げがスムーズに行われたのは、車です。日本における車の価格は明らかに高くなりました。
服飾で言えばユニクロも同様でしょう。
その値上げの影響もあり、東南アジア各国では、ユニクロは安物でなく。クールな、やや高い価格のブランドイメージをつくっています。
なおかつ、直近の業績は大幅に改善されています。
日本は国債残高が多すぎて、金利があがると財政が破綻する可能性もあることから、金利も物価もあがらない傾向が続いています。
しかし、どこかでその無理も持たなくなってくるはずです。
衣食住の中でも、最終的には食品、並びにこれに関わるサービスの価格がいずれ上昇するであろうことは、もはや自明の理です。