日本人は「和をもって尊しとなす」よろしく、商売においても、「お客様はみんな平等」「みんな同じように扱うのが良い商売人」と考える傾向があります。しかし近年、顧客別にサービスを差別する「えこひいきマーケティング」を取り入れて成功する企業が増えています。いきなりステーキはその代表例と言えるでしょう。彼らのえこひいきが成功した2つの理由をご紹介します。
えこひいきマーケティングにより活路を拓け
今日は、「えこひいきマーケティングのススメ」というテーマでお送りいたします。
言葉の通りで、特定の人を優遇することを、「えこひいき」と言うわけですが、日本人はなかなかえこひいきが出来ません。
なぜかというと、歴史や文化の背景に、「和をもって尊しとなす」という価値観がありまして、みんな平等、みんな同じように扱う、という考え方が良いものだというところから抜けにくいのはあるかもしれません。
ただ、えこひいきって商売において凄く重要ですから、「えこひいきしまくろう」というのが本日のお話です。
えこひいきマーケティングの手法はいくつかあるんですが、代表的なものを2つご紹介しましょう。
えこひいきマーケティング1:特定のお客様を優遇する
1つ目は、「特定のお客様を優遇する」です。
このやり方の代表例は、「学生割」です。
携帯電話でも、飲食店でも、学生さんは◯割引〜、というサービスを打ち出しているのを、そこかしこで見かけますが、あれはえこひいきマーケティングです。
ただし、エリアが決められている場所や、小さな市場を狙って特定の客を優遇するなら、もう一歩絞り込まないと響かないんです。
たとえば、「◯◯大学に通っている方」「◯◯町にお住まいの方」「◯◯を使用されている方」といった具合にです。
なぜ、このように絞り込むかというと、ウリ文句やキャッチコピーを見る人に、「あっ、自分のことだ」と思い込んでもらわないといけないからです。
結婚相談所だったら、「東京都庁にお勤めの30代独身男性の皆様へ」とか、「三◯商事にお勤めの皆様を〜な女性たちが待っています」というふうに絞り込むのはとても有効です。
えこひいきマーケティング2:ランクアップ制度を導入する⇒肉マイレージ制度が成功した2つの理由
これも最近やる企業が増えていますけれど、購入金額や購入回数、来店頻度に応じたランクアップ制度によって、特定のお客様をえこひいきする手法があります。
これで大成功している一例が、いきなりステーキの「肉マイレージ」制度です。
彼らがランクアップ制度を導入して成功した理由は2つです。
1つ目のランクアップ制度を機能させるポイントは、お客様のランクアップが実現する毎に、お客様の特典もランクアップすることです。
肉マイレージカードには、一般、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドと4つのカードがあって、カードのランクが上がっていく毎に優越感を感じるサービスとなっています。
たとえば、ゴールドカードだとソフトドリンクが来店毎に一杯無料なんですが、プラチナカードだとアルコール類まで来店毎に一杯無料になります。
カード見せたら、「プラチナ会員様ですね。いつもありがとうございます。」って周りもいる中で言われたら、ちょっと嬉しいですよね。
彼らが成功した理由、2つ目のポイントは男性客にターゲットを絞ったことです。
男性って基本的に競争本能があるので、他者よりも自分が勝っていると感じたい生き物ですよね。そこを上手く、航空会社のマイレージ制度をパクって、訴求したのが2つ目の成功要因です。
人に自分がどれだけ肉を食べたか知ってもらいたい、これだけ肉を食べられる強い男なんだアピールがしたい世の中の男性のハートをガッチリとわしづかみしたわけです。フェイスブックとかで、プラチナとかダイヤモンドの肉マイレージカードをUPしている男性ってよくいますよね。見事にタダで彼らが宣伝してくれるわけですから、笑いが止まりませんよね。
えこひいきマーケティングの手段は色々ありますけれども、一度やりだすと、
- 自分達の望む属性の顧客を新規で呼び寄せられる
- 特定の顧客層がヘビーユーザーになってくれる
という大きな利点があります。
「お客様は皆が神様」ではなくて、熱烈なファンを作るためにえこひいきするのもありなんだってことで、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?