あなたは、自分のことを「ぐうたらで、面倒くさがり屋」だと思いますか?
実のところ、ほとんどの人がぐうたらで、めんどくさがり屋ですし、それが「通常」だと言えます。
なぜなら私達は普段大量のエネルギーを仕事や生活で消費していますが、必要がなければ、私たちはできるだけ体を動かさず、頭を使わないでいたいという意識がDNAに埋め込まれているからです。
顧客労力を減らす鍵も「ぐうたら」と向き合うことにあります。
人がぐうたらで面倒くさがり屋なのは当たり前
あなたは、自分のことを「ぐうたらで、面倒くさがり屋」だと思いますか?
「はい」と答えた方は正直でいいですね!
仕事の中では意識しててきぱき動いてるし、やるべきことをきっちりやってるよ、という人でも、家に戻ると、トドのようにごろごろしてしまい、何もしたくなくなる、という人が多いのではないのでしょうか。
すなわち、私たちは基本的に生まれながらのぐうたらなのです(笑)
でも、ぐうたらであることは決して悪いことではないのです。むしろ“生きる”という上ではメリットがあるのです。
ぐうたらであることに、どんなメリットがあるのでしょうか?
人がぐうたらなのはDNAがそうなっているから
ぐうたらであることのメリット、それは無駄なエネルギーを使わないで済むことです。
ちょこまか動き回ったり、いろいろ頭を使って考えると、疲れますし、実際にエネルギー(カロリー)を消費します。
エネルギーを消費したら腹が減る。何か食べたくなる。これが自然の摂理です。
幸い、今の日本では、お金さえあれば食べるものが手に入ります。お腹が空いたら何か食べればいい。
しかし、大昔、私たちの祖先がマンモスなどを狩って生きていた狩猟生活時代は、保存技術も十分ではありませんから、獲物が取れないとたちまち食べるものがなく飢えてしまう、そんな厳しい毎日を過ごしていたのです。
したがって、当時、狩りに行く以外の時間はできるだけエネルギーを消費しないように、ごろごろして動かないこと、余計なことに頭を使わないことが必要でした。
体を動かすことだけでなく、頭を使うこともかなりのエネルギーを消費するからです。
猫や犬が一日の大半を寝て過ごしているのも、別にぐうたらだからではなく、できるだけエネルギーを消費しないことが生き残りのために必要である時代を生き残ってきたからであり、食べるものに困らない現代においても、そうした生活パターンは簡単には変わらないのです。
私たち人間も同じです。
お金を稼ぐため、仕事では体や頭をこき使って大量のエネルギーを消費しているわけですが、必要がなければ、私たちはできるだけ体を動かさず、頭を使わないでいたいという意識がDNAに埋め込まれているのです。
私たちがなんにしろ、手間かけたくない、楽にやりたい、簡単にやりたい、頭使わずにやりたい、など思うのもこのDNAの仕業なんですね。
顧客労力を減すには顧客にぐうたらさせるべき
ここからグイッとビジネスの話に戻します。
前回の記事、『お客様の心を鷲掴みしたいなら知るべき「顧客ロイヤリティ」』では、顧客に愛される度合い「顧客ロイヤリティ」を高めるためには、「顧客労力」を低減させる必要があることをお伝えしました。
例えば企業はお客様と接する時に、お客様に対してよけいな時間や手間を取らせたり、製品利用に当たって「これどうやって操作するんだろう・・・?」などと考えさせたりしてはいけません。
なぜでしょうか?
心理学においては、人は「認知的倹約家」であると言います。
「認知的」というのは要するに、知覚したり、学んだり、考えたりするということであり、そんなように頭を使いたくない=倹約したい、というのが人の本性です。私たちはとりわけ頭を使うことに「ケチ」だということですね。
ですから、顧客ロイヤルティを向上させ、自社製品・サービスの業績を伸ばしたいなら、お客様に余計な手間、時間、そして無駄な思考をさせないこと、できるだ早く楽に顧客ニーズを充足することを目指す必要があるのです。
自社の手間、時間、コストを省くこと=効率化も大事ですが、まずお客さまの手間、時間、コストをどれだけ軽減してやれるかを考えましょう。
それが、自社の業績アップに結びついていきます。