夫婦のどちらか一方が経営者で、他方がサラリーマンや主婦である場合、経営者が他方のパートナーに自分の収入をそのまま渡すことは非常に危険な行為です。もともとそのようなお金を持っていなかった人が、一旦お金を手にすると浪費が始まります。業績が好調な時は良いかもしれませんが、いざ業績不振になったら?経営者が家計についてよく悩む問題に島倉さんが斬り込みます。
奥さんが業績不振の理由を作る張本人!なぜ?
今日は、「あなたの会社で経営が崩れる本当の理由」というお題で話をしてみたいと思います。
集客がどうとか、マーケティングがどうとか、という話ではありません。
あと、今回の話は独身の人は関係なくて、結婚している経営者限定の話になります。
結婚している経営者にとって、会社の経営を崩す大きな理由は「あなたのパートナー」かもしれないという話です。
経営者が自分の収入を配偶者にそのまま渡すと起きること
夫婦のどちらか一方が経営者である場合、他方は主婦だったりサラリーマンだったりすることが多いと思います。
そうすると何が起こるかというと、経営者でないほうのパートナーは、主婦なら給料がないですし、サラリーマンなら経営者のあなたより稼ぎが低くなることが多いわけです。
経営者が駆け出しのうちは良いのですが、稼ぎ始めた後に問題が起きやすいんです。
経営者がいざ稼ぎ始めると、経営者でないほうのパートナーは、「経営者ってこんなに稼ぐんだ。自分が一生懸命働いて4、500万円とか馬鹿らしい」と感じると共に、「これだけ稼いでくれるならもう大丈夫」みたいに、安心してしまいます。
安心するとどうなるかというと、経営者でないほうのパートナーの浪費が始まることが多いんです。
最初はコロッケで満足だったのが、カニクリームコロッケになって、最後には普通のコロッケなんて食い物じゃないと言わんばかりに、銘柄牛が入ったコロッケじゃないと満足しなくなったりします。
車ならば、いつの間に軽自動車だったのが、セダンになり、いつの間にか外車に変わってくる、どんどんアップグレードされて、生活水準が高くなっていくと。
服ならば、ブランド品でないと満足できない、あなたが気が付かないうちに、パートナーがそういう状態に陥っていたりするのです。
気がついた時には、本来は家で貯めておくべき貯金をしていない、むしろ経営者名義でとんでもない借金をしていたと、信じられないかもしれないですが、本当にこういうことが起きるんです。
個人レベルの会社なら、この時点でコケることも多かったりします。
業績不振時に経営者が行う投資が配偶者には浪費にしか見えない
あと、経営が良い状態の時はそれでもなんとかなるかもしれないですけれど、それっていつまでも続くことはなくて、経営を続けていると必ず厳しくなる時ってあるじゃないですか。
ところが、苦しくなっていくと、経営者がその状態を脱するために、投資としてやっていることが、相手にとっては浪費にしか見えなくなったりするんですよね。
ネットに投資したり、販促を打ったりと、そういうことに経営者が一生懸命お金を使っているのが、「どうせ成果も出ないのに、あいつは何をやっているんだ。」と、パートナーにとっては浪費にしか見えません。
苦しいなりに、そう見られないよう、せめて経営者としてふさわしく、こ奇麗な服だけは整えようとしても、それに対してすら「無駄遣いだ」と言い始める始末です。
でも、本当は売上が下がっている時って、こういうチャレンジを数多く行なわないといけない。
なのに相手は感情的に、「売上が下がっているのに、家族を放おっておいて外で他の人と会食して。何なの!」と、家族内だけでしか通じない「正論」を吐くわけです。
そして、これに対して経営者は言い返せないわけです。
経営者なりに手を打とうとすることに対して、夫婦という関係があるゆえに、経営者のほうがグッと我慢しちゃったりするんですね。
そうやって経営者が段々萎縮して、本当に投資をするべきところに投資できず、どんどん会社が駄目になっていくと、そういう場面を多く見てきました。
家庭に渡す収入は一定額に抑えるのも一つの愛
じゃあ、どうすればよいの?という話なのですが、そんな奴とは離婚しろとか思う人もいるかもしれませんが、そういう極論は言いません。
私は経営者の皆さんに、パートナーには正確な収入を最初から伝えずに、「家に入れるお金を定額制にする」という形をオススメしています。
ケチケチしろと言っているのではありません。
あくまでも身の丈に合った定額の収入を、家庭に入れるように最初から決めておけば、争いごとも起きにくいですし、しっかりと家計が成り立つようパートナーも計画的に考えるようになると言っているのです。
そして、家庭に入れない収入は自分が貯めておいて、いざ自分の経営が苦しくなるときには、その貯めた額から同じ定額を家庭に入れれば、何の文句も相手からは出ません。
パートナーに正確な収入を最初から伝えないで、日頃の生活をある程度のサイズに収めるというのは、本当の意味で相手への愛ではないかなと考えています。