2016年もいよいよ年末となりましたが、「年を越せるかな?」と不安で仕方がない事業者が多いのも事実です。中小零細は大手企業と比べて、資本・信用力・人材(チーム)などあらゆる点で見劣りします。これに輪をかけて、ダメな企業は作戦を立てず、家族をタダ働きさせ、やがて廃業に至ります。家族のタダ働きはなぜダメなのか?キミアキ先生が解説いたします。
年末になると増える事業者の憂いと閉店の看板
2016年も12月に入りまして、事業者として「年を越せるかな」と不安で不安で仕方がない方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
商店街を見てみましても、「◯月◯日をもって閉店いたしました」という張り紙が結構目立つ、そんな今日このごろです。
こんな感じで、多くの事業者が大手で働くサラリーマンより、遥かに貧乏だったりする現実があります。
そこで本日は、なんで事業者は貧乏になりやすいのか?貧乏から抜け出すにはどうしたら良いのだろうか?というお話をしてみたいと思います。
「お金が無いから稼げない」大手と中小は何が違う?
まず、事業者の年収を考える時は、「資本金=年収」くらいの方程式が成り立てば、ひとまずは合格というところです。
ところが、最近だとこの方程式が成り立たなくて、お店とかだとお金をぶっこんでもぶっこんでも、全く儲からないという人が多くいます。
年収も全然上がらなくて、ぶっこんだお金も回収できないと、そういう人たちが多かったりします。
そんな時に「お金が無いから稼げない」という話になるんですけれど、これは大企業との比較で生まれるものです。
確かに、大企業と中小企業では全然リソースが違います。大きく分けた3つの違いをご紹介しましょう。
1つめは、資本力です。
中小零細だと、一人あたりの資本装備が500万円あれば「結構多いね」という話になるのですが、大企業だと一人あたりの資本装備が1億円くらい、ポーんと与えられているので全く勝負にならないわけです。
2つめは、会社が持っている信用力が、大手と中小では全く違います。
本当に悲しいかな、自分が今までいた会社とは全く雲泥の差となるほど、信用してくれないわけです。
3つめに、一番作れないのがチームです。
自分が以前いた会社のようにチームを作ろうとするのですが、理屈の分かる人物を集めて中小零細でチームを作ろうなんて、本当に無理です。
そもそも大企業にいるのに、中小零細で働いてくれるような人って、なかなかいないですからね。
お金が無い上に作戦もない。精神論と作業だけの日々
それから、中小零細企業で小さくなれば小さくなるほど如実になりやすいのが、作戦が無くて基本的には精神論ありき、という特徴です。
要するに、「頑張る」と。
ところが、会社が生き残っていくためには、営業作戦だけは絶対に作らなければなりません。
なぜなら、営業作戦を立てて営業活動を続けないと、顧客償却が起きて、最後には絶対に貧乏になってしまうからです。
営業作戦とそれに基づく活動を行っていない人が、大抵何をやっているかというと、単なる作業しかやっていない場合が多いんです。
最後の末期状態になると「家族をタダ働きさせて」更に貧乏になります。
家族をタダ働きさせようとすることの何が悪いかというと、その思考です。
コストのことなんか全く考えませんから、作戦は立てないわ、家族へ負荷をかけるわ、最後の一言は「一生懸命頑張ろうぜ」状態になってしまいますから、もう全然ダメなわけです。
こうなると更に貧乏になって、最後には会社をぶっ潰してしまったりするわけです。
他人に働いてもらうことを前提にすると作戦は立案可能
じゃあ、どうすればよいの?という話なのですが、やはり「他人に働いてもらう」ことを前提とした作戦を立てる必要があります。
この作戦を前提とすると、値段の付け方や営業時間について、他人のコストを意識しながら行わねばなりませんから、綿密に作戦を立てることを意識するようになります。
実際に年の瀬になるとお困りの方も多いかと思います。
そんな方には、他人に働いてもらうことを前提とした形で作戦を組み直して、営業に時間とお金をぶっ込むことで、立ち直れるケースってありますから、ぜひ実行してもらいたいと思います。