本場仕入れの食材と有名シェフを揃えたイタリアンレストランが数ヶ月で潰れたワケ

マーケティング
スポンサーリンク

 戦いの最前線にあって、刀の達人だからといって、刀にこだわって鉄砲を持つ相手部隊に飛び込むバカな人はいないでしょう。しかし、ことビジネスに及ぶと、信じられないことに、独りよがりなこだわりを捨てられないがゆえに、多くの経営者が撤退戦を強いられています。こだわりを否定する必要はありませんが、こだわりはお客様のニーズあってこそ生きるものです。事例と共に説明いたします。

鉄砲の時代に刀で斬りかかる無能な10人部隊長

 いきなり極端な話をしますが、ある日突然、隣国が日本に戦争を仕掛けてきました。

 10人の部隊をまとめる部隊長がいたとして、彼は最前線で敵に攻撃をしかけねばならない立場だったとします。

 この時、部隊長が、「日本人たるもの、侍の精神をもって、1対1の刀による勝負にこだわるべきだ。」なんてことを言ったら、あなたはどう感じますか?

 言わずもがなですが、今の時代に刀で斬りかかるなんて笑止千万甚だしいことですよね。

 敵も手段を選びませんから、ヤーっ!とあなたの部隊が刀で斬りかかった瞬間、敵は十字射撃で滅多打ちしてきます。

 ものの数秒で部隊が崩壊するのは、容易に想像がつくことでしょう。

 部隊長はもしかすると、刀の達人かもしれません。だから、彼が居合い斬りの試合で刀を選択するならオッケーなんです。

 とことんこだわったら良い。

 しかし、生死を賭けた戦争の最前線で、刀で戦うというこだわりを捨てられないゆえに、部隊を全滅させ、多分自らも命を落としてしまうのです。

 「その部隊長、マジでばかだなー!てか、絶対そんな人間、今の時代にいないよ。」と皆さんも思われるかもしれません。

 ところが、いざビジネスの世界となると、このヘンなこだわりを持った部隊長のような経営者が山のようにいるのです。

とことんこだわるイタリアンはなぜ数ヶ月で潰れたか?

 数年前の話ですが、講演会に招かれた時、ある飲食店オーナーから経営について相談を受ける機会がありました。

 オーナーの話によると、そのお店は、

  • 本場イタリアで5年近く修行した本格派のイタリア料理のシェフがオーナーである
  • ほとんどの食材はイタリアから直接仕入れで、食材には徹底してこだわっている
  • お店もナポリ風のおしゃれな作りで投資額もそれなりに大きい

 という概要でした。

 本場イタリアの料理を“そのまま提供したい”ということで、現地の食材、調理法、店舗デザインなど、全部にこだわっていました。

 ただし、ヒアリングの中で、私はある1つの点が気がかりとなり、これではヤバいと感じました。

 というのも、お客のアンケートや周辺にあるお店の様子を伺うと、明らかにその地域では、本場イタリア料理の味が求められていなかったのです。

 どちらかというと、日本人にあった形でアレンジしたイタリア料理で、凝ったものではなく子供でも食べられる味付けが求められていました。

 また、気軽にひとりでも入店できる雰囲気が求められているエリアでした。

 なので、絶対にこだわりを捨てるべきだと思い、「今のやり方ではお客は来ないので、とにかくこだわりを全部捨てた方が良い。」ということをお伝えしました。

 それに対するオーナーの反応は、「お前ごときに俺のこだわりが理解できるか」と、残念そうな表情だったのを覚えています。

 さて、後日聞いた話によると、そのお店はものの数ヶ月で廃業したとのことでした。

ビジネスで独りよがりなこだわりは必要ない

 こだわりを持つことはビジネスをプラスに働かせます。

 ただし、私達はこだわりを、ある日、突然捨てることも「善し」としてビジネスへ挑むべきでもあります。

 こだわりに囚われることにより、視野が狭くなって判断を誤り、結果として大きな痛手を受けたり、大切なタイミングを見落としてしまうケースがあるからです。

 先程のオーナーの例で考えてみても、彼は本場イタリア料理へのこだわりが強すぎて、冷静さを失い、客観的にものを見ることができなくなってしまったんです。

 このように、こだわるということはビジネスの特長を際立たせる効果がある一方で、ビジネスがうまくいかなくなる要因にもなります。

 ならば、どうすれば良いの?という質問に対する答えは簡単です。

 こだわりを持つことは全く構いませんが、そのこだわりがお客様に求められているものか、お客様に一度確認してみましょう。

 お客様が求めているものと、自分のこだわりが合致すれば、とてつもなく売れるでしょうが、お客が求めているものと自分のこだわりが合わなければ、むしろ拒否されてオシマイだからです。

 つまり、ビジネスにおける「こだわり」は、独りよがりなものではダメなのです。

 特に、飲食店とか雑貨店、ファッション系のビジネスをされている方はこだわりの強い方が多いですが、独りよがりのこだわりゆえに、売上を上げられていない人が沢山います。

 ぜひ、自分のこだわりが独りよがりになっていないか、お客様に一度聞いてみるのはいかがでしょう?

マーケティング
スポンサーリンク
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
島倉大輔

1974年生まれ。筑波大学大学院経営・政策科学研究科修士課程修了 MBA。さらに、博士課程に進学して、博士号取得。博士号取得後、外資系・国内独立系コンサルティング会社を経て、株式会社マーキュリーコンサルティングを設立。

経営コンサルタント業界の異端児として、全国延べ1600社以上の会社やひとりビジネスを支援する。また、財団法人埼玉県中小企業振興公社をはじめ、各都道府県中小企業振興支援センターの専門家として、中小零細企業の経営支援や独立・創業支援をする傍ら、全国の大学、商工会議所、商工会、青年会議所、金融機関などの主催による講演会の講師として活躍し、あらゆる業界で勝ち組企業や成功者を生み出している。更にトップアフィリエイターとしても活躍。キャンペーンの報酬ランキングに常に上位ランキングしている実績を持つ。現在、年収1億円起業家を輩出するため、日々コンサルティングに奔走している。

朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載も多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

個別コンサルティングお申込みは、こちらから

完全放置アフィリエイト塾お申込みは、こちらから

パーフェクトマインド口座お申込みは、こちらから

島倉大輔をフォローする
節約社長