最低賃金引き上げで中小企業大倒産祭り!?【苦しむのは非正規や貧困層です】

時事

こんにちは!
島倉です。

少し茶化したタイトルをつけましたが、コンサルで地方に結構出張したりしても特に地方にはいい話はなく、その元凶となっているのが最低賃金引き上げだということを解説したいと思います。

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最低賃金引き上げが反対に非正規や貧困層を苦しめる

東京都の最低賃金が1000円超えに

2019年10月に消費増税の方ばかり注目されていたんですが、実は最低賃金が3%引き上げられたことによって、東京都は最低時給が1,013円、青森県や鹿児島県のようなところでは790円に最低賃金が引き上げられました。

最低賃金というのは当然企業が絶対に守らなければいけないものでこれを無視して労働契約を結んだりすると厳しく処罰されるというものです。

最低賃金1500円時代に

政府としては数年先には全国一律1000円に、共産党や一部の野党は1500円にしようという動きがありますが、1500円という数字はかなり妥当な数字なのです。

今、非正規で働いている人の最低賃金を1500円にすると、だいたい新卒の学生が初任給でもらう額とほぼ同じになります。

今はそれよりも随分下の給料しかもらえていないので、非正規や貧困層は困っているわけです。

最低賃金を1500円にすれば、確かにその人たちの生活が豊かになりますし、大卒の新卒の初任給レベルになれば、生活も安定していくだろうということで1500円という数字をおそらくあげているのではないかと思います。

最低賃金引き上げで苦しむ中小企業

1500円にすること自体を否定するつもりはありませんが、現実は厳しくて、たった3%最低賃金を引き上げただけでも、中小企業はかなり苦しい状態で、人件費が高騰して追い込まれているような状態になっているということです。

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最低賃金を引き上げる理由はデフレ政策失敗のため

なぜ最低賃金を引き上げようとしているのかというと、安倍政権のデフレ政策がうまくいっていないことに原因があるわけです。

デフレ政策とは

デフレ政策というのはまず物価を上げます。
そして物価が上がれば、商品やサービスの価格が上がります。
そうすると企業が儲かって、賃金が上がります。
賃金が上がれば消費に回るので、経済が回っていくということです。

デフレ政策は物価を上げなければいけないということをやっているわけです。

デフレ政策でも賃金があがらない失敗

今のデフレ政策はどんな状態かというと、大企業は儲かってはいますが、賃金が上がっているのかというと上がっていません。

儲けが全て内部留保に回されて結局賃金が上がってないので、消費にも回っていないというのが今の状態です。

政府としてはとにかく賃金を上げないといけないということで、最低賃金の引き上げという政策を始めたというわけです。

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最低賃金の引き上げは非正規や貧困層のためにならない

一見すると最低賃金の引き上げは非正規や貧困層のためというイメージがあります。

しかし、なぜこれが最低の政策かというと、その人たちのためにならないからです。

最低賃金を引き上げると、対象者には非正規や貧困層の方がいますが、一方主婦や学生さんもいます。

最低賃金の引き上げは誰にメリットがあるのか

何か政府がやるというときには、誰かにメリットがあるということが前提になっています。

ということは、誰のためのメリットかをまず注目することが大事で、さらにその言いだしっぺが誰なのかに注目することです。

大手企業には最低賃金で働いているような人はいない

最低賃金を引き上げの言い出しっぺは、経団連などの経済団体です。

しかし、よく考えてみると、大企業は最低賃金引き上げには関係ありません。
なぜなら、最低賃金で働いている大手社員はいないからです。

最低賃金引き上げの恩恵を受けるのは、非正規や貧困層ではなく、主婦や学生

それではなぜ大手の人たちが言い出したかというと、サラリーマン家庭の主婦や学生にメリットをもたらすためです。

最低賃金を引き上げたことで、中小企業では人件費が高騰して困っているので、リストラしたいとなった時に、非正規の人たちは生活保護に行くしかありません。

旦那さんやお父さんが大手企業で給料をもらってきている主婦や学生にとっては、生活が若干苦しくなるだけなので、結局旨味があるのはサラリーマン家庭の主婦と学生であって、本当に困っている非正規、貧困層のためではないということです。

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地方の中小企業の倒産は地方の雇用の安定が崩れる

地方の中小企業は、その地域の雇用安定化の基盤となっています。

その地域の人たちの雇用を安定化させて、そこで消費が回るといったひとつのコミュニティを形成しているわけです。

そのコミュニティが人件費を上げることによって崩れていくと、特に地方の非正規、貧困層の人たちは大変だと思います。

地方の大手企業ではリストラがはじまっている

今年4月に大手では早期退職を勧奨しています。

リストラすると宣告して、この年末になって、次々と地方の大手企業がリストラをしています。

今は働き盛りの40代、50代の人たちがリストラされているような状態です。

そのような状況で地方の経済がよくなるわけがありません。

この経済対策は、一見非正規や貧困層に向けて言っているように見えますが、全くそうではないのが実態です。

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最低賃金の引き上げで失業者が増えた韓国

実際に最低賃金を引き上げて失敗している国が、お隣の韓国です。

韓国は文大統領になって、最低賃金を日本円の890円にまで引き上げたのですが、大失敗しています。

最低賃金の引き上げで100万の自営業者が廃業

廃業した自営業者が過去5年で最悪の100万人です。

韓国は自営業者がものすごく多く、全勤労者に対する割合の25%です。

日本は10%ですから、韓国は自営業者が多いのに、その自営業者が100万人も失業して、廃業しています。

韓国の求人も減少、失業給付支給額は過去最高に。

失業者への求人案件が60万件あったのが、9万件台まで下がっていて、その9万件でさえ賃金が低いので、今年から失業給付支給額が過去最高ということです。

韓国は最低賃金を引き上げたことで、一気に経済は悪くなっています。

もちろん日韓関係の悪化によって経済が悪化した部分もありますが、それは大企業が打撃を受けている話です。

しかし、最低賃金の引き上げは大企業に勤めていない自営業や非正規関係、貧困層といった人たちが打撃を受けています。

韓国が見事に失敗した社会実験をしていると受け取ればいいわけです。

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大手企業寄りの日本の政治家

日本の政治家はそろって、最低賃金を引き上げれば何とかなると言っていますが、結局今まで努力してきた中小企業からお金を引き剥がして、大手についてあげようというようにしか私には見えません。

最低賃金を引き上げて99.7%の中小企業を潰していいのか

しかし99.7%は中小企業です。

その中小企業を本当に潰して日本は持つのかというところは頭が痛いところです。

東京に住みながら、年々地方の経済が悪化していることを目の当たりにしている中で、本当にこんな政策をやっていいのかということを紹介しました。

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人件費の高騰で地方が疲弊している

人件費の高騰は口で言うのは簡単ですが、人件費が高騰しても、なんとか商品の価格に転嫁しないように頑張っているわけです。

日本では特に地方が疲弊していて厳しい状態にあります。

非正規や貧困層のための別の対策が必要

この政策は一見非正規の方向けになっていますが、全然その人達のためにならないので、もっと別の効果的な対策を考えないと今の韓国のように皆共倒れになってしまいます。

そのことを警告するために紹介させていただきました。

最低賃金引き上げで日本各地で中小企業大倒産祭りが発生!
時事節約
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島倉大輔

有名人気企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」を信条に、コンサルティングを開始。全国延べ1,700社以上の会社や個人を支援し、各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。現在、全国の経営者や起業家を支援するために、日々コンサルティングに奔走している。「行動すれば人生は変わる」が信条。また、トレーダーとしても活躍。資産1億円超えのトレーダーを7名輩出した実績を持つ。

朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載も多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

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