日本はハンコ社会と言われますが、契約書や領収書などさまざまな書類には、自分の署名と一緒にハンコ(印鑑)を押す習慣があります。このハンコを押す行為を社会的に証明するものとして、日本には印鑑登録制度が存在します。印鑑登録をする際の手順や、NG事項を一挙におさらいしてみましょう。
いきなり聞かれると説明できない「印鑑証明書ってなに?」
経営者の方なら、皆さん「印鑑証明書」をもっていらっしゃいますよね。
ところで、そもそも「印鑑証明書」とは何でしょうか?
日本はハンコ社会と言われますが、契約書や領収書などさまざまな書類には、自分の署名と一緒にハンコ(印鑑)を押す習慣があります。
この「ハンコを押す」という行為は、「自分が間違いなく承諾した内容ですよ」ということを確認するためのアクションです。
ただ、押したハンコが誰のものであるかがハッキリしなければ、第三者の人がその書類を見たときに「ホントにその人が押したのかなぁ・・・」と疑問に思うかもしれません。
そのために「このハンコは自分のモノですよ~」ということを明らかにするために、自分のハンコを役所に登録する制度があります。
この制度が、印鑑登録制度と言われるものです。
印鑑登録制度により登録されたハンコを「実印」と言い、そのハンコが間違いなく登録されたものであることを証明する書類は、印鑑証明書(印鑑登録証明書)と言います。
印鑑登録をするための手順をおさらいしよう
自分のハンコを登録することを印鑑登録と言います。
印鑑登録する方法は、各自治体によって若干異なりますが、基本的には下記の手順になります。
- 登録しようとするハンコ(実印)と、本人確認書類をお住まいの市区町村役所へ持って行き、印鑑登録申請書と一緒に提出する。(印鑑登録申請書は窓口においてあります)
- 役所の担当部署から照会書などが郵送されるので、必要事項を記入して返送する。
- 照会書や実印をもう一度役所の窓口に持参する。(一般的に数日かかりますが、本人確認さえできれば即日登録できる自治体もあります。)
急ぎの場合には、窓口に確認してみましょう。例えば、私がいる小田原市では、運転免許証などの写真付身分証明書があれば即日登録できます。
印鑑登録でやってはいけない3つのNG事項
さて、印鑑登録するハンコ(実印)には多少の制限がありますので、ご紹介しますね。
1)氏名以外のモノはNG
印鑑登録する実印は基本的に、「姓+名」もしくは「姓もしくは名」など、決まったフォーマットでなければなりません。
ペンネームやアルファベット、全く読めない変形文字などはダメです。
多いのは「姓+名前」か「姓のみ」(私であれば「鈴木一彦」か「鈴木」)で作るケースが多いですが、女性などの場合は「名前」で作るケースも多いです。
結婚して名字が変わる可能性がありますからね(今後はどうなるか分かりませんが・・・)
2)ゴムなど変形しやすいものはNG
また、ゴムでぐにゃっとしてしまうような材質のモノはダメです。
多いのは「柘」などの堅い木材や「黒水牛」などの角系のモノ。
最近はチタンやコバルトなどの金属で作る人も多いですね。
3)サイズも決められた範囲外はNG
登録できるハンコは「印影が8mm~25mmの正方形に入るサイズ」と決まっています。
あまりにも大きすぎたり、小さすぎたりしてはダメです。
ちなみにハンコの外枠が無いとダメですので、注意してください。
印鑑登録できる人には一定の制限がかかってる
実印を登録できる人にも、一定の制限があります。
- ▼ 住民登録をしていること
- ▼ 外国の方は外国人登録を受けていること
- ▼ 年齢が15歳以上であること
- ▼ 成年後見などを受けていないこと
これらの要件を満たしていない場合には、「印鑑登録を受けれない=印鑑証明書を取得できない」ということになります。
ただし、外国人であっても、自動車購入など印鑑証明書が必要なケースも出てきます。
その場合には印鑑証明書に変えて「サイン証明書」というものを外国大使館で発行してもらうことになります。
ちなみに、ハンコ社会というのは日本独特のモノで、外国ではサインで署名するのが一般的なんですね〜。
また「印鑑証明書を取得できない」ということで制限がかかってしまう手続もあります。
例えば「会社を設立」する場合なんかが、そのパターンだったりします。
会社を設立する際には、発起人及び取締役になる方の印鑑証明書が必要となります。
ということは、印鑑証明書をとることが出来ない15歳未満の人は会社の役員になることが出来ないのです。
まぁ、これには逃げ道があるといえばあるんですが、一般的な方法ではありませんのでお勧めできません。
他にも印鑑証明書が取得できないことにより、その他の代用書類が必要となる手続きも沢山あります。
特に、相続などの手続きは、権利関係が複雑になることも良くあるので、手続きが面倒くさいことが多いです。
想定していたより時間がかかってしまった・・・ということも良くありますので、何か手続きをする際には、早めに対処しておくようにしましょう。