佐野SAから紐解く”現代社会における労使関係”の諸問題とは?

時事

こんにちは!
あおば会計コンサルティングのタナカキミアキです。

今回は”無職のユーチューバーの立場”から佐野サービスエリア(SA)問題を紐解いてみたいと思います。

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佐野サービスエリア(SA)の労使間問題

労使関係というのは夫婦げんかみたいなもので、どこの会社にも多少はあるものです。

その夫婦喧嘩を、佐野SAが社会問題にしていこうという作戦なのですが、私にとってはその作戦が非常に幼稚な感じがします。

私は、労働者の立場も経営者の立場も10年以上あるので、どちらの言い分もわかります。

経営者の気持ちと労働者の気持ちの食い違い

経営者というのは、労働者であった時期があるので、労働者の気持ちも分かるという方が結構います。

ところが労働者は、自分でリスクを背負って給料を払ったという経営者側の経験はほとんどの人がないので、必ず食い違いができてしまい、夫婦喧嘩のようなお互いの言い分で衝突します。

従業員側の「儲かっている」という感覚

従業員の感覚での儲かっているというものは本当に当てにしない方がいいということです。

従業員からすると、自分たちがお金を稼いだのに、経営陣が勝手に散財をしたという言い分です。

佐野SAの問題も、親会社の建設会社の経営が怪しくなって、そちらにお金をどんどん持っていくから、銀行の取引悪化にしても全て親会社が悪いということになっています。

これは、商売をやったことがない人なのでそう見えてしまうのです。

自分たちは何も悪くないというのが典型的な労働者の考え方です。

労働者は、そもそも商売がどうやって成り立ったのか、どうやって維持してきたのかというビジネスモデルと、それまでの経営陣の努力というものを一切関係なく判断します。

長く働いている人には、実は「社長たちもそこまで悪くないよ」という人もいると思います。

多少の不満はあったけれど、ここで雇ってもらえたし、もう歳だから放り出されたら行くところもなく、変にことを荒立ててもらうのも困ると言う人たちも、結局は仲間内に入れられてしまいます。

従業員が経営者の大変さを考えないのは、子供が親の身になって考えないのと同じ話
「親にならないと『親の身になって考えてみろ!』と子供に言っても、まず分からない。」親になった人はよく理解できる言葉かもしれません。従業員に幾ら「経営者の身になって考えろ」と言っても、「全員が経営者だ!」と訴えても、なかなか理解してもらえない点は親と子供の関係と同じです。経営経験の有無はそれくらい大きな差を両者に与えるものです。

正義というのは人それぞれ

正義というのは人それぞれで、経営者たちがどれだけ雇用を守ってきたかということは”正義が違う人”にとってはどうでもいいことです。

今の経営状態を見て、法律違反もやっているし、労働者を過酷なところに追い込んでいるじゃないか、従業員は常に正しいという感じで減点主義で全てを考えます。

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経営会者は原点主義で見られる

ここが大事です。

経営者になると、自分たちは常に減点主義で考えられると思ってください。

今や正社員を雇うということは凄まじくリスクがあります。

従業員は法律で守られている

本当に手が足りないからと作業員を正社員として雇うと大変なこともあります。

先ほどお話したように、”さまざまな正義”があるうえに従業員は法律で守られているのです。

経営者ときちんと分かり合えるだけの能力が必要ですが、そのような従業員はいますか?

今回のケースで言うと総務部長とは到底思えないような能力です。

会社全体やグループ全体を見ていなくて、自分たちの現場のエアコンが壊れているからどうにかしてほしいといった程度の話です。

現金商売であるにもかかわらず、なぜ納入業者が納入を止めたのかもわからないのです。

結局はその能力が足りない人が、自分たちの現場しか見なくて、小さな自分の正義でここは立ち上がるしかないという感じで作戦もなく奇襲をしかけたのです。

奇襲攻撃というのは人間関係のなかでやってはいけないもので、奇襲攻撃をするにはそれなりの覚悟がなければいけません。

従業員はいつでも辞める権利があります。

その辞める権利を行使せずに、なぜ軍団を組んで資金繰りに困っているところを追い込んだり社会問題のようにしたのか。

従業員は辞めたら他に行くところがないので「経営陣が悪い」と戦うのです。

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無責任なネットとテレビのコメンテーターの悪影響

そして、無責任なネットの意見と、テレビのコメンテーターが自分たちの本当の味方だと勘違いし、「これだけの味方がいるから自分たちはゴネれば勝てる」と思うところが戦略上の最大のミスなのです。

決戦で奇襲を掛けるということは相手も必死に反撃してくるということを知りません。

行き場のなくなる従業員側

自分たちの味方は無責任なネットの意見とテレビのコメンテーターであると信じると、能力のない人間は「私たちはハラスメントにあっていて、こんなに大変な目にあっている」と言うしかありません。

しかし、味方につくのは無責任なネットの意見ですから、最終的にはこんなはずではなかったということになります。

正直に言えば従業員というのは働きやすい職場と安定した収入が一番なのです。経営者はこのことを理解し与えてあげればいいのです。

しかし、労働組合は「世の中のブラック企業を倒すために私たちは活動している」と問題のすり替えをしているのです。

佐野SA問題はどのような敗戦処理をするか

この佐野SAの問題は、どのような敗戦処理をするのかに非常に注目しています。

その敗戦処理の仕方によって、本当の頭の良さというものが出るのではないかと私は注目しています。

皆さんもしっかりとこの問題の行方を見てみましょう。

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 志あるリーダーとして能力のある従業員を叱って伸ばす!闘将星野監督のように、未だにそう考えている社長さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、平成が終わりを告げようとする今、法律的に見ると、そのような考え方の元で、従業員を育てようとするのは明確に「クロ」です。人を雇うことはそれくらいリスキーな時代にあることを私達は認識する必要があります。
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

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日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
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簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
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