売れないものは売らないのが中小企業にとって生き残りの大前提
今日は、売れないものは売らないようにしませんか、っていうテーマでお話します。
まぁ、実際に起業開業した多くの方は、実は売れないものを一生懸命売っているわけでございます。
傍から見たら、「これは売れんよ…」っていう商品・サービスを、本人たちは「これは絶対売れる!来る!」って信じて、それを提供しているわけなんですけれども。
やはり、どういう商売をするか、もう初めの時点で将来の生存率がほぼほぼ決まってしまいます。
ですから、商売を始めるまで、どんどん…本当に長い時間をかけて悩んじゃって良いんです。
サラリーマン時代と同じ商売へ安易に手を付けないほうが良い理由
商売を始める前はサラリーマンだったっていう方が多いんですが、そのサラリーマンの方が自分が会社をやろうとか、店をやろうとか何でも良いんですけれど、その時に自分が元々勤めていた会社と同じ業種で独立開業するのが9割方です。
ご自分の勤めていたところのノウハウを持ってきて、安易に商売を始めてしまうという形ですね。
ですからその時点で、もう何の商売やるかが決まっちゃう。自分が勤めていた会社と同じことをやるっていうことでね。
ところがその商売が、幾らやったって儲からない商売というのもあるわけです。
ですから、「何の商売をするのか」っていうのは、サラリーマン思考が抜けてしまってから考えるのが1番良いんですよ。
というのも、我々も実際に実務をやっていますけれども、サラリーマンをやっていた人は、給料をもらってたのが急に給料が入らなくなりますよね。
そういう、「サラリーマンの月給が入って来ない」っていうのを抜いて行くのに、半年位はかかるんです。
半年位経つと、だんだん 「給料って今までは当たり前のように毎月もらっていたんだどさ、給料が入って来ないって、これ大変なことだよな…」って気がつくようになるんです。
貯金もだんだん無くなっていきますから、「大変だ…」ってなるんです。
基本的な作戦が正しくてPDCAをグルグル回せていれば生き残れる
その時に何の商売をしたら良いんだろう?って考えると、意外と前に勤めていた会社とは何も関係の無いものを考えついたりします。
そして、「別のもので固定費がなるべくかからないような形の安全な商売って無いかな?」という感じで始めるほうが、基本的には生存率が上がっていくんです。
あとは、自分の優位性を生かしてやる商売とか、そういうものがやっぱり生き残っていくわけでございます。
サラリーマン思考を抜いている時に、ランチェスターの弱者の戦略が1番使いやすいんですが、実務には2つの柱があります。
- ランチェスターの弱者の戦略⇒基本的な作戦組み
- PDCAサイクル⇒普段の行動方針
この2つで基本的には作戦を組んでいきます。
“Plan・Do・Check・Action”をやっていれば、だいたいは上手くいくんです。
しっかりとそれを繰り返し、繰り返し努力していけば、ちゃんと1番が取れるっていう作戦です。
作戦自体はランチェスターの弱者の戦略の小さな世界で、「ちょっとここは敵が弱そうだぞ…」って、「ここら辺じゃあウチが結構有名になっていけるだろうな…」とか、努力で1番が取れるような商売を選ばないと結局は潰れちゃいます。
ところが、こういうことがなかなか出来ないんですね。
ここからは、相も変わらず売れないものを売ってる社長に共通する3つの傾向をご紹介しましょう。
売れないものを売っている社長の傾向1:何も勉強していないので無知
まず、一つ目ですけれど、何も勉強していない無知な人は、売れないものを売っている傾向が強いです。
だいたいですけど競合がたくさんいたり、代用品があったりとかね、これ失礼ですけれど、その商品・サービスそもそも必要無いよね?っていうものもあります(笑)
だって、それって誰も喜ばんもん〜っ!っていうやつね。
あたなはやりたいかもしれないけど、お客様は喜ばないよ、お金払わないよ!っていう、そういう風な商売もある。
結局、そういう売れないようなものを、皆が一生懸命売ろうとするわけです。
皆がそういう風な発想になるのは、スキルが不足していたり経験が不足していたり、あるいはただの世間知らず、まだ若いから〜みたいなね、そう思うじゃないですか?
ところが、我々実務に携わっている人間から言わせたら、スキル不足・経験不足・世間知らずっていうよりは、むしろ ただの「知らない」ってだけ。
無知なんです。
どこに行ったって商売なんか教えてくれないし、ましてや経営って何?マーケティングって何?!って、全く分からないんです。
ほとんどが知らないだけなんです。
知らないだけだから、わけの分からない商売を始めてしまうんです。
そして売れないものを、一生懸命「売ろう、売ろう!売ろう!!」としてしまうんです。
売れないものを売っている社長の傾向2:広告を何一つ打ってない
ところが、売れないものは売れないです。
自分たちの商品・サービスを告知するにしたって、99%の人は広告ひとつやらないです。
売れないものを売っている社長に見られる2つ目の傾向はこれです。
たまたま店を開いたからポスティングくらいはする。そんな程度。
だって、中小企業の半分はホームページすらも持っていないんです。
広告せずとも、なんかこう〜「やっていけるんじゃない?!」的なね。
たまたまサラリーマン辞めて商売始めるときに、仕事をもらったとかで仕事があったから、(この時点で下請けに完全に組み込まれてしまいますけどね)広告なんて考えたこともないし、元々勤めていた時に広告のことをよく学んでいなから分からないとかね。
広告を打たないで、タダで売ろうとするご都合主義。こういう考え方だから1年ももたずに潰れてしまうんです。
売れないものを売っている社長の傾向3:競争に勝ったことが無い
辛辣なことを言いますが、潰れやすい傾向がある人の典型的なパターンは、これまで競争に勝ったことが無い人、これははっきりあります。
こういう人は潰れやすい傾向にあります。
なぜなら、自分が負けていることにも気づかない状態を過ごしているからです。
この状態の人というのは、すごく説明しても説明しても、絶対に今の状態にしがみついて動きません。
競争で勝ったことがある人だったら、競争の勝ち方、ゲームに勝つにはこういう風にやらなきゃいけい、っていう説明がしやすいんです。
過去に勝ったことがありますからね。
けれど、勝ったことが無い人は、「何を言っているんだ??お前」って。
ですから、勝ったことが無くて、負けていることに気づかない人っていうのは、“頑張るしか無い”。
頑張るっていうのは何なのかっていったら、結局は中小企業の9割は“頑張る”なんです。
作戦を立てて、しっかりとまず作戦の上で勝って実践する。PDCAの実践は勝っていることの証明作業に過ぎないんです。
こういう考えで動かないから、売れないものを売っている。
そして、どうして売れないものなのか?っていうのを考えると、お客様の目線で、その商品・サービスを選んでいないんです。
自分が、「これ!これを売りたいんだ!」って…それ、あなたのご都合主義ですよね?
こうやって、世の中のほとんどの商売が、売れないものを売ろうとしているんです。
ですから商売が分かってくると、「売れないものは売れない!」ってことに気が付きます。
だから、相手が買ってくれるような、要するに売りやすいものを売って行った方が良いじゃないかって考えるようになります。
そのためには、いつだって顧客目線で商売を見ていかなきゃいけない。
ゲームには必ず勝ち方ってものがありますから、私達は皆、商売というゲームの勝ち方をしっかりと学んで行かなくてはいけません。