独立を考えている方や、新たな分野の事業を始めようとしている経営者の方々の中には、フランチャイズへの加盟を考える方がいらっしゃるかもしれません。そこで本稿はズバリ「危険なフランチャイズ本部を見極める方法」についてご説明したいと思います。初期時点の見極めポイントと、実際に加盟を検討する際の見極めポイントを詳細にフランチャイズのプロが解説してくれました。
万人に都合良いFC本部はこの世に存在しない
独立を考えている方や、新たな分野の事業を始めようとしている経営者の方々の中には、フランチャイズへの加盟を考える方がいらっしゃるかもしれません。
そこで本稿はズバリ「危険なフランチャイズ本部を見極める方法」という、ちょっと過激なテーマで話をしてみたいと思います。
このテーマをお話しするにあたり前提として頂きたいのは、私が今まで数多くの加盟希望者の方々の相談に乗ってきて感じているのは、万人に都合が良いフランチャイズ本部というのは無いという事です。
もちろんフランチャイズ本部ごとにサービス内容も違いますし、開業後の支援体制、レベル、加盟店の売上向上に対しての意識も違うでしょう。
また加盟希望者の方々もフランチャイズ本部に求めている事や、都合も1社ごとに異なります。
したがって危険な本部を見極めるというより、「自社にとって危険になりうる本部を見極める」と言った方が良いかもしれませんね。
ただし、最終的に本部を見極め選択するのは加盟希望者の皆さんの責任だと思いますので、しっかり見極めて頂いて加盟される事をお勧めします。
そこを予めご理解いただき、読み進めていただければ幸いです。
FC本部の初期時点見極めポイントはこの3点
私の所には確かに「面白いフランチャイズビジネス何か無いですか?」というお話と同じように「危険な本部を教えて下さい。」というようなお話も良く来ます。
そこで私が加盟希望者の相談にのらせて頂くときにまずお話しさせて頂いているのは、
- 1.本部のトップの想いに共感出来るか?
- 2.本部のトップの品性、トップとの相性はどうか?
- 3.自分自身がFC本部のサービスや商品にほれているか?
の3つです。
質問にどのような意味があるのか、詳細を説明していきたいと思います。
1.本部のトップの想いに共感出来るか?
事業には良いときもあれば悪いときもありますので、やはりなぜ自分自身がやるのか?が大切になります。
そう言った部分では、
- ・本部トップの想いに共感されて加盟された方
- ・儲かりそうだからという理由だけで加盟された方
とでは、結果が大きく変わってくる事は容易に想像がつくかと思います。
それが例え、両者とも最初の店舗が成功した場合でも行動が変わってきます。
本部トップの想いに共感して参加された方は、同事業を横展開されるケースが多いですが、儲かりそうだからという方は、また新たな儲かるビジネスを探し始めます。
従って5年後になると結果は大きく変わってくる訳です。
トップの想いに共感出来るビジネスか?というのは本部を選ぶにあたり非常に大切な要素だと思います。
2.本部のトップの品性、トップとの相性はどうか?
これはフランチャイズ本部だけではなく、トップの品性というのはどこの会社にも言われることですよね。
企業の成長が進むにつれてトップの品性というのは明確に出てきます。お酒や女性問題などです。
こういった事が引き金になって、本部自体の組織ががたがたになる事も珍しい事ではありません。
よって「この人は自分の人生を預けられる程の人物なのか?」をしっかり見極める事が必要でしょう。
また本部トップとの相性については、「この人とこれから5年とか10年一緒に仕事がしたいか?」という事が重要な判断要素となります。
フランチャイズビジネスは良く「結婚」に例えられますが、結婚と同じように、価値観であったり相性が良くなければうまく行かないと長くは続きません。
そう言った部分では本部トップとの相性というのも非常に大切です。
「この人とこれから5年とか10年一緒に仕事がしたいか?」自分自身に聞いてみて頂ければ、答えは自ずと出るのではないでしょうか?
3.自分自身がFC本部のサービスや商品にほれているか?
これも当たり前の事のようですが、抜けている方が多くいらっしゃいます。
そのサービス、商品の価値を自分自身が非常に感じられている方とそうでない方は、その仕事を行うにあたっての熱量が違います。
「もし自分がお客様だったらその商品、サービスを頼むか?」ぜひ自分自身に聞いてみて頂ければと思います。
危険なFC本部を見極める詳細ポイントは5つ
上記3つは、フランチャイズ本部を選択するにあたっては当たり前の事です。
では、皆さんがご自身にとって危険なフランチャイズ本部を見極めるには何ができるか言うと・・まずは実績の確認を行いましょう。
ポイントは5つあります。
- 1.直営店と加盟店の売上実績の乖離とその要因は何か?
- 2.売上上位10~30%の店舗の実績データ(実際値)とその要因は何か?
- 3.売上下位10~30%の店舗の実績データ(実際値)とその要因は何か?
- 4.加盟店の平均売上と中位売上
- 5.加盟店撤退率の確認
のような項目になります。
ポイントを詳細に見ていきましょう。
1.直営店と加盟店の売上実績の乖離とその要因は何か?
これは逆に加盟店の数宇の方が良いという事も多々ありますが、直営の方が圧倒的に良いという場合は、直営でないと出せない立地やスタッフのマンパワーに依存している可能性があります。
2.売上上位10~30%の店舗の実績データ(実際値)とその要因は何か?
これはどこの本部も必ず把握している内容かと思います。
できれば、自分自身が今後開業を考えている条件に近いエリアでの成功事例を色々伺えると良いかもしれません。
3.売上下位10~30%の店舗の実績データ(実際値)とその要因は何か?
ここに関しては、本部に実際個別に突っ込んで伺って下さい。
その要因が明確でそこがクリア出来るのであれば問題は無いと思います。
4.加盟店の平均売上と中位売上
加盟店の平均売上と中位売上も非常に大切ですね。平均売上は全店舗の総売上÷店舗数です。
中位売上というのは、100店舗あれば50番目の売上の店舗の売上です。
平均売上はトップクラスの加盟店が大きく引き上げている事が往々にあります。
従って中位の売上を把握する事が大切です。
5.加盟店撤退率
開業1年後、3年後、5年後というかたちでスタートしてから、どのくらいで加盟店の撤退が出ているか?という所を確認すると、自ずと撤退理由も明確になってくるかと思います。
上記の5つはできれば本部を選ぶ際にヒアリングをして頂きたいポイントになります。
是非確認して頂ければと思います。
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株式会社ディライト・ジャパン 代表取締役
川上健一郎
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