自社の商品が持つ価値を理解してもらい、買ってもらわなければ、ビジネスは成立しなません。
しかし多くの起業家が、「良い商品が出来た」という理由で起業し、作った商品やサービスを売るマーケティング施策を行わずに失敗します。
これを防ぐためにはマーケティングにおける3つの「M」を実行する必要があります。
良い商品が出来たから起業するのは早計かも
良い商品が出来たので起業したけれど、ちっとも売れない。どう売っていったらいいのか?
このところ、私の元には、こんな相談をされる方が増えています。
相談者の話をよくよく聞くと、
- この商品がどんなに素晴らしい商品か
- この商品を開発するのにどれだけ苦心したか
こんな話が滔々(こんこん)と続きます。
良い商品であれば、絶対に売れるはずなんだ。
一度使ってもらえば、その評判が口コミで伝わってどんどん売れていくはず。
皆さんの考えることもわかるのですが、ところが商品はちっとも売れません。
では、どうするか?多くの人が、ホームページを作ろうとします。
さっそく、専門業者を探して依頼するのですが、ホームページを作ってもらうのに、150万円掛かったという事例もありました。
しかし、そのホームページを見てびっくりしました。これって、本当に専門業者が作ったの?というレベルなのです。
はっきり言って、詐欺にあったようなものです。多くの起業家は、このように最初の段階でつまづきます。
起業する前に顧客を作らねば事業は失敗する!
皆さんもうお気づきのように、商品が出来ただけではビジネスになりません。
その商品の価値を分かってもらい、買ってもらわなければ、ビジネスは成立しません。
冷静に考えれば、当たり前のことが、商品開発に夢中になると忘れ去られてしまいます。
苦労して、商品が出来上がると、
やったぁ!これは絶対売れるぞ!
こう思って起業してしまうのですが、まったく早計です。
これも、私のところに相談に来た方の事例です。
その方は、マッサージサロンを起業するに際して、友人・知人に話し、すでに10人程のお客様を作っており、その段階で起業融資の相談にいらっしゃいました。
融資の話もスンナリ決まり、起業した後も順調に営業していらっしゃいます。このように、起業する前にお客様を作っておくと成功するのです。
起業を成功させる秘訣は顧客を作りリピートしてもらうことに尽きる
起業前後には色々な仕事が待っていますが、その中で次の2つは欠くことができない仕事です。
それは、
- 提供する商品・サービスを準備すること
- 顧客を作ってリピートさせること
の2つです。
このうち、提供する商品・サービスの準備、これをやらずに起業する方はいません。商品やサービスを前提に起業を考えるからです。
ところが、顧客を作ってリピートさせる、これについて十分考えず、起業してしまう人は非常に多いです。
だから、起業がうまくいかず、時には、詐欺まがいの業者に引っかかってしまうケースも生じてしまうのです。
起業家=マーケッターでなければ、うまくいかないのです。
つまり、起業を成功させるにはまず、「マーケティングの仕事をせよ」「残りの時間で、それ以外の仕事をせよ」という鉄則を守らねばなりません。
3つのMに力を入れた時に起業家は成功する!
マーケティング成功のための基本的な原則に、3Mというものがあります。
3Mとは、マーケット(Market)、メッセージ(Message)、メディア(Media)の3つの頭文字をとって名付けられた原則です。
3Mに力を入れた時に、起業家は成功しやすくなります。以下、各「M」を解説しましょう。
マーケット(Market)
1つめのMは、マーケットです。
これは、「誰が顧客なのか」というターゲット選定と、そのターゲットに対して、どんな価値を提供するのかを明確にする活動です。
特に、提供価値を明確にすることがキモになります。
自分が提供する商品を起点に考えるのではなく、ターゲットとしている顧客を起点として考えることが必須です。
ところが先述の通り、多くの商品やサービスは、顧客視点からの発想ではなく、商品の視点からの発想で作られる場合が、非常に多いのが実情です。
だから、せっかく起業しても生き残れないのです。
起業を成功させるには、ターゲットとしている顧客は何に困っているのか?何を求めているのか?この点を十分に検討することです。
メッセージ(Message)
2つめのMは、メッセージです。
自分が提供していく価値を、どのようなメッセージでお客様に伝えていくのかを施策すること、これが第二のMなのです。
これって、私に対するメッセージのようだ。
そうそう、こんなことで困っているんだよな。
へぇ、こうすれば困っていることが解決できるんだ !
困っていることを解決できた人の話も出ているぞ。
これは良さそうだ。今だったらお得みたいだし、買ってみようか。
お客様に、このように思ってもらうようなメッセージを発信することが、マーケティング活動には必要なのです。
メディア(Media)
第三のMは、メディアです。
メッセージを、どのような媒体を使って発信してくかは、非常に重要な判断となります。
先ほど紹介したマッサージサロンでは、チラシでメッセージを発信しました。
その時、すでにマッサージを体験したお客様の声が、宣伝効果を高めました。
チラシ以外にも、DM(ダイレクトメール)、タウン紙への広告、ブログ、メールマガジン、フェイスブック、ホームページなど、色々なメディアがあります。
ターゲットとする人たちへメッセージを伝えるのに、どんな媒体を使ったらいいのか?この点をしっかり把握しておかないと、空振りになってしまいます。
最後になりますが、もう一度繰り返します。
起業家の第一の仕事は、顧客を作り、リピートさせること
このことを、起業を成功させるために忘れないでください。