なぜ習ってもいない人達が経営できるようになっていくの?
中小零細企業の経営者になるときに、大抵が元々サラリーマンで、それから会社を起こすっていうパターンが多いんですよ。
うちの顧問先の社長さん方も元々は勤め人でした。
ですから、「経営」っていうものを習った人なんて、ほとんど社長さん方にもいないわけです。
私自身も粗利益の獲得と粗利益の分配、分配率をどうやってやって行くか?くらいしか習ったことがないんですね。
そんな中でも、なんとか会社をやって行けるようになる、利益を出し続けられるようになるのは、何故なのか?という点を今日はお話ししようと思います。
起業する時に勤め人時代と同じ業種で起業する人が多い理由
普通のサラリーマンの人が会社を起こす場合に、だいたい10人中9人は自分が勤めていた業界を選ぶんですね…
いわゆる”勝手知ったる業界”で、「その業務だったらできる」っていう感じで、同じような業種を選んで、そして同じようなやり方でやるんです。
「勤めていた会社と同業で起業する」これが普通の起業パターンなんです。
10人中9人はこういう行動パターンをとるんだ〜っていう事を知っておくだけでも良いと思います。
余程の変態でもない限り、全く違う業種に手を出すっていう事は、あんまりないんですね。
というのも、銀行の融資であっても経験のない業務に対しては、特に日本政策金融公庫だったらまず貸してくれない。
”経験がある人に対して貸す”というような世の中の仕組みになっているので、やはりその経験はあった方が有利であるっていう話なんですね。
だから、みんな大体起業する時は、勤め人時代と同じ業種を選択します。
企業経営の際には2種類の組織形態が存在する→ほとんどの中小企業は?
じゃあ、経営って何なんだろうかっていうと、みんな習った事がないんですけれど、組織の作り方というのは大まかに2つに分けられます。
ライン組織っていうのは、「社長と作業員」みたいな感じです。
そして、ライン・アンド・スタッフ組織っていうのは、これは元々戦争の天才・政治の天才だったナポレオンを倒すためだけに作られたものです。
社長の横に「スタッフ」という頭を使う連中を置いて、この連中が計画とかを全部立てていくんです。
そして、それを現場に落としていくっていうやり方なんですが、これでナポレオンに勝ったわけですよ。
じゃあ、今の中小企業の現実は?っていうと、この「スタッフ」がいないから本当に弱いわけですね。
中小企業の多くはライン組織のままなんです。零細企業もほとんどがライン組織のままです。
スタッフ=頭を使う連中がまずいませんから。
つまり、「スタッフ部門」を持っている会社の下請けに過ぎないっていう会社が多いんです。
ただ、「作業員の部門」のひとつをやっているに過ぎないとかね。
そして、今はそれを「下請け」と言わず「協力会社」なんて誤魔化していますけれど、その協力会社は「スタッフ部門」を持っているか?って言ったら持っていないですよ。
「スタッフ部門」を持っていないから、下請けをやらざるを得ないんですよ。
「スタッフ部門」を持つ会社を作りたいならマンダラチャート
ですから、今のベンチャーでスケール(規模)を大きくしていこうと思ったら、まずこの「スタッフ部門」は要職です。頭を使う連中。
きちんとした目標管理ができる作戦を立てられる、そういう連中を先に雇うんです。
ですから、このスタッフ部門の人材っていうのはヘッドハンティングが凄いんです。争いです。
数がまずいないので「取り合い!!」っていう感じです、もう(笑)。
やっぱり経営を習った事がないからね、この組織の仕組みがまず分からない。
「だからかよ!ウチは頭使わねぇから下請けばっかりやっとかなイカンかったのか!」とか、そういう気づきがあるわけですよ(笑)。
じゃあ、下請けから脱したかったらどうするかというと、「下請けから脱する」という目標を作って実行する必要があります。
その時におすすめなのが、原田隆史先生という方が、目標達成をするときに使っているマンダラチャートというものです。
この方は、大阪の公立中学で子どもたちに陸上を教えるのに、やっぱりね〜凄いんですよ。目標管理のさせ方が。
『達成する人の法則』っていう本にも載っていますので、見てみてくださいね。
マンダラチャートは、私共も実務で使っております。
大谷翔平選手も実はこれをやっているんですね。
1番真ん中に最終目標を書くんですが、大谷翔平選手はそれを「ドラフト1位指名を8球団から受ける」と決めて、それに必要な要素っていうのを8つ決めるんですね。
- ・体づくり
- ・コントロール
- ・キレ
- ・スピード160㎞/h
- ・変化球
- ・運
- ・人間性
- ・メンタル
この8つの要素があれば、ドラフト1位指名を8球団から受けるだろうっていうね。
そして、お気づきになった方もいると思いますが、この目標設定の時点で、実は二刀流の話は全然出て来ていないんです。
完全に”ピッチャーとして”ドラフト1位指名を8球団から受ける目標設定であって、バッティング関係ないんですよね(笑)。
そしてその8つの要素を、さらに8つに分けていきます。
要素をどんどん細かくしていって、そして全部を達成できたら、真ん中に書いた最終目標を達成できる、というのがマンダラチャートです。
そして、大谷翔平選手は実際にこれを達成したわけでございます。
これは本当に、実務に落としやすくて、方向性がフラフラしている社長とか、あるいは方向性がフラフラしている管理職、こういう人たちにこのマンダラチャートをやっていただくと、意外と「あぁ、これ本当は自分はやりたくなかったなぁ」「こっち頑張ったほうが良いのか」とか、そういうのも見えてくるので、おすすめです。
経営者も過去には大敗を喫し目標設定の大切さを知った
経営なんか習わなくてもなんとかなる!っていう言葉の本質は、結局は目標をきちんと立てて、それを達成する努力をするようになるってことです。
そうすると、経営なんかよく分からなくても、最初はただの「目標達成」に向けた行動をするだけから始めるんです。
じゃあ、中小零細企業の社長たちが、どういう時にきちんと目標達成して、それを紙に落としていくかと言うと、これが面白いんですよ。
もうホントにね〜、首くくりそうになるくらい経営が上手くいかなくなって、初めて!火事場の馬鹿力で、目標立ててやるようになるんです。
「借り入れした金も使っちゃってもうカネが無い。でもそれも返していなかいとイカン…。もう資金も無い。あとは自分が信じられるのは…この身ひとつや!!この身ひとつで返して行くんや!!」って
社長って不思議とそういうふうになるんですよ(笑)。
その時には「経営の知識」もへったくれもなくて、まずは目標。
その目標をどうにかして絶対に達成すると。
その気迫だよね。本当に気迫でなんとか乗り切って、そして借金を返し終わった人たちがどれだけ強くなっているかって話で。
だから、誰も経営なんか習っていなくても、そこそこ強くなるのは、やはり名将と言われている人たちはだいたいが大敗しているんです。
大敗を経験した人でなけれが名将にはなれないっていうかね、そういうリーダー論もありますから。
どんどん失敗して、どんどんまた目標を作って、その目標を達成していくために、原田先生の著書やマンダラチャートなんかも参考にしてみてください。
目標がある人生の方が楽しいですからね。