経営者が苦境に陥る時の気持ち、それは「ワラをもすがる思い」
今日のテーマは、『苦境の経営者がハマるどツボ』です。
私も経営をやって15年くらいですけれど、社員を雇ってからは10年位は会社経営をしてると思います。
ただ、苦境の時というのは確かに何回かあって、来週・再来週とか来月倒産しちゃうみたいなそんな状況ですね。
こういう苦境の時にどういう思いになるかって、ワラをもすがる思いになるんです(笑)。
そして、普段の自分なら考えられないようなことをやってしまいます。
その典型パターンを、これから紹介しようと思います。
苦境に陥った経営者がハマる3つの”どツボ”
1)新しい事業(怪しい話)に飛びつこうとする
苦境の時って、「何かないかな!」「何か良いものないかな!」って、ワラを必死にすがりやすくなります。
手っ取り早い『新規ビジネス』を考えるようになるんですね。
自分の今やっているコアビジネスを置いといて、新しいビジネスを考え始めます。
これ苦境の時は本当にあるんですよ!
どうしよーっ!って悩んで、普段なら絶対に近づかないような変な人に会って、そこで「東南アジアの◯◯っていう国で王族が保証する〜がある。」みたいな話に出会うんです。
そして、それに飛びついちゃうと。本人は必死なんですけれど、周りは「それ、詐欺!危ないから止めなよ!」と言ってもやってしまうんですね。
これ、不思議なんですが、苦境の時ってうまい話に本当に騙されやすくて、そういう時に限って「美味しく簡単に儲かりまっせ」みたいな話が舞い込んできます。
だいたい詐欺みたいな事業ばかりなんですよね。これが。
2)運転資金で借金してやたらめったら他人の事業をマネする
『隣の芝生は青く見える』という言葉がありますけれど、苦境に陥るとまさにです。
人がやってる事業がすんごく儲かっているように、良いように見えてしまうんですね。
これも事実です。
自分の事業はもの凄くダメな事業で、他人の事業はめちゃくちゃ優れていて大当たりしているみたいな。
ライバルのやってること真似しよう!だってアイツらは上手く行ってるんだから。という具合になるんです。
そこに進出しようと欲が出ちゃうんですよね。進出したいのにお金がないんで無理して、運転資金で借金する人もいます。
社員の人件費を維持するために運転資金で借金して、「アイツらと同じことやって一発逆転!」なんて言って、実際にはお金を無くします。
3)未経験の分野で多角化しようとする
3番目。新規ビジネスで『多角化』をしようと考えちゃいます。
自分のビジネスをさておいて『多角化』しようとするんですよね。
変な話、私がコンサル事業やっていて、何のノウハウも無いのに飲食業に進出するとか、そんな感じですね。
全く知らないフランチャイズのライセンスを買って事業始めちゃったりします。
こういうの全く駄目です。成功しませんし、どちらかと言うと壮絶に失敗することが多かったりします。
自分に経験も実績もないのに、実績のあるオーナーを雇ってビジネスをさせるとかそういう事をやるんですね。
自分の人件費すら稼がにゃならん場面で、外から人を雇って、オーナーの人件費を支払って、ちゃんとやれるわけないですよね。
オーナーが見切りを付けて、後に残ったのは借金と人のいないお店…というのはよく聞く話です。
3つの”どツボ”から脱出する術はあるか?
じゃあどうすればいいの?苦境の時ってどうすればいいの?ということについて考えてみましょう。
1)自分の会社の強みを再度認識する
『自分、もしくは自社の強み』っていうのをもう一度ちゃんと考えてください。
炙り出すんです。
「俺の強み何かな?」「この会社の強み何かな?」っていうの沢山あると思います。
それをまず紙に整理していくんです。SWAT分析でも何でもいいですから、自分で強みと弱みを整理してください。
強みにまず集中してキャッシュポイントで稼ぐと。
2)強みと強みを組み合わせる
そして、強みというのは1個じゃないと思うんです。強みと強みを組み合わせることを考えてみてください。
めっちゃ強い強み、これもやれてるなという強みがあると思います。
それを組み合わせたら新しいビジネスが出来るはずです。
自分が持つ強みを合体させたら、何かお客さんにメリットのあるサービスが出来ないかっていうのを夜通し考えてください。
真剣に考えたら何か出てきます。それを地道に既存のお客さんにそれを提供していきましょう。
苦境の時って人がやってるビジネスに飛びついちゃいますよね?
凄く儲かるような話を友達とかするんですよ。実際儲かってなくても。
そうすると、「非常にいいなー!」「やりたいなぁ!」「お金ないなぁ、借金しよう」みたいな話になってきます。
そういう甘い話には飛びつかず、自分の強みをまずまず抽出・抽出・抽出して、それを地道に形を変えてシナジーを出しながら、相乗効果を出しながら既存の客さんに提案していきましょう。
そしたら、その話が広まって、口コミでまた商売が活性化していくという事が多々ありますし、堅実な形で継続的に会社を続けられると思います。