「塚田農場」運営元に景表法の措置命令が下る
消費者庁は5月22日、居酒屋チェーン「塚田農場」を運営する(株)エー・ピーカンパニーに対し、同社が提供している鶏料理のメニュー表示について、景品表示法の措置命令を行いました。
「塩つくね」、「月見つくね」「チキン南蛮」「椎茸つくね南蛮」という料理について、あたかも地鶏を使用しているかのように表示をしていましたが、実際はブロイラーを使用していたものであり、優良誤認表示とみなされました。
参考リンク:株式会社エー・ピーカンパニーに対する景品表示法に基づく措置命令について(平成30年5月22日 消費者庁)
メニューには、地鶏を使用している料理とブロイラーを使用した料理が混在しており、メニューの全体的な印象から、誤認表示とみなされました。
「地鶏」メニューにブロイラー料理混在は優良誤認表示
【対象料理】
- 1)「宮崎県日南市塚田農場」及び「宮崎県日向市塚田農場」において提供する「塩つくね」「月見つくね」「チキン南蛮」と称する料理
- 2)「鹿児島県霧島市塚田農場」において提供する「塩つくね」「月見つくね」「チキン南蛮」と称する料理
- 3)「宮崎県日南市じとっこ組合」、「宮崎県日向市じとっこ組合」、「~宮崎日南幻の地鶏焼~じとっこ」において提供する「チキン南蛮」「椎茸つくね南蛮」と称する料理
【表示媒体】
メニュー
【表示期間】
- 1)および2)平成29年4月17日から同年8月22日まで
- 3)平成28年9月1日から平成29年9月3日まで
【違反内容】
表示
例えば、1)のメニューの表紙に「地鶏一筋」と記載した印影を掲載し、2及び3ページに「地鶏は野生の旨味」「限られた農家しか生産が許されないみやざき地頭鶏(じとっこ)」等と記載。「みやざき地頭鶏」の写真、流通過程を示した図を掲載した上で、「ブロイラー」を使用した「塩つくね」および「月見つくね」を8ページに、「チキン南蛮」を9ページに記載。あたかも、地鶏を使用しているかのように示す表示をしていた。
実際
ブロイラーや地鶏ではない親鶏等を使用していた。
【表示例1】
1)「宮崎県日南市塚田農場」及び「宮崎県日向市塚田農場」において提供する「塩つくね」「月見つくね」「チキン南蛮」や「地鶏一筋」と記載した印影
【表示例2】
2)「地鶏は野生の旨味」「在来鶏の血統「地鶏」はほんの一部」「限られた農家しか生産が許されないみやざき地頭鶏(じとっこ)」、「みやざき地頭鶏」の写真、流通過程を示した図
【表示例3】
「ブロイラー」を使用した「塩つくね」および「月見つくね」「チキン南蛮」
一般消費者が受ける印象・認識と実際の内容の徹底した整合性が必要
同社は本件に対する「お知らせとお詫び」において、再発防止策と払い戻しの具体策を発表しています。
再発防止策
- 1)誤解が生じないメニュー表記の徹底:メニューブック、店内表示物、オンライン表示物等にて明確に表現することを徹底。併せて、お客様窓口を開設し、お客様の店舗外での疑問に回答できる体制を構築する。
- 2)役職員向けの周知・研修
- 3)メニューなどの制作物のチェックの徹底
- 4)経営レベルでの再発防止体制を構築
払い戻し
メニューに不適切な表記があった期間中に対象商品を購入した顧客に対し、レシートを持っている場合は全額を払い戻しする。持っていない場合は食事券(1品700円、2品以上は一律1,400円)を提供する。
参考リンク:弊社運営飲食店のメニュー表記に対する消費者庁の措置命令についてのお知らせとお詫び(株式会社エー・ピーカンパニー HP 2018/5/22)
景表法では、一般消費者が広告表記から受ける印象・認識と実際の内容が食い違わない=優良誤認を起こさない、ということがポイントとなります。
関連会社を含め、同社が提示した再発防止策の徹底が求められます。