人件費による社員のモチベーションUPの効果は限定的で、センシティブな運用を求められます。対して、福利厚生制度の活用は、福利厚生費の損金算入を通じて企業の節税メリットに繋がりますし、社風や実態に合わせて導入することで、社員に「お金以外」の働く価値を付与します。本日は驚きの福利厚生を導入している会社を10社ご紹介します。
福利厚生はお金以外の働く価値を社員へ与える
いつも頑張っている社員に報いることは、社員のモチベーション向上に繋がります。
モチベーション向上のメイン手段といえば昇給ですが、給与のベースアップは、組織全体のバランスを考えて行わねばなりませんし、一度昇給した社員の給与をガクンと下げることにはリスクも伴います。
お金の支払を通じたモチベーションUPは、給与と賞与の定義を明確にし、上手に使い分けたうえで行う必要があるのです。
ですから会社は常に、給与以外にも社員のモチベーション向上手段を見出さねばなりません。
そこで有効なモチベーション向上の手段となるのが、福利厚生の充実です。
福利厚生の活用は、福利厚生費の損金算入を通じて企業の節税メリットに繋がりますし、社風や実態に合わせて導入することで、社員に「お金以外」の働く価値を付与します。
そこで本日は、ユニークな福利厚生を設けている企業をご紹介します。
企業の特色を生かした制度や、思わず働きたくなる、遊び心たっぷりの制度を導入したい!と思っている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
社員の胃袋をがっちり鷲掴みな福利厚生
クックパッド株式会社「まかない」
レシピ投稿サイトを運営するクックパッド株式会社は、オフィスに巨大なキッチンを設置しています。
食材を持ち寄り、ランチになるとユーザーが投稿したレシピを見ながら、従業員みんなでまかないを作るのが日常茶飯事の出来事のようです。
株式会社Eyes,JAPAN「フリーカフェイン、フリービタミン制度」
インターネット管理や、ウェブシステム開発などを行っている株式会社Eyes, JAPAN。
この企業では、1台40万円もするエスプレッソマシンで淹れたコーヒーが、なんと飲み放題なんです。
さらに「朝食を抜いて血糖値が下がっている従業員」のためにフルーツも常備されており、従業員の交流を目的とした「アイスクリームブレイク」という制度もあるんです。
至れり尽くせりの制度ですね。
GMOインターネット株式会社「24時間食べ放題の食堂」
ドメイン登録事業や、レンタルサーバー事業で、国内最大手と言えば、GMOインターネット株式会社です。
GMOさんには、社内になんと24時間食べ放題の食堂が存在します!
8時〜20時まではカフェスペースとして、近隣のホテルから仕入れたパンと本格的なコーヒーが味わえます。
正午〜14時まではビュッフェ形式のランチが楽しめ、20時以降は自動販売機で軽食を頼めます。
更には金曜の夜は、食堂がBARに様変わり!豪華すぎて何も言えない…
環境が良すぎて会社にいたくなる福利厚生
クリフ・バー「有給エクササイズ」
長時間運動時のエネルギー補給として、アメリカやカナダで人気のシリアルバーブランドを製造・販売する同社には、ヨガやボルダリングなど30種類以上のスポーツができ、栄養士の相談も無料のフィットネスセンターがあります。
ここまでは海外の企業ではよく聞く話ですが、さすが無類のスポーツ好きが働くクリフ・バー。
その施設ではなんと、1週間に2.5時間なら、エクササイズが就業時間にカウントされ、有給で利用できるのです!
健康とお金を同時に手に入れられるなんて驚きですね。タニタ食堂のエクササイズバージョンと言って良いかと。
Sansan株式会社「古民家がサテライトオフィス」
最近、テレビCMでもよく見かけるようになった、名刺管理クラウドサービスを提供しているSansan株式会社。
本社は表参道にあるのですが、徳島県神山町の古民家をサテライトオフィスとして利用しています。
試験的に開発者3人が2週間利用したところ仕事に集中できるということで、今では新人研修もこの古民家で行われています。
近くには温泉もあるそうで「都会の騒がしさから離れて療養気分で仕事をしたい」なんて、贅沢が叶う福利厚生です。
オモシロ深い〜経営者の考えを反映した福利厚生
スパイシーソフト株式会社「つぶやき決済」
「チャリ走」などのスマホ・アプリゲームで知られるスパイシーソフト株式会社は、個人クリエイターがアプリを投稿できるポータルサイトも運営しています。
この会社が導入している福利厚生が、「つぶやき決済」です。
技術関連の書籍など欲しいものがあったり、業務中に会議に参加したいときは、社長のTwitterアカウントを通じて、即検討・決済してもらえるというのが制度の中身になります。
社長の判断がリアルタイムでもらえるので、社員にとっては短期間で決済を仰げる優れた制度ですし、経営者は社員とコミュニケーションを取る機会が出来て、社員が何を考えているかも理解できるようになります。
株式会社カヤック「サイコロ給」
ゲームやコミュニティ運営など、インターネット関連事業を行っている面白法人カヤックは、給与システムに「サイコロ給」という制度を取り入れています。
サイコロ給の中身は、基本給にサイコロの目の分だけ給与が+αされるというもので、ホームページでは全社員のサイコロ給ランキングも閲覧が可能になっています。
なぜそんな給与システムを導入したかというと、「給料は上司の評価によって決まるけれど、人間だから感情に左右されてしまう部分がある。それならサイコロで決まる部分を作っちゃえ!」という理由からなのだそうです。
確かに、全員が平等ですし、当たっても外れてもちょっと笑える制度ですよね。
理想の休暇が取れる超ホワイト福利厚生
サイボウズ株式会社「育自分休暇制度」
オフィス系のソフトウエア開発大手のサイボウズは、社員の福利厚生が充実した企業として知られています。
サイボウズが現在力を入れているのは、育児休暇はもちろん、自分を育てるための休暇制度です。
35歳以下が対象となっており、認定されれば、最大6年間もの休暇取得が可能なんです。
退社後、何をするかは自由であり、転職をしても、旅に出てもOKで、もちろん職場復帰もできます。さすが離職率4%の企業ですよね!
BURTON「雪が積もると仕事は休み」
アメリカのスノーボードブランドBURTONでは、降雪60.96cmを超えると会社が閉まってしまうんです!
理由は社員がスノーボードをするために、山へ出かけるからという、日本ではあまり考えられない制度です。
全社員にスキーのシーズンパスを配布したりと、ウインタースポーツ好きには楽園のような会社です。
まさに「仕事とは遊ぶこと」を、体現したような福利厚生です。
株式会社チカラコーポレーション「失恋休暇制度」
神戸・明石・尼崎で、6店舗の美容室を展開しているチカラコーポレーションさんの福利厚生も、これまたユニークです。
なんとこの会社では、失恋をすると休暇が取れるんです。
20代前半は失恋の翌日から1日、20代後半は2日、30代以上は3日、離婚の場合はプラス1日追加できるという、年代別に味わう失恋のショックに比例した休暇制度が、何とも粋です。
休暇は連続でも分割で取得してもよく、特別な申請も必要なく、店長に口頭で説明すれば休めるのだそうです。
若い世代が中心になって働いている会社ならではの、社員に沿った福利厚生と言えますよね。
お金をかけずとも節約しながら良い福利厚生は導入できる
近年では生き方はもちろん、働く理由も多様化の一途を辿っています。
他にはない魅力的な福利厚生を導入することで、魅力的な人材を手にしたい、と考えている経営者の方も多いことでしょう。
実際に、上記でも実例としてあげたサイボウズが、離職率4%を達成していることからも、福利厚生の充実の重要性は理解していただけると思います。
一方で、儲かっている会社と同じような福利厚生は導入できないよ、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、福利厚生を取り入れる目的は、社員のモチベーションを上げて、会社を活性化させることです。
お金をかけずとも、自社の実態にあった「ささやかでもメンバーが喜ぶ」制度から始めてみてはいかがでしょうか?