人口が減少し始め、新規顧客の獲得コストが上がっている今、トールゲートビジネス(会員制ビジネス)に注目したいところです。会員制ビジネスの良いところは、あらゆる業種業態に導入できることです。たとえば、町の魚屋さんであっても会員制ビジネスでガッチリ儲けているところがあります。どのように彼らが儲けているのか?島倉さんの解説です。
新規顧客の獲得が難しい時代にお勧め〜会員制ビジネス
今、新規客獲得がとても難しい時代になっています。
人口が減って市場が縮小しているうえに、新規獲得にかける1人(1社)あたり単価も高くなっているからです。
そこで注目したいのが、トールゲートビジネスです。
トールゲートとは有料道路等の料金所のことを言います。有料道路を使う人がゲートを通る度に、ずっと課金されますよね。
頻度はバラバラですが、その道路を使う時は必ず課金されますから、わかりやすく言うと会員制ビジネスです。
それで、会員制ビジネス導入が私のコンサル先で結構な確立で当たっていまして、これからの時代における有効手段の1つだと感じている次第です。
町の小さな魚屋さんが手がける会員制ビジネス
会員制ビジネスの良いところは、インターネットビジネスなんかはもちろんですが、色んな業種業態で導入できるところです。
たとえば、町の魚屋さんだって会員制ビジネスでガッチリ儲けられます。
この町の魚屋さんというのが今回の主人公で、私がコンサルティングを手がけている会社さんです。
この魚屋さんは、元々は町のどこにでもある魚屋さんだったのですが、会員制ビジネスを導入することで、新規客獲得のコストを減らし、リピーターを生むことに成功しています。
まず、彼らはある段階で、主要顧客を飲食店に切り替えました。しかも、新規にお店を開く飲食店さんにターゲットを絞ります。
というのも、新規の飲食店さんというのは、信用もまだ少ないですから、仕入先が不安定なお店が多いので、取引にも前向きに望んでくれる、こちらを頼ってくれることが多いからです。
そのうえで、この魚屋さんでは、
- 魚の種類指定は不可能
- だけどその日に一番良い魚を定期便で運ぶ
という会員制度を設けました。
これが、嫌がられるどころか、むしろ喜ばれます。
というのも、小さな飲食店には個性が必要ですし、更に出す料理の原材料も品質が良いことを顧客から求められます。
自分でいちいち目利きをする作業を魚屋さんにアウトソースしたうえで、店の運営に集中できる、しかも料理で出す魚の品質は抜群ということで、飲食店にとってメリットの大きなサービスだったのです。
彼らは更に、この会員制度のメリットとしてポイントを設け、一定の金額まで購入した飲食店に対して、値引きサービスやプレミアムな魚をプレゼントするサービスを付けました。
見た感じは、町のどこにでもある魚屋さんですが、そこは今、ガッチリと儲かっています。
会員制ビジネスはサービスが良ければ新規顧客の獲得コストも減らせる
会員制ビジネスには良いところがもう1つありまして、良いサービスを提供していれば、リピーターが生まれるのはもちろん、新規顧客の獲得コストも下がりやすいんですね。
飲食店のオーナー同士というのはライバル関係にあるのですが、同時に情報交換をする戦場の友のような関係でもあります。
仕事が終わってからお互いのお店を行き来したりして、「ここから仕入れると良いよ」みたいな話になるわけです。
そうすると、必ず今回の魚屋さんの話が出てきて、そんなサービスしてくれる取引先なんてないですから、「あっ、そこイイね!じゃあうちも紹介してくれない?」という具合に話が進んで、口コミで新規顧客の獲得につながっているんです。
今の時代、力任せの新規顧客ばかりに時間を割くのは、とても辛いことです。
今回の事例のように、会員制ビジネスは、サービスの品質が良ければ、新規客獲得のコストを減らし、リピーターを生むことに貢献する有効な手法の1つです。
できそうだと思ったら、ぜひ検討してみてくださいね。