大統領に求められる「一緒にいて心地よい」資質
こんにちは。ジェネシスコミュニケーションの松尾です。
今年2016年11月に行われる、アメリカ合衆国大統領選挙に向けて現在の予備選に関する動向が、日本でも大いに関心を集めていますね。
アメリカ大統領に選ばれるための「資質」としては、たくさんのことが要求されると思いますが、「一緒にいて楽しい人かどうか」というのも大統領の資質として、重要だと現地では言われています。
これは、言い換えると、「相手を心地よい気分にできる人か」ということです。
逆に言うと、尊大な態度をしていたり、自分の自慢話ばかりしたり、相手を嘲ったりして、相手を不愉快にさせる言動をする人は、大統領としては選ばれにくいということですね。
デキる営業パーソンは名前で顧客に呼びかける
さて、「相手を心地よい気分にできるか」という点は、大統領に限らず、ビジネスにおいても、またプライベートにおいても大事なことです。
先日ご紹介した「ミラーリング」(相手の行動をさりげなく真似ること)というテクニックは、相手への同調を示すものであり、相手を心地よくさせる方法のひとつです。
また、「お世辞」の効果についても以前説明しましたね。適切なお世辞は(仮に多少大げさであったとしても)、相手を心地よい気分にし、自分に対する好意を高めることができます。
今回は、できる営業パーソンなら絶対にやっている、もう一つの重要なテクニックをご紹介しましょう。
それは、相手の名前をしっかり覚えて、呼びかけるというテクニックです。
「相手の名前で呼びかける」というのは、とてもシンプルなことですね。お金がかかるわけでもない。テクニックというよりは、基本的な「心がけ」と呼んだほうがいいかもしれません。
しかし、効果は確実にあります。
誰でも、自分の名前を呼ばれるのは心地がよいものです。その他大勢の一人ではなく、かけがえのない唯一の存在として認識してくれていると感じるからです。
「お客さま」と呼ばれるよりは、「松尾さん」などと、自分の名前で呼ばれたほうが皆さんも嬉しくないでしょうか?
自分自身のことを考えてみてください。
行きつけの店の店主や、長い付き合いの営業パーソンとは、お互いに個人名で呼び合っているはずです。
たとえビジネス的な関係であったとしても、お互いに好意を感じる相手とは、より個人的な関係になっていきます。
個人の名前を呼ぶのはその第一歩と言えるかもしれません。
全国トップのカリスマ販売員も名前にこだわる
では、お客さまの名前を呼ぶことにとことんこだわっている、トップ営業パーソンをおひとりご紹介しましょう。
岡山県の化粧品専門店「安達太陽堂」の店主、長谷川桂子氏は「カリスマ販売員」として有名です。
長谷川氏は、なんと3千人のお客さんの顔と名前を覚えています。そして、来店されたお客さまにはまず「「あら、三谷さん、いらっしゃいませ」などと、きちんと名前を呼びかけるのです。
頻繁に来ている人ならまだしも、数か月ぶりの来店だったら、「ひさしぶりに来たのに、私の名前をちゃんと覚えていてくれた」とちょっとうれしいはずですね。
何も買わないでお店を出るのは出来ないのではないでしょうか。
そんな長谷川氏でも、来店されたお客様の名前を思い出せなくなることがあります。
その場合は、新人の店員さんの出番です。
新人店員にまず接客させ、「まだ入ったばかりなので、お客様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と名前を聞いてもらい、こっそりと教えてもらうのだそうです。
そして、自分が接客する段になったら「●●さん、こちらの商品いかがですか?」とちゃんと覚えていたふりをして対応するのです。
「安達太陽堂」は人口の少ない地方の町に店舗を構えているにも関わらず、化粧品専門店としては都心のお店にもひけをとらない大繁盛店です。
大繁盛の秘訣はもちろん、「お客様の名前を呼ぶことだけではありません。
ただ、カリスマ販売員と呼ばれる長谷川氏が、「お客様の名前を呼ぶ」ことにこだわっているという点は、ぜひ見習ってほしいものです。