「人は城、人は石垣、人は堀。」この言葉は今も普遍的に変わらぬ価値を持つものであり、人が企業の根本的な価値を作るゆえ、人件費に大きなお金が動くのは至極当然の話です。従って、税務調査においても調査官は、人件費を重要チェックポイントとして注視します。特に普段提出を求められない2種類の書類を提出するよう言われた時は注意が必要です。
税務調査で重要チェックポイントとなる人件費
企業で一番お金のかかるもの、それは人件費です。
武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀。」という言葉は今も普遍的に変わらぬ価値を持つものであり、人が企業の根本的な価値を作るゆえ、人件費に大きなお金が動くのは至極当然の話です。
話は変わり、税務調査においても調査官は、人件費を重要チェックポイントとして注視します。
売上、原価のチェックが終わると、一般的には、“人件費”へのツッコミが入るのが、税務調査の恒例行事です。
売上と原価にどんなチェックが入るかは、以前寄稿した記事をご参照いただければと思います。
参考1:税務署さんいらっしゃ~い☆売上で脱税を疑われるケースはこの3つだ!
参考2:税務署さんいらっしゃ~い☆原価計上で脱税を疑われるケースはこの4つだ!
本稿では、人件費について調査官がどのようなことを確認しているのかご紹介しましょう。
2つの書類をチェックされたら人件費のちょろまかしを疑われていると思え!
まず、調査官が確認する基本書類は、以下にあげるものです。
- 1)給与台帳
- 2)源泉徴収簿(通称“一人別”と言われます)
- 3)タイムカード
- 4)年末調整資料(扶養控除申告書など)
- 5)通帳
ここまでは、ある程度みなさんも予想される範囲だと思いますが、これ以外に2種類の証拠書類を調査官が提出するように言う時は、更に注意が必要です。
- ①履歴書
- ②座席表、内線番号メモ
これらにまでチェックを入れる時、調査官は、
- ・架空人件費を計上していないか?
- ・人件費を名目とした不自然な支払いはないか?
- ・賞与を退職金として処理して脱税してないか?
という疑いの目でチェックしているからです。
意図的ではなくとも人件費はミスが出やすい
- 履歴書が無いのに人件費を支払っている
- 特定の人に対して給料を現金支給している
- 他の従業員と支払う時期が違う従業員がいる
こういった事態は往々にして多くの企業で起こっています。
対応する担当者が明朗に説明できないと、たとえそれが真実であったとして、その場は認められても、他の項目で疑いの目をもってチェックされることになります。
また、出来る限り、一般の従業員の給与支払いについては、特別扱いを行わないことをお勧め致しますし、退職した人の履歴書も破棄せずに保管するのが賢明でしょう。