中小零細企業に限って言えば、社長が常にバイタリティ豊かに行動していくほうが、会社は案外うまく行くものです。ところが、常に行動し続けている中でふと我に返ると、ゲンナリとしてしまう場面があるかもしれません。そこで本稿では、どうすれば常にバイタリティ豊かに社長自らが行動できるかを考えてみようと思います。
どうすれば常にバイタリティ豊かに行動可能?
今日は社長自身が行動力のある人になろう!という話をします。
会社というものは、中小零細企業に限って言うと、社長が突っ走っている方が上手く行くわけです。
ですから、社長さんご自身が行動力がある、常に動いている〜!みたいな感じが1番良いわけです。
しかしながら、やはり実務というものはなかなか難しゅうございまして、社長だって行動しているとゲンナリすることがあるんですよね。
どうしたら、このゲンナリを防いで、常にバイタリティ豊かに行動できるのか、5つのヒントをご紹介しましょう。
1:新規事業の立ち上げ時は必ずお尻を決める
まずはやることのケツを決める。
特に新規事業だと、これは大事ですね。
新規の商品・サービスを提供するときに、まずは何をやるかっていうのを決めたら、あとは期限も決めて、ここまでに上手く行かなかったら撤退しようとか、撤退期限があったりするんですが、あまり長期的な目標を組むべきでは無いと思います。
3年以上経ったら、もうよく分からなくなっちゃうんですよ。
ですから私達はもっと簡単な組み方をして、1年やってみて、単月黒字にならなかったら、止めちまおう。
単月黒字を出せたら、とりあえず3年はやってみよう。とかね。
そのくらいのスパンでGOすることが多いんです。
実務上では、私、コーチですから1ヶ月毎に宿題を出して、その宿題を実際に社長にやってもらいます。
実践してもらうと、必ず失敗することも出てきます。
この”失敗すること”は動くから失敗するんであって、動かなければ意味が無いんですよ。
実務っていうのは、やっていること自体なんか本当に単純です。
1ヶ月坊主の繰り返しをずっとやって、新規事業をどんどん起ちあげていくんですよ。
実はこんな単純なことをやっているんです。
難しいことなんてね、実際はやらないですよ。
たかが中小零細企業の意志決定ですから、そんな大きい市場も必要ないし、まぁなんとかこれで食っていけるだろうみたいな感じで、新しい商品・サービスを実務に投入して行くと。
だから、最初にお尻さえ決めておけば、沢山動いて、沢山失敗できるわけです。
2:社長だって人間。コーチを付けて頼ろう!
コーチとして1ヶ月毎に宿題を出して、効果がどうして出るかと言うと、結局のところ人間って弱いですから、コーチとかがいないと、前に進めていくことも、続けていくことも出来ないものです。
継続性の問題ですよね。
でもコーチがいれば、少なくとも前には進むわけです。1歩でもね。
1歩進んで2歩下がるかもしれないですけれど、1歩でも前に進むことが出来るんです。
そのためには、やはり自分1人では出来ないですから、人に頼ることが1番なんです。
ですから我々のような仕事が成り立つんですね。
3:緊急性の高い問題から解決し、これを積み重ねよう
それから、社長さん方が、1番緊急と思っているものを解決するための作戦を組みます。
緊急性から入っていくのが1番良いです。
社長さんが1番抱えている問題の代表例をあげると、売り上げのことであったり、資金繰りのことであったり、あるいは人事のことであったり、色々あります。
だいたいその会社のステップによって、段々とその悩みが変わっていきます。
その1番緊急な問題を、1番最初に社長さんと私の2人で解決するということをまずやっていきます。
もちろん緊急性があっても、社長の心の状態が不安定だと、心の状態からやっていかなければいけないので、なかなかすぐに解決!というのは、難しいケースもあります。
しかしながら、心の状態さえ整っていれば、緊急性のあるものについてはある程度慣れていますので、作戦を立てて、それを1番に解決します。
ちなみに、
「常に行動〜動かなければ何も解決しない」
これはあおば会計の行動指針です。
15年前の開業する時につくった行動指針なんですが、まずは解決があって、お客様との信頼関係を築けるわけですからね。
お客様と解決していくことを積み重ねていくと、”動かなければ解決しない”、行動力が無ければイカン!ということを理解してもらえるようになります。
作戦をどれだけ緻密に組んだとしても、そこで動かなければ解決しません。
そして、緊急性があるものを解決出来ると、けっこう自信がつくんですね。
人間って、小さな成功体験を積んでいくと、ちょっと難しいことでも、「この前も出来たし…、また出来るんじゃね?!」みたいな感じで、ハードルが少々上がってきていても、出来ちゃうものなのです。
4:社内の人間が何かやってくれることを期待しない
あと社長の悩みというのは、何かしら解決しなければいけない、緊急性も高くてすぐにやらなければいけない!と思っても、そういうものに関して、従業員は相談相手にはなってくれません。
ですから解決することを考えてくれる人は社内にはいないんだって、これが中小零細企業の現実なんだ!って事が分かるんですね。
ところが、そういう時に限って、社長さん達もモヤモヤしちゃったりするんです。
「何か作戦があれば、動くことなら出来るんだけれどな〜ッ!」
「どうして良いのかが分からない、どうして俺だけ悩まなければいけないんだ〜ッ!」
って悶々としているわけですよ。
これが中小零細企業の現実だ。結局 俺が動かざるを得ないじゃないかー!!!(怒)みたいなね(笑)、怒るときもあるわけですよね。
じゃあ自分が動かない代わりに、今度は従業員さんを鍛えていくみたいな感じで、従業員さんに新しいことをやらせたり、難しいことをやらせたり、要するにチャレンジなんですけれど、これをやると社長さんたち、ビックリするんです。
なんで従業員に何かしら新しいことや難しいことをチャレンジさせようと思うと、なんでこんなに金がかかってしょうがないの!ってビックリするんですよね。
人に任せることによって、こんなに金がかかると思わなかった。という気づきがあると思います。
でも、従業員さんは悪気は無いんです。
悪気は無いんですが、「これをやるにはこれだけのものが必要だからやらせてくれ」って言うわけです。
自分の金じゃ無いんでね。所詮は自分の身銭じゃあ無いので、けっこう金がかかります。
そして行動させると、従業員さんだって間違うんです。そして金を失うんです。
社長よりも、よっぽど間違うし、金も失います。
その時に社長として、これも教育だと思って、「どんどんどんどんチャレンジしなさい」と言えるかどうかです。
これは心情の問題です。
5:どうせ失敗するなら自分で失敗したほうが良いと納得する
つまりどこに戻るかというと、結局は従業員さんたちに任せてみて、新しいことをやる、それから難しいことをやる、行動していく。
この行動を、毎月続けて行くっていうことが如何に難しいかを、お金を使って知るわけです。
そうすると、自分と従業員さん、どっちの間違いにお金を使えますか?って話になります。
教科書通りに解答するんだったら、「やっぱり従業員さんを鍛えて行かなくてはいけない。従業員さんのためにどんどんお金を使って、間違わせて、そして鍛えていくべきでしょう。」となると思います。
でも、私はそうは思ったことは1度もありません。
どうせ間違うんだったら、自分で間違いたいです。
これはあくまで私の心情ですよ。散々お金を失っていますから、その時に自分がどうやって納得出来るかです。
実は、その方が従業員さんとの関係も上手く行く場合が多かったりします。
従業員さんがチャレンジしてお金を失うことが多い、自分がチャレンジしてもお金を失うことが多い、じゃあどっちが納得できるのかっていうことです。
1度失敗すると、自分が行動して失敗するのは、けっこうラクだな…って感じたりね。
そういう心情になったりすると、自らどんどん新しいチャレンジ始めて、行動して失敗できるようになるんです。