ランチェスターの法則とは、企業間の営業・販売競争に勝ち残るための理論と実務の体系をまとめたものです。特筆すべきは弱者が生き残りをかけて強い敵と対面した時に、どうすれば正面から潰されずに済むのか?弱者の戦略を説いていることです。生まれて100年が経過した今も、実用性の高い法則ですが、その中身はとても簡単です。
ランチェスターの法則は一騎打ち型・弱者の戦略
今日は久しぶりにランチェスターさんのお話をします。
ランチェスターさんという方は、『ランチェスターの法則』というのを考えた方でございまして、第一次世界大戦当時のイギリスのエンジニアさんです。
ランチェスターの法則には2つありまして、1つが『一騎討ちの法則』といわれるものです。
それからもう1つは『集団戦闘の法則』というようなもので、結局は『一騎打ちの法則』の方が、まだ中小企業においては戦えるよね、っていうことでビジネスでも応用されているわけでございます。
つまり、弱者の戦略って簡単にいうと、「一騎討ちのの方がまだマシ」っていうレベルなんです。
ですから強い敵と戦うとき、我々はどうすれば良いか。
1番良いのは、「戦わない」ことです。
ランチェスターの法則で導かれるのは、もちろん集団戦闘の方になったら、完璧に相手の損害はほとんどない状態でやられてしまうのが中小企業です。
だから、まだ一騎討ちの方がマシなんだから、そっちを取ろうよってだけの話でございます。
弱者でもスタートラインに立つには知名度が必要
「知名度」みたいなところで捉えて頂ければ良いんですけれど、大体同じタイミングに生まれた会社が100社あったら、競争に乗るのは上の20社くらいで、あとの80社というのは競争にも乗らずに潰れていくんです。
どうしてそんなことが起こるのかというと、大体、認知度とか知名度で10%くらいのラインに来れば、まず「弱者」としての入り口といいますかね、競争に乗れるギリギリのラインに乗れるんです。10人中1人は知ってるっていう感じですね。
要するに認知してもらえるんです、「そういう店あったな…」「そういう会社あったな…」みたいな感じでね。
そして、基本的には25%の知名度とか25%のシェアとかね、そういうのを「目標」にしていく。
では、「強者」と呼ばれるのはどれくらいかというと、40%の知名度とか40%のシェア。
この「強者」になってくると戦い方も変わってくるんですね。
じゃあ、「弱者」の入り口になぜ立てないのかというと、元々、それほどに「有名になろう」とか「目立ってやろう!」とかね、そういう考えが無い会社さんの方が多いんですね。
ですから競争にもならずにほとんどが潰れて行くということです。
ランチェスターの弱者の戦略「五大戦法」
ちなみに弱者の戦略と強者の戦略には、それぞれ五大戦法というものがあります。
弱者の戦略
- 一点集中
- 局地戦
- 接近戦
- 一騎討ち
- 陽動戦
強者の戦略
- 総合戦
- 広域戦
- 遠隔戦
- 確率戦
- 誘導戦
弱者はどうやって戦うのか、強者はどうやって戦うのかっていう話なんですけれど、まぁ17年も実務をやっていますと、やっぱりね、弱者の戦略の「一点集中」っていうのはかなり強いです。
ですから、商品・サービスを絞り込んで、これで勝負していくんだ!っていうね、そういうのが非常に堅いやり方ですね。
それから「局地戦」。ここの街で1番になる!つまり地域1番店ですね。
これもね、実際に強いです。
「接近戦」はね、基本的に挨拶ばっかりしている人(笑)。挨拶ばっかりしているオッチャンっていますけれどね、そういうオッチャンって実はすごく売るんですよ!
私は 接近戦ですっごく売る不動産屋さんのオッチャンを知ってます(笑)。
それから、どうせだったら「一騎討ち」の方が良い。
そして「陽動戦」ですね、陽動戦でよく使うのは広告ですね。広告で奇抜なものをバーンッと打ったりして。
それくらい、いわゆる「弱者の戦い方」っていうのは、カッコ悪いんですよ(笑)。こういうカッコ悪い戦い方をやっていたら、どうにか10年生き残っていくっていう話です。
素人でもはっきりとわかる違いで差別化を図る
もちろん根底となっているのは、「差別化戦略」というもので、基本的な考え方としては、まず”素人”、相手が素人さんであっても、その違いがハッキリ分かるくらいのインパクトがある商品・サービスを取り扱っていくこと。
素人さんにもハッキリ分かるのは、まずは「値段」ですね。これは分かる。値段が半額以下で出せるとかね。
それから「スピード」ですね。よそが3日納品だったところを、うちは1日で納品できるとかね。
そういうふうな形で、素人にも違いがハッキリ分かるモノ・サービス、そういうものを小さな世界で1番になっていく。とにかく目立っていく。
そういう形で売っていけばなんとかなるっていうのが「ランチェスターの弱者の戦略」の実践論でございます。
まぁ、理論的にはちょっと若干違うので、実践をしていくなかではとにかく看板を使う、路面店を取る、そうやって目立っていく。
そしてSEOですね。もう本当にインターネットの世界はSEOですからね。SEOでどんどん検索に当たっていくっていうことをやっておけば大丈夫だと思います。