【日本の現状】一億総中流社会=>格差社会=>階級社会へ

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階級社会へ向かう日本

こんにちは島倉です。

今回は、「一億総中流社会から格差社会、そして階級社会へ突き進む日本」というテーマで解説をしたいと思います。

2000年代に入って格差社会になって、格差社会が階級社会になってたという話ですが、この話のベースは早稲田大学の橋本健二教授が書かれた「アンダークラス ─新たな下層階級の出現」というちくま新書に書かれているものをベースにしています。

アンダークラスという新たな下層階級

橋本教授は、一億総中流社会から格差社会になって、今は階級社会になったという説明をして、特にアンダークラスに注目しています。

アンダークラスとは何かというと、パートで働いている主婦を除いた非正規雇用の人たちで、非正規雇用の仕事を本業にして、生活をした受ける方をアンダークラスと名付けています。

このアンダークラスの人たちの年収は平均186万円で、貧困率が38.7%ですから、もう生活保護の方がいいのではないかというくらい厳しい生活をしています。

橋本教授もこのアンダークラスの人たちの人数が少なければ、それほど注目していないと思うのですが、分析したところ933万人もいて、2025年には確実に1000万を突破すると言っています。

アンダークラス1000万人時代に

アンダークラスがこの本のテーマなのですが、さらにこの下にいわゆるニート、無業者が283万人いると言われています。

1億4000万の人口の中で1000万人以上の人がアンダークラスで、この状態を放っておくと、社会保険の費用が増大し、社会が不安定になり、犯罪が増えるので、なんとかしなければいけないというのが橋本先生の忠告です。

5つの階級社会

それには現在の階級社会をなんとかしないといけないのですが、今どのような階級社会になっているのかというと、橋本教授は、

資本家層、新中間層、労働者葬、旧中間層、そしてアンダークラスの5つの階層に日本は分かれている。

と分析されています。

この下に本当はニート、無業者層が来るのですが、ここには入れていません。

資本家層というのは経営者や役員をしている人、新中間層は管理職、労働者は正規社員、旧中間層が自営業、その下にアンダークラスが930万人、さらに無業者が283万人いると言っています。

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橋本教授のアンダークラスを救う提言

この階級社会を解消して、アンダークラスの人たちを助けるにはどうしたらいいのかということも橋本教授は著書の中で提言しています。

最低賃金の引き上げ

例えば、最低賃金の引き上げ1,500円ぐらいまで引き上げれば、最低賃金で働いたとしても、大学初任給の年収ぐらいにはなるので、いいのではないかということです。

所得配分する

または累進課税を強化したり、相続税を引き上げたりして所得配分をしっかりしていけばアンダークラスも助けられるのではないかというようなことも提言されています。

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この提言はうまくいくのか

しかし私はこの提言についてはどうかと思います。

最低賃金1500円にするとアンダークラスは失業する恐れ

まず最低賃金を1,500円に引き上げると、確実にアンダークラスの人たちは職を失います。
なぜなら経営者から考えたら、1,500円は払えないので、法律で決めたら解雇せざるを得ません。

しかも今、人工知能やロボティックプロセスオートメーション(RPA)が進んでいるので、そちらを導入した方が絶対安く済みます。

ですからこの最低賃金を引き上げるという策はアンダークラスを苦しめるだけなのではないかと思います。

雇われないという生き方もあり

私自身も所得の再配分もやるべきだとは思います。

そもそも旧来の考え方には、会社というものがあって、会社に雇われなければいけないというその考え方自体が間違っているのではないかと思います。

就職や転職の考え方が古いので、就職にこだわらず、もっと自分が好きなことをして、発信をしていくことによってビジネスを立ち上げればいいと思います。

雇われなくても食べていく力を身に付けることが大事で、就職しなければ一人前じゃないという社会の考え方をなくしていくということが大事です。

一番端的なのはユーチューバーです。
ユーチューバーは誰でもなれるし、発信さえすれば広告収入が入ってくるわけです。
Youtubeで動画を出すことによって食べている20代30代の方もいます。

他にもブログで自分の好きなことを発信していきながらアフィリエイトで稼いだり、アドセンス広告で稼ぐという方もたくさんいます。

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働き方の概念を変える

働き方が全然変わってきましたし、今後数年、数十年間で消えていく職業がたくさんあるという研究も出ています。

消えていく職業がある一方で、新たに誕生するビジネスや生き方、職業もあるわけです。

雇われなくても食べていける働き方

そういうことを模索していくということが大事で、何が何でも就職しなければいけないという考え方を既存の会社でそもそも吸収できなくなります。

RPAや人工知能で人がいらなくなっている時代に、今は労働者を守る権利や法律がどんどん強化されているので、会社が正社員の人を雇うことができなくなってきている状況なのです。

アンダークラスの人や非正規の人を守れば守ろうとするほど、会社がおかしくなっていくし、アンダークラスの立場を悪くする一方だと思います。

これからは、旧来の概念をぶち破って、雇われなくても食べていける新しい働き方を教えてあげるだけでもずいぶん違うのではないかと思います。

所得の再配分だけではうまくいかない

もちろん所得の再配分の仕組みも必要です。
明らかに不公平な階級社会になりつつあるので、この階級社会は打破しなければいけません。

ただそれだけをやってもうまくはいかないということです。

これが私が橋本教授の本を読んだ感想ですが、昔の一億総中流社会から格差社会そして階級社会に変わっているのは間違いありません。

階級社会の打破だけではうまくいかない

給料が下がっているのは日本だけです。

格差社会を放っておいたばかりに、こんな階級社会になってしまったという状況ですから、なんとかこの格差社会、階級社会を打破しなければいけません。
そのためにはやはり新しい生き方を社会全体で認めるべきだし、旧来の就職、転職することだけが全てえはないということを理解するのが大事ではないかと思いました。

橋本教授の「アンダークラス ─新たな下層階級の出現」は非常に面白いので、ぜひ読んでいただきたいと思います。

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島倉大輔

有名人気企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」を信条に、コンサルティングを開始。全国延べ1,700社以上の会社や個人を支援し、各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。現在、全国の経営者や起業家を支援するために、日々コンサルティングに奔走している。「行動すれば人生は変わる」が信条。また、トレーダーとしても活躍。資産1億円超えのトレーダーを7名輩出した実績を持つ。

朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載も多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

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