「社長、税務調査が入りました!」この言葉を聞いて、”うれしい”と思う経営者はまずいないはずです。さて、一定の期間が設定された後、いよいよ税務調査の当日が来ます。果たして経営者は、税務署の調査員と面会した際、どのように接すれば良いのでしょうか?本稿は、税務調査という逆境に立たされた経営者向けの、完璧な対応マニュアルとしてQ&A形式でお届けしたいと思います。
税務調査当日の対応を殆どの経営者が知らない
「社長、税務調査が入りました!」この言葉を聞いて、”うれしい”と思う経営者はまずいないはずです。
げんなりするかもしれませんが、税務調査に備えて調査員が喜んでツッコミを入れてくる項目を、税理士(公認会計士)と打ち合わせる日々が始まります。(前回の記事でツッコミが来る項目はおさらいしてください。)
さて、一定の期間が設定された後、いよいよ税務調査の当日が来ます。
果たして経営者は、税務署の調査員と面会した際、どのように接すれば良いのでしょうか?
本稿は、税務調査という逆境に立たされた経営者向けの、完璧な対応マニュアルとしてお届けしたいと思います。
税務調査当日における完璧な対応マニュアル
それでは質問に回答する形式で税務調査当日の対応方法をまとめていきます。
1)税務調査は何時頃に始まるの?
答えは、AM10:00からスタートするケースがほとんどです。
それは、会社側の始業時間からある程度経過したほうが、会社側にとって落ち着くからです。
また、税務署の方も、一度税務署に出社してから来られるためです。
2)午前中はどんな対応をするの?
まず、経営者と会計事務所の方がタッグを組んで対応します。
よく、「税務署の方は会社が出したものは何も召し上がらない。」と言い方もいますが、お茶やコーヒーなどの飲み物は大丈夫ですので、その程度のものは出しましょう。(常識の範囲内です。)
税務調査が始まると、以下の事項の説明を経営者に質問してきます。
- ・会社の事業内容
- ・会社を始めるまでの経営者の経歴
- ・会社案内の有無
- ・会社の組織図の確認
- ・席次表の確認
- ・役員構成
- ・主な得意先や仕入・外注先
- ・経営者の平日の過ごし方や趣味など個人的なこと
もちろん、税務署の方それぞれ質問内容は変わりますが、一般的には以上の事項を聞いてきます。
ここで、特に注意しておきたいのが、組織図と席次表です。というのも、同族経営の場合に、「給料は支払っているのに、組織図の中に名前がない。」「机といすがない。」など、ベテランの税務職員だと、遠慮なく突っ込んできます。
つまり、午前中の話は、「経営者が誠実かどうか」「会社のお金の流れは、経営者以外の方も把握しているのか?」などを見極めるための時間と思ってください。
ですから、よほどのことがない限り、時間厳守で堂々と振舞うことが大事です。
3)午後はどんな対応をするの?
その日の状況にもよりますが、私(税理士)の基本的なスタイルは、経営者に外出していただきます。
午後は、税務署の方に実際の帳簿類をチェックしていただくため、私ども会計事務所だけの対応で十分と考えるからです。
もちろん細かい点で、会計事務所が回答できない場合には、経理担当者に確認して回答すればよいのです。
すなわち、経営者がいなくても、午後の税務調査に対応は可能なのです。
本音を言えば、経営者は日々の細かな処理に関してはわからないので、その場で変な答え方をされるほうが、後々の展開で不利になるケースがあるため、外出いただく場合が多いというのが現実です。
誘導尋問にひっかかり自慢話をしないこと
いかがだったでしょうか?
事前の備えを元に堂々と調査員に対して答えることができれば、税務調査はそんなに怖いものではありません。
ただし、うまく行っているなぁと感じても、しっかり気持ちを引き締めて、長々と発言しないよう気をつけてください。
なぜか?ベテランの調査官は、誘導尋問が得意だからです。
ホッとするのは調査が終わって、調査官が帰ってからにするのが賢明です。