2千万円の借金が突然振ってきたとしたら?借金の原因は様々で、当初は悲しくてやりきれませんが、思い立った後は死に物狂いで事業を回し、一刻の猶予もなく返済期限に借金を返す、そんな日々が始まります。借金と対峙することは経営者にとって不運なのか?諸先輩達が同じ難題と直面した時どう考えたのか?キミアキ先生が解説します。
経営者やってりゃ借金2千万なんてよくある話
サラリーマンの方で、会社を辞めようか悩んでいる、自分で事業を立ち上げようか本当に悩んでらっしゃる、そんな方からたまに相談を受けます。
今日はその悩んでいることが、バカバカしくなるような事例をお話していこうかと思います。
一つあげるとしたら、そうですねぇ。
商売人には突然2千万円の借金が降ってくる、なんてことがあるんで、この話をしようと思います。
この程度のことは別に驚くべき事では無いですからね。
商売なんてやっていますと、2千万円くらいの借金を自分がかぶらないといけない、ということがあるんですね。
自分の経営判断のミスもあるし、従業員が下手をこく場合もありますしね。
それから、取引をしていた取引先が突然吹っ飛んでしまって、2千万円あった入金が一切無くなったとかね。
自分はまだ支払いがあるのに、そういうことが実際に起こるんですよ。
そんな状況で、たとえ入金が無いとしても、自分たちは支払いをしていかなくてはいけません。
毎月40万円を5年かけて返す日々がスタート
2千万円の借金の返済を考えた時に、タナカ講師の借入金返済講習というものがあります。
【500万円の借金で月々10万円の返済】という風に簡略的に考えるんです。
だいたい5年間で払うわけなんですけれども、そうすると2千万円は500万円の4倍ですから返済金も4倍です。
ですから、2千万円の借金を抱えると、月40万円の返済を60ヶ月続けていくことになります。
まぁ、支払開始までに猶予がもらえるとしても、せいぜい2〜3ヶ月ですよ。
あまりに突発的なことだっということで、仮に3ヶ月の猶予をもらったとして、じゃあその3ヶ月後からは、確実に月40万円の返済を続けていかなくてはいけません。
1日でも遅れると、”期限の利益の喪失”っていう形で一括返済になってしまいますから、確実に月40万円の返済をずっと続けていかなくてはいけないんです。
経営者になると、そういう形で、ずっとやっていかなくてはいけないこと(借金の返済)が、突然に降りかかるわけなんでございます。
借金のお陰で死に物狂いの高速PDCAを回す日々
それと比べて考えると、たかが会社を辞めるという決断は「決断」に当たるのでしょうか。
会社なんか辞めて、事業始めて、事業していたらね、突然!突然なんですよ?
2千万とか3千万とか、もしかしたら数億円のこともあるかもしれない。
自分の商売が大きくなれば、食らう損失も大きいですからね。
それを考えた時に、「会社を辞める」っていう事が決断でもヘッタクレでも無いくらい、そういう現実を受け入れないといけない時がやってくるんです。
3ヶ月後から月40万円の返済が増えるので、現金化しておかなくてはいけませんね。
だから売っただけでは駄目なんです。売ってしっかり資金も回収しなければいけません。
今の事業に、さらに毎月40万円がのしかかってくるんです。月の返済が増えるわけですから、返済を必死になって、ホント必死になって考えるんです。
必死で考えて早く行動しなくてはいけないから、そのために作戦をまた必死に考えて、行動します。
現金売りかなんかで、とりあえず現金回収できるものないか!って。まず現金が必要ですからね。
こんな事態になって初めて必死に考えるわけなんです。
サラリーマンのときに会社を辞めて事業を起こそうとか、事業を始めてからもぬる〜い感じでやっている段階って、実際は必死にならないし、なれないものです。
必死に考えて必死に行動するってあんまり無いんですよね。
ピンチは君を大きくするためにやってくる〜迷ってるなら飛び込もう。
では、突然2千万円くらいの焦げ付きが出てきたりとかして、自分が背負うことになったときに、それは幸運なのか不運なのかという話です。
普通は不運に見えますよね?
2千万円の借金を突然背負うことになったんですから。
でも、事業者によっては「それって幸運だよね」って見る人もいます。
「それがあって君自身が変われるし、それを返し終わった時に、君がまた大きくなっているんだ」って、励ましてくれる方がいるんです。
私自身も商売人にとって、突然襲ってくる借金のようなピンチがあったとしたら、それは幸運だと思います。
なぜなら人間って、ホントに死にかけないと本気になれないんですよ(笑)
「え!突然2千万?これ俺が返すの?!」っていう不運が突然に起こって、そこで本気になれるのが商売人であって、多くの先輩方は、「たかが2千万円だろ?返してみろよ!」って言いますよ。
「それくらい出来るんだよ!人間本気でやったときの己の火事場の馬鹿力を信じてみろよ!」って。
「たかが2千〜3千万が返せない奴はいない!!」って。
それくらい、人間の火事場の馬鹿力って凄いんですよ。
ですから会社を辞めるというのが決断であるのか、それともただの選択であるのか?っていうと、もぉ〜その程度のことなんですよ。
本当に追い込まれた人間は、恐ろしいくらいの力が出ますから(笑)
追い込まれて、そこでまたさらに凄い力が出せる!っていうこともあるわけですからね。
商売は金銭的に不運なこともあったりするんですけれども、本当に面白い世界でもありますので、まずはその恐ろしい力が出せるようになるために、商売人に変身してみてはいかがでしょうか。