『会社の収益構造』を軽くおさらいしてみよう
今日のテーマは、『会社の収益構造を変えて儲かる会社にする方法』です。
はい、まず『会社の収益構造』がどうやって成り立っているか、簡単におさらいしていきましょう。
利益は、「利益=売上−経費」という単純な数式が割り出されるものです。
売上は単価と数量で決まり、費用には固定費と変動費という2種類の費用があります。
この費用について、少し掘り下げて行きましょう。
固定費というのは、固定で支払わねばならぬ費用のことです。「人件費」とか「法定福利費」「社会保険料」とかそういったものですね。
会社負担分が乗っかってきますので、それとか「家賃」も大きいですよね。固定で支払わねばなりません。
従業員が1人だろうが10人だろうが100人いようが、「家賃」は固定です。
「水道費」や「光熱費」「通信費」など、こういったものが『固定費』となります。
次に、変動費とは、「原材料費などの売上原価」とか「外注費」のことを指します。
変動費は、売上によって費用が上がったり下がったりするので『変動費』と呼ばれています。
そして、これらから割り出されるものとして『損益分岐点』っていう考え方があります。以下の図で示しますね。
『固定費』はずっと同じように支払っていくもの(厳密には上がる場合もあるが簡略説明のため横線で説明)として横線、『変動費』っていうのは、売上に伴って斜めにずーっと伸びていくものとして表されます。
『固定費と変動費』 を足したものが総費用です。
では、『損益分岐点』って何かというと、「会社固定費と変動費を全て賄える売上高の事を『損益分岐点売上高』と言います。
どこが『損益分岐点』かというと、売上曲点、総費用曲線の交わるところの売上高を『損益分岐点売上高』と言います。
ちなみに、『損益分岐点』の利益は0円です。利益は全く出ないんですけど、費用は全部賄えるというのが損益分岐点の売上高です。
ここまでは理解いただけたでしょうか?
利益確保できる体制への転換には3つしか方法がない
そして、利益が確保できる体制に転換しないと会社って生き残れないですよね。どうやってやるのか?3つしか方法はありません。しかもシンプルです。
1)固定費の低減
まず、1つ目の手は、『固定費の低減』です。一番手っ取り早いです。
固定費を下げると、今の売上高よりも少ない売上高で利益トントンまで持ってこれると。固定費を下げるっていう事は凄く効果があります。
2)変動費の低減
次の手は、『変動費を低減していく』ことです。
変動費を低減するっていうのは、変動比率というカーブを緩やかにしていくんですね。
そうすると交わるところが下がりますよね。同じように変動費用下げる。
例えば、「仕入先を見直す」とかですね、「原価が安くて高品質なところを仕入先に見直す」っていう事ですね。
そういった事をやっていくと、売上高が下がっても利益はトントン。利益を出せる構造が出来るという事です。
3)売上高のアップ
3つ目は『売上高のアップ』です。
今よりも急角度で売上が上がっていくと、売上と総費用が交わる点が前に来ますので、少しの売上で大きな利益を出すことが可能になります。
固定費と変動費を明確に分けて固定費から削減を始めるのが現実的
ちなみに、私が中小企業の社長さんにオススメしたいのは、固定費と変動費を分ける作業を行うことです。
税理士さんに相談して、自分の会社の経費を『固定費と変動費』に分けて、どういう使い方をしているか見てもらいましょう。
まず、『固定費の圧縮』をバランスよく行う事が大事なんです。
なぜか?「変動費」を下げることも「売上高」を急激に上げることも、今の時代には見込めないからです。たとえば2018年現在、円安で原価が上がってますよね。
たとえば、海外から仕入れた原材料を加工して資材を作るメーカーさんとかは、原価も上がっているし、売上高の急激な拡大を見込めない状況が続いています。
こういう場合は、社内にある業務フローで無駄な作業を見直して捨てていくしかありません。
そうすると、新しい業務フローに従って余ってくる人材が絶対に現れます。仕事が無くなる人材がいます。
その人材はクビをするんじゃなくて、集中的に「儲かる・稼ぐ業務」に再配置してください。
これを実現するには教育が必要です。絶対やってください。
そのためには単純作業のような業務は徹底的に外注しちゃいましょう。給与計算とか経理とか社労士手続きです。
電気代や水道費、置いたもの等の固定費もカットしていきます。
それでも、どうしても人員が伸びる見込みが無いとなったら、クビを切っちゃうという事ですね。
これはもう嫌ですけれど、生き残るための最終手段です。
余ってきた業務を、儲かる業務に集中的に投下していくという事です。売上利益とか固定費を下げていくっていう事ですね。
そうすると会社に利益が必ず出てくるようになります。
そんな感じでぜひ、収益に執着していって、企業の改善をやってもらいたいなと思います。