今ではすっかりお茶の間の人気者となった東進ハイスクール・現代文講師の林修先生が、塾講師として選んだキャリアは、弱者のランチェスター戦略そのものと言えます。数学の講師から始めたキャリアを、現代文という自分でも勝てるフィールドに切り替えたことで、「勝てる場所で誰よりも努力する」ことを選んだ点は、中小企業の経営者にとってお手本と言えます。
今でしょ!の林先生が塾講師を始めた理由とは
今日は人気の「いつやるか?今でしょ!」の、林修先生のマーケティング戦略を掘り下げてみようと思います。
林先生は、子供にも大変人気のある方ですよね。
私が小学5年と3年の子供達に、宿題を「今すぐやれ!」って言うと「それは無理でしょ〜ぉ!」とか、「後でしょ〜ぉ!」とか、林先生の「今でしょ」の形を変えて言ってくるんですよね。
東進ハイスクールのCMが配信されたのは、もう数年前の話ですが、未だに子供達からも指示されている方です。
ところで読者の皆様は、林先生が講師になられたキッカケをご存知ですか?
林先生が講師になったきっかけ、それは…1800万円の借金だったんですよね。
林先生は東大を出た後、銀行系のシンクタンクにちょっと勤めたけれど、それからすぐ辞めて3年間遊び惚けて、遂には1800万の借金を作ってしまわれたんです。
要するに、金に困って仕様がなくなって、塾講師を始められたんですね。
教える事はもともと得意だったこともあって、塾講師を始めたわけなんですが、ここから林先生のマーケティング戦略が始まります。
数学の講師からいきなり現代文の講師へ鞍替え
いよいよメジャーデビューしよう!ということで、林先生は東進ハイスクールに行かれたんですね。
現在、林先生は50歳。私より3つ年上です。
東進ハイスクールといえばメジャー中のメジャーな予備校です。
ここで並み居るライバルを押しのけて、林先生は、エース講師!カリスマ講師!として、講師の人気・実績で受験生達を集めていきます。
講師だったら、やっぱり東進ハイスクールで授業やりたいですよね〜!私の先輩に簿記講師が2人いるんですが、2人共最終的には東進ハイスクールへ行きました。
林先生は92年から所属してらっしゃるので、もう25年ですね。
最初は英語のアルバイトで入られて、講師としては数学をやられてたんですけれど、ジョブチェンジみたいな感じで、次は現代文に鞍替えします。
そして、この鞍替えに林先生の戦略があるんですね。
林先生が取ったのは弱者のランチェスター戦略
なぜこの鞍替えがそんなに凄いことなのでしょうか?
林先生の思想が素晴らしいのは、勝てる場所で誰よりも努力するということです。
ここなら勝てる場所だ!というところで、ランチェスターの弱者の戦略をとってらっしゃるんですね。
我々も会計事務所として勝てる場所…例えば沼袋!沼袋じゃあ負けねぇよ!と。要するに勝てる場所で、地域1番店になりました。
同じことを、林先生も「数学から現代文への鞍替え」で、やってらっしゃるということですね。
数学は自分の得意科目なんだけれども、他にも素晴らしい能力を持った講師がたくさんいて、数学では1番の講師にはなれない。
だけれども、現代文ではどうだろう。自分が勝てる場所は、ここなのではないかな?と、林先生は睨みました。
そして案の定、林先生は勝てると睨んだ場所で誰よりも努力をして、今や日本で一番有名な、高校・現代文の塾講師になったわけです。
勝てる場所で誰よりも努力する
この言葉を社名にしちゃいたいくらい、良い言葉だと思うんですね。
「株式会社 誰よりも努力する」
電話取るときに楽しそうですよね。カチャ「はい!誰よりも努力する 田中でございますー」なんて感じで、相手も驚きますよね「おぉ」ってね!
「誰よりも努力する 田中でございます」は、語呂的にも言いやすいですしね。
何が言いたいかと申しますと、林さんの考え方、良いと思ったらドンドンパクりましょう。ということです。
今やる人・すぐやる人はやっぱり成功しやすい
林先生が著書でも書かれていて、ある意味、講師としてのイライラが出てる部分もあるんですが、講師って基本的に今すぐやる人が好きなんですよね。
というのも受講生見てて結構イライラするのが、早くゴールしかったら、とにかく早くスタートしろ!それが大原則だろって思うことが、現場だとよくあります。
私も現役講師の時は、イライライライラしてました。(資格の専門学校TACで簿記の講師を務めていた)
とにかく今すぐやれよ!すぐやれよ!!って。
ですから、こういう当たり前のことを、林先生はメッセージとして伝えてらっしゃいます。
林先生が若者に対して、1番の伝えたいメッセージというのは、「とにかくお前たち、勝負しろ!」ってことなんですね。
勝負しろっていうのは、林先生自身がたくさんの勝負をした結果、ランチェスターの弱者の戦略を使って、自分の勝てる世界で1番になったと。
その勝負の過程なんですね。
自分の人生が勝負の人生だったので、今の若者にも「安定を求めているんじゃない。とにかく勝負をしろ!勝負をしないと価値もない。」と、訴えているんだと思います。
そういう熱いメッセージを、林先生自身が出して行けるっていうのは、林先生自身が常にそうやって勝負してきた人間だからこそ、強く伝わるんですね。
林先生のマーケティング理論や戦略は、非常に勉強になることがあります。
著書も有りますのでね、もし良かったら読んでみてください。