世間一般的に、お世辞は相手の好意を下げてしまう行為と見なされています。しかし、お世辞ほど相手の承認欲求を満たして、気分をよくするための行為もありません。実際にある自動車販売会社では、お世辞が販売増に繋がったという調査結果を踏まえ、お世辞講座を社員研修に組み込んだという例もあります。どのようなお世辞が良いのかも含め、マーケティングのプロが解説します。
世間ではお世辞が好意を下げると見なされてる
「歯の浮くようなお世辞」「ゴマすり」などという言葉あるように、「お世辞を言うことはあまり好ましくない」と考えている方は非常に多いようです。
というのも世間的には、お世辞は逆効果、すなわち「相手の好意度を下げてしまうから」と見なされているからです。
ところが、実際には、お世辞は相手の自分に対する好意度を高め、セールスパーソンであれば販売成績にプラスの効果があるのです。
そこで本日は、お世辞の効果について解説していきましょう。
お世辞の効果を認識し売上増を達成した会社も
お世辞がセールスに好結果をもたらすことを実証した調査結果があります。
ある自動車販売会社が、自社顧客に対してアンケート調査を実施しました。セールスパーソンそれぞれについて顧客の評価を訊いたのです。
そのアンケート結果を分析したところ、セールスパーソンの新車販売台数に影響を与えている要因のうちで、最も大きなものが「お世辞がうまく言えているかどうか」でした。
自分自身がお世辞を言われたときの気持ち(感情)を想像してみてください。
男性なら、「キムタクみたいにかっこいいですね」と言われたとしたら。女性なら、「北川景子に似てますね」としたら。
多くの人にとってこれは「本当に歯の浮く」ようなお世辞でしょう(笑)それでも、それほど悪い気はしないはずです。
そうなのです。お世辞を言われて本気で怒りだす人はいません。なんであれ、自分をポジティブに認めてくれることは喜びをもたらしてくれ、気分が良くなるのです。
さて、くだんの自動車販売会社では調査結果を踏まえて、社員研修のひとつとして「お世辞講座」を組み込んだそうです。
お世辞にも、「上手なお世辞」と「野暮ったいお世辞」がありますから、できるだけ適切なお世辞表現を身につける必要があるからです。
お世辞は相手に関係した”上手なお世辞”が肝要
実のところ、前述した「キムタクみたいに・・・」は野暮ったいお世辞です。あまり効果が高くありません。
一方、相手そのもの以外ではなく、相手に関係したことについて言及するのが「上手なお世辞」です。
例えば「いい腕時計してらっしゃいますね」とか、「お子さんかわいいですね」といったこと。
相手に関わることであれば、歯の浮くようなお世辞にはなりにくく、相手を気分よくさせることができます。商談もうまくいくというものです。
ほとんど手間やお金をかけずにセールス力がアップする「お世辞」。ぜひ、あなたも上手なお世辞を学んでみてください。