マイナンバー制度の施行により企業にも「法人番号」が13桁で付与されることになりました。個人のマイナンバーは原則として非公開で用途も限られているのに対して、法人のマイナンバーは原則として公開され利用目的も自由と定められています。つまり法人のマイナンバーは取引の際に業務を大きく効率化するのに活用可能で、新規に営業する先を開拓するのにも役立つ、大きな武器となります。詳しく解説いたします。
マイナンバーが法人企業にも13桁で与えられる
こんにちは。名古屋の税理士、よねづ税理士事務所の米津晋次です。
実は私、セミナーの開催やコンサルティング業務、ソフトウェアの販売など、税理士業務以外について別会社を設立しております。
その会社に昨日「法人番号指定通知書」が届きました。ご存じの方も多いことと思いますが、マイナンバーは個人だけでなく、会社にもつけられているのです。
「法人番号指定通知書」の用紙には、13桁の法人番号が大きく記載されています。個人番号は12桁ですから法人番号は1桁多いことになります。
そんな桁数の違いはあまり意味がないことで、個人と法人のマイナンバーには大きな違いがあることを確認しておく必要があります。
それは「公開なのか非公開なのか」ということです。
今日はこの部分に着目し、「法人のマイナンバーを活用したビジネスチャンスの見つけ方」を共有したいと思います。
企業は公開される法人番号で業務効率化が可能
まずマイナンバーについて、個人番号は非公開であり、対象となる利用目的以外に外部に知らせてはいけません。
源泉徴収票の記載等のために従業員の個人番号を収集した事業者は、もちろん、外部へ洩れないように管理しなくてはなりません。
一方、法人番号は公開なのです。
既に国税庁は「法人番号公表サイト」を開設し、法人番号を公開しています。
法人番号から検索できるだけでなく、郵便番号や所在地などから法人番号を検索できるようにもなっています。
つまり、法人番号・会社名・所在地が公開されるということです。
さらには、利用目的も自由なのです。
早速検索してみてください。
まだ検索できない地域もありますが、愛知県は11月13日から検索できるようになりました。
検索による閲覧だけでなく、検索結果のダウンロードもできます。
この法人番号が公開になっているのは、この番号を民間でも活用してほしいという国からのメッセージだと思います。
民間で効果が上がるのは、まず名寄せ作業の効率化でしょう。
「株式会社」と「(株)」に前(株)と後(株)の違い、所在地の「一丁目2番3号」と「1-2-3」など、現状で名寄せに苦労している企業には効果があるでしょう。
たとえば、各社内で使用している販売管理システムの取引先コードを、この法人番号に統一すれば、複数会社間の受発注システムでいちいち変換する必要がなくなり、業務効率はグッと上がります。
中小企業は法人番号を有効活用し営業を拡大
上記の法人番号活用方法は、ある程度大きな規模の会社が対象になります。
小規模企業でもできそうなことでまず予想されるのは、DM(ダイレクトメール)への利用です。
たとえば、新設法人を検索したいなら、「法人種別などその他の条件を開く」で、「法人番号指定年月日」ですぐに新設法人を検索できます。
それも範囲指定で。
最近の日付を指定すれば新設法人の一覧が取得できますし、地域情報を組み合わせれば「特定の地域で最近設立された会社の情報」が手に入ります。
私も一時期、新設法人へのDMをやっていました。新設法人のリストは業者(もちろん公に認められたところですよ)から購入していましたが、その必要もなくなります。
この方法が一般的に認知されれば、会社を設立するとものすごい量のDMが新設法人に届きそうですね。
新設法人ではなくても、会社に届くDMの量は増えそうです。
いち早く法人番号を利用した企業が有利になる
このように、法人番号はビジネスチャンスにもつながりそうです。
まだ、どこも法人番号を有効に活用していない現状は、いち早く法人番号の活用方法を見つけた企業が有利になることを意味しています。
法人番号をどう活用するかどうかは企業の創意工夫に大きくかかっています。
ぜひ、柔らかな発想で活用の新アイディアに挑戦してみてください。